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Interview : October 7, 2011 @ 15:43

Japanese Soul!! インタビュー ── 中島ノブユキ&青野賢一 “pianona”(前編)



SHIBUYA-FM 78.4MHzにて放送中の人気ラジオ番組『Japanese Soul!!』に、音楽家の中島ノブユキさん、そしてビームスレコーズの青野賢一さんが登場。


中島ノブユキさんは、2011年5月発売した東神田のカフェ&定食屋『フクモリ』の2周年記念のコレボレーションアルバム『pianona』をプロデュース。

各方面から”大”がつくほどの絶賛を受けたこのアルバムの収録曲から、今度は”シスター・スレッジ”のカヴァー曲「Thinking of You」のリミックスEP盤『Thinking of You EP』がビームスレコーズから2011年10月にリリースすることとなった。


今回は、そのEP盤の発売を記念して、、、いや期せずして記念となってしまったのだが、2011年5月におふたりがラジオ番組『Japanese Soul!!』に出演していただいた際のラジオインタビューをお贈りする。


青野さんと中島さん、公私ともに仲のよいおふたり。

その仲のよさのヒミツが、いま解き明かされる。。。






カネコ:では、青野賢一さんの選曲からいきましょう。


Phew(フュー)
「Thatness and Thereness」





カネコ:コチラは。。。


青野:坂本龍一さんの『B2 UNIT』という80年のアルバムに収録されている曲のカヴァーですね。


カネコ:このグニュグニュいっているノイズが気になります。


青野:シンセサイザーとか、いろいろな楽器を使っているんですよ。その辺のノイズはジム・オルークが出しているですけれどね。
ピアノは石橋英子さんが弾いています。
この曲は中島さんはけっこう思い入れのある曲ですよね。


中島:そうなんです。
じつは今日ボク、これのオリジナルバージョンを持って来ようかなという一瞬思ったの。


カネコ:坂本さんの方のということですよね。


中島:そう。そしたら、、、面白かったですよね。


カネコ:え!?ハハハ(笑)。


青野:ボクの目の前に坂本(龍一)さんのちがうアルバムのジャケットが飾ってあるんですけれど(笑)。。。


カネコ:中島さんがお持ちいただいたものですよね。
“カクトウギ・セッション”の『サマー・ナーヴス』です。


青野:当時、坂本さんの曲は難しくて、、、どうなんだろうっておもったけれど、ジワジワ好きになった曲ですね。


カネコ:歳を取ると分かるというか、そんな感じですよね。
分からなくても、むりやり聴くみたいな。


青野:あのオトナの味ってこんなんだなって。。。
お酒が呑めないけれど、呑んじゃうみたいな感じですね。


カネコ:たしかに。


青野:このPhewさんも坂本龍一さんが当時の作品に参加されたりとかしていまして、これは昨年出たアルバムなんですけれど、時代を経て坂本さんの曲が入っているというのもなかなか感慨深くて。
『ファイヴ・フィンガー・ディスカウント』といって”万引き”という意味のアルバムなんです。全曲カヴァーで、「時には母のない子のように」とか、「夢で逢いましょう」とか、「青年は荒野をめざす」とか。


カネコ:英語詞に変えてカヴァーされたりとかされたりしているんですか?


青野:いや、日本語の曲は日本語で歌っているという感じです。


か:では、2曲目にいきましょう。


中島ノブユキ
「fragment Ⅲ」


青野:コチラは、ボクの隣にいる中島ノブユキさんが弾いています。


中島:あっそうだった。。。


カネコ:なんすか、そのやりとり(笑)。


青野:『pianona』というアルバムからで、コラボレートアルバムみたいな感じですよね。


中島:そうです。


青野:馬喰町にあるフクモリというカフェというか、定食屋というか、そこが発信するアルバムの中に入っているんですけれど、コトの細かい部分はたぶん後で中島さんが説明してくださると思います。
ちなみに、コレ、お店で録っているんですよね。


中島:そう!
あのー、アルバム全体はスタジオで録っているんですけれど、この曲だけは普段の「pianona」の演奏会の音を録りたいなということで、フクモリにおいてあるピアノを使って録音しています。


カネコ:どうやって録音されたんですか?


中島:え!そんなネタばらししちゃう(笑)?


一同:ははっは(笑)。


中島:この曲に関しては、いわゆる手持ちのポータブルの録音機で。。。


カネコ:それでこういう音が録れるワケですか?


中島:逆に、だからこういう音になっているんです。
ちょっと遠い感じの。


青野:部屋の感じというか、そういうのまで感じられる様な音になっていて。
他の曲は、スタジオで録られているので普通というか、キレイな感じですよ。
ピアノソロの「fragment」というのがポンポンポンと、、、具体的な曲を間にはさみながらというアルバムですよね。


中島:うん、そうです。


青野:まあ、あまり言うと、中島さんが言うコトなくなっちゃうんで(笑)。


中島:いやいやいや。
ネタは豊富ですよー。


カネコ:おーっと(笑)!


中島:あまり語らないですけれど(笑)。


青野:ボクは、実際のフクモリで弾いているのも何度も聴いているので、やはり情景が目に浮かぶというか。。。とくにこの曲はお店で録ったということも含めてすごく象徴的な曲なんじゃないかな。


中島:やはりスタジオで録っちゃうと、スタジオの整えられた音になってしまう。
もちろんそれはそれで好きなんだけれど、このざらっとした質感は、お店じゃないと録れなかったと思います。


青野:昼寝しているときに隣の部屋から聞こえてくるピアノの感じですよね。
で、いつの間にか寝ちゃうみたいな。


中島:ホントはね、お店の前の道路にマイクを立てて、部屋から漏れて来る音を録ろうとかいうアイディアもあったんです。


青野:期せずしてそんなところを探ってしまったワケですね。


中島:ところが、この日しか録音スケジュールがとれないってときにお店の前のが工事中でね、さすがにそれは無理だってなって。いろいろあったんですよ。


青野:まあ、このアルバムの細かいお話については後で出てくると思いますので。


カネコ:ちなみに青野さんと中島さんのつながりってどこから、どうなったんですか?


中島:あの、、、かならず聞かれますよね、青野さんと一緒にいると。そんなに不思議(笑)?


青野:なんなんでしょうかね(笑)。


カネコ:不思議ではないんですけれど、あまりにも仲がよろしいので。。。


青野:アレ!?それ嫉妬しているの(笑)??


カネコ:いやいや。でも、おふたりのツイッターを見ていると、床屋に行ってテクノカット対決とか(笑)。


青野:対決はしてないから(笑)。


カネコ:「俺もテクノカットやる!」みたいなことを書いていたりして、「何をやっているんだこのふたりは?」と思って拝見しているんですけれどね。


青野:ツイッター漫談みたいなものなんでね。


カネコ:まさに漫談ですね。


青野:最初に会ったのが、、、3年くらい前ですよね。


中島:そうですね。
はじめて会ったときが古本屋街に。。。


青野:神保町の。


中島:そう。お互いその日に偶然そこに用事があって。。。
会った場所はぜんぜん別の場所だったんですけれどね。
「じゃあ一緒に行きますか?」ってなって、何故かはじめた会ったその日に古本屋街をウロウロしていたという。


青野:”流した”って感じですね。
で、喫茶店に行ってお茶飲んで(笑)。


カネコ:デートじゃないですか、それ(笑)。


中島:ははは(笑)。


青野:世間的にはそういうことになりますよね。
そんな”なれそめ”です。


カネコ:そうだったんですね。



(後編へつづく)






中島ノブユキ
『Thinking of You EP』




レーベル:ビームスレコーズ(BBR-A-6026)
価格:¥1,400(税抜)



中島ノブユキ
『pianona』





レーベル:K.K.H.K(KKHK-01)
価格:¥2,500(税込)

>>>レビューはコチラ


□プロフィール
・中島ノブユキ
音楽家
ピアニストとしては勿論の事、時に作・編曲家としてエレガントかつスリリングなアンサンブルを構築し、映画音楽〜JAZZ〜POPS〜広告音楽〜クラシック 等様々なフィールドで展開。
編曲家として菊地成孔、UA、ゴンチチ、沖仁、高木正勝、CALMらの作品に携わる。またピアニストとして畠山美由紀、ジェーン・バーキン、高田漣、原田知世らと共演。2010年タップダンサー熊谷和徳と東京フィルハーモニー交響楽団が共演する「REVOLUCION」に参加(音楽監修/作曲、オーケストレーション)。映画「人間失格」、アニメーション「たまゆら」の音楽を担当。
ソロアルバムとして『エテパルマ』(06)『パッサカイユ』(07)『メランコリア』(10)を発表。
2009年より月例ピアノ演奏会 “pianona” をフクモリにて開催中。
2011年6月発表のコラボレーションアルバム『pianona』をプロデュース(持田香織、森俊二、武田カオリ、高田漣、北村聡らが参加)。
近年は完全即興と作曲との稜線を行くピアノソロによる演奏活動も行っている。日本大学藝術学部で教鞭を執る。
http://nobuyukinakajima.com/


・青野 賢一
BEAMS クリエイティブディレクター
BEAMS RECORDS ディレクター
セレクトショップ〈BEAMS〉のクリエイティブディレクターとして、ファッション、音楽、アート、文学などを繋ぐ活動を行う。
2010年には初の著作集『迷宮行き』(天然文庫/BCCKS)を発表。
雑誌『OCEANS』、『ROCKS』、文芸誌『IN THE CITY』にてコラムを連載中。
また山崎真央(gm projects)、鶴谷聡平(NEWPORT)との選曲ユニット「真っ青」としても活動し、「SPECTACLE in the Farm 2010」にも出演。
BEAMS web site
http://www.beams.co.jp/
BEAMS RECORDS web site
http://shop.beams.co.jp/shop/records/


・ Japanese Soul!! Crew




日本に存在する多くの名曲をオシャレに、且つアカデミックに紹介するプロジェクト。
ラジオ番組『Japanese Soul!!(ニッポンの魂)』やイベント『Japanese Soul!! ナイト』、DJなどによる空間プロデュースなど、幅広い分野で活動中。
メンバーはプロジェクトによって流動的だが、本インタビューではカネコヒデシ、服部全宏の2人。
ラジオ番組の放送は、SHIBUYA-FM 78.4MHz(http://www.shibuya-fm.co.jp/)、毎月第三、第四水曜日の21:00から。インターネット配信により全世界に拡散中!
『Japanese Soul!! ナイト』は毎月第三金曜日に開催。
そのほかさまざまなイベントにてDJなどで活躍中。
http://japanesesoul.jp/

 

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