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ブラインドからのぞき見た世の中 : February 25, 2010 @ 15:19

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.11『ファッションと伝統と格式と』



先日のスノーボード日本代表の国母和宏選手が、バンクーバーオリンピックへの日本出発時、およびカナダ入国時の服装の”乱れ”を理由に、あわや出場停止になるか!まで至った騒ぎ。さらに日本のメディアも”品位”がとか、”格式”がとか、彼への個人攻撃にまで発展した件。
とても残念に感じました。


たしかに、会見での彼の態度はさすがに許されるものではなかったとは思いますので、そこは彼も反省しなければいけないでしょう。


しかしながら、本来あの会見自体は定期的な状況報告の会見らしく、現在の進行状況などを伝える場だったのにも関わらず、メディアはまったく関係のない”服装の注意”のコトを彼に質問したらしいんですね。いったいどこのメディアなんでしょうね、そんなコトをしたのは。それこそそのメディアの品格を疑います。彼にそのコトについて話してほしいならば、会見を正式に申し込むべきだったと思いますよ。


だいたいJOCも彼の服装の”乱れ”を注意とかいって、高校の生活指導かよ!ってくらい、よく分からない締め付けですよね。

さらに川端達夫文部科学相は、衆院予算委員会で「日本選手団の代表としては、適切で全くない。極めて遺憾だ。(監督官庁として)しっかり対応していきたい」と述べ、日本オリンピック委員会(JOC)に、選手指導の徹底を求める意向を示し、さらに「反省してまーす」と述べた会見にも触れ「本当に反省をしている態度ではなかった。国を代表して参加している自覚が著しく欠けている」と指摘したとのコト。
こちらとしては、川端さんの国民の代表である政治家としての自覚をキッチリしてほしいくらいです。


しかし、なぜ服装のコトばかり、そこまで叩かれるのでしょうか。
個性とファッション。
画一的なものを求めがちの日本の国民性が一気に露呈した今回の”事件”。


だいたい、あまりに揃いすぎる制服だったり、行進だったりは、極端ではありますが軍隊的なものを感ぜざるを得ないですよね。彼らは軍隊ではなく、それぞれの個性を生かして日本の代表になったヒトたちですので、そんな人たちの個性を締め付けること自体ナンセンスだと思います。だからといって、「何をやってもいい!」ということではありません。

でも、人それぞれ、センスのニュアンスは違うんですから、日本人特有の曖昧なニュアンスで「理解しろ!」という方が無理のような気がします。そこまで服装の”乱れ”を騒ぐのであれば、最初から明確なルールをつくるべきだったのではないでしょうか。だいたいあれが”乱れ”ていたのかどうかは、コチラとしては理解不能ですけれど。


それに制服がひとつの種類しかないのも、ちょっとおかしいですよね。


どうせなら、色は一緒でもいろいろな形──例えば、シングルでも2ツボタンとか3つボタンに出来るとか、ダブルも選べたり、細身やワイドにもできる、それが可能になればもっとファッショナブルだし、個人の意見もそれなりに尊重できて、とてもいいと思います。

ココはひとつ、”東京スカパラダイスオーケストラ”のスーツスタイルを見習った方がいいと思いますが、みなさんはどう思われますか。



『しらけちまうぜ』東京スカパラダイスオーケス/


旅路 良



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