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tokyo feature : April 17, 2012 @ 16:37

アナログレコード制作現場体験!──第一回『東洋化成』レコード工場見学会



大のアナログレコード好きとしてもおなじみのワタクシ。

もちろんそこに録音されている”音”が好きなワケなのですが、そのレコードのモノ自体の触りゴコチや大きさ、ジャケットのアート的な面、そしてそこに刻まれているミミザワリ良い深い音質など、すべてふくめて大好きなワケです。


今回は、日本で、いやアジアで唯一アナログレコードを制作している会社『東洋化成』さんのアナログレコード制作の現場に伺がってきました。


題して、第一回レコード工場見学会。
(もしかしたら第二回目もあるかもしれないですw)

アナログレコードは、いったいどのような行程で出来上がるのでしょうか。






さて、品川駅から神奈川県横浜市鶴見区にある東洋化成のレコード工場のある鶴見小野駅へ向かいます。





京浜東北線で、まずは鶴見駅へ。





その後、鶴見線に乗り換え、、、





そこから二駅目の鶴見小野駅へは4分ほどで到着です。





コチラが鶴見小野のメインストリート。





残念ながら、この日は超がつくほどの春の嵐。

さらに工場地帯のため吹きさらし。
そんな横殴りの雨のなか、徒歩10分ほどで東洋化成さんにやっとのことで到着しました。





日本では、、、もといアジアではもうココでしかアナログレコードは作られていません。

動物でいうと、いわゆる絶滅危惧種。まさに”トキ”のような存在ですな。


さて、社長の萩原さんにさっそくカッティングマシンが置いてあるカッティングルームへとご案内いただきました。





コチラがカッティングルーム。





カッティングマシンとは、レコードの一番最初の型──いわゆる原盤をつくる、機械のことです。


コチラがその原盤をつくるカッティングマシン。




こちらは音をデジタル音源からアナログ信号に変換したり、音のレベルを調整したりするミキサー卓。





まずは、カッティングマシンにラッカー盤と呼ばれる、いわゆる溝の入っていないレコードみたいな、盤をターンテーブルの上に乗せます。





中心の黒い部分は、空気を吸引して、ラッカー盤とターンテーブルを吸い付かせて安定させているとのこと。





コチラがカッティング前のラッカー盤。

中心部分は、以前のテストで溝が入っていますが、外側の部分はまだ溝が入っていないことが確認できます、、よね?





これに溝を切り込むカッターを、位置を微調整しながら設置。

写真はカッティングマシン職人の手塚さん。





コチラがカッター。
いわゆるレコードの針のような感じですが、エメラルドが使用されており、熱を持たせて盤を削って録音していくのです。
まさに削り出しの一番だしといった感じ。

スピーカーの役割を果たしているので、このカッターの先からもビミョーに小さな音が聞こえてきます。





コチラが録音後、カットした後のラッカー盤。
盤の中心あたりに新しい”溝”が見えるのが分かりますか?





この溝の録音していない部分と、録音している部分を付属の顕微鏡でみせていただくと、録音されていない部分は平行に溝が列んでいて、録音された部分は溝が左右に波打っているのが見えました。

この波がレコード針を震動させて、それが音になるんです。




これがまず一番最初の行程。


つづいて、カッティングマシーンで出来上がった原盤を基に、凸面の型を取る作業へ移ります。

コチラがその型を取るためのプレス機械。





左右に列んでいる丸の皿みたいなのは、A面、B面ということだそうです。

プレス機で原盤をプレスして、型を取って行きます。





手に持っているのが、プレスし終わった原盤。

これを、、、





端の部分を削って、、、





剥がすと。。。




原盤の型のできあがり。

ちなみにこういった行程で洗浄に使用されるのは、すべて純水だそうです。





そういえば化学の実験も純水ですよ。
それといっしょか!って覚えてない人の方が多いかもね。


さて、次はこのできあがった型を塩化ビニールでプレスする機械へ。




コチラは、手作業版のプレス機械。

いまつくっているのは、いわゆるピクチャー版と呼ばれる、盤に絵が書いてあったりするちょっと特別なアレです。





写真のように、紙と紙の間に。。。





レコードの材料となる塩化ビニルの塊を乗せます。

ピクチャー版の場合は、通常の黒だと中に閉じ込めた紙の絵が見えなくなるので、透明にちかい素材を使用。

ちなみに、この塩化ビニルの塊がかなり熱いのですが、これを手作業で乗せていくんです。

これを機械でハサムとレコードの製品版が文字通りプレスされて出てくるというもの。


はみ出た部分ハミの部分は手作業でカットして、円に整えていきます。


ちなみにコチラは、自動作業のプレス機械。





自動で製品が出来上がってきます。





下にあるのが凸面の型。
中心辺りに黒い塩化ビニルの塊が注入されているのが見えますか?

1分ほどで製品が出来上がります。


ちなみに中心にあるいわゆるラベル部分は、ノリでくっついているわけではなく、圧縮でくっついているいるとのこと。
知らなかった。





コチラが凸面の原盤の型。

溝が出ているので、指で触ると引っかかる感じがあります。





コチラは、中心の穴が、キチンと中心にあるか調べる機械。

上の円柱のところに溝が拡大されて写り、その揺れ具合の幅で、中心がズレているかどうかが分かるというもの。

コレは、ランダムに選んで検査しているとのことでした。





コチラでは7インチ、いわゆるドーナッツ盤を制作中。


ちなみに、『東洋化成』さんではさまざまなアナログをつくっています。

たとえば、





色が混ざり合ったモノや、、、





CDサイズの12cmアナログ。

コチラは音が悪かったらしく、残念ながらいまは廃盤だとか。

カワイイんですけれどね。

もっと小さいものもあったとのことでした。


そういえば、プレスも含めてすべてがほぼ手作業。

まさにそれぞれの職人たちの”想い”がつまったいちまいなんですね。





さて、コレはグラミー賞とか、レコード大賞などで受賞されたアーティストに渡される、いわゆるゴールドディスクってヤツです。

金でつくられたレコードではなく、原盤の型だったんですね。
知らなかった。


さまざまなレコードプレイヤーもつくられていました。

例えばジュークボックス。





コチラは、12CMレコード用。





そして、こちは7インチ用です。





コチラは12CMアナログの家庭用プレーヤーの試作機。





これがスゴイ!
8CMのアナログ用のプレーヤー。

お菓子のフロクについていましたね。



さて、アジア唯一のアナログ工場を持つ『東洋化成』。

この日、カッティンマシーンでたまたまテストカットしていただいた音源は、某東南アジアの国からの依頼の音源だったらしく、やはりアジアにココしかないので、アジア諸国からの依頼も増えているとか。

また、欧米ではいま空前のアナログブームだそう。


デジタルには、さまざまな広がりはあるけれど、個人的には音質の限界をどうしても感じてしまう、現代の音事情。
やはり良い音はアナログで聴きたいと思ってしまうのは、ワタクシだけではないハズ。

アナログレコードはマニアだけのモノではありません。


『東洋化成』さんには、これからもアナログレコードへの挑戦と、良い音を輩出しつづけていただいて、鶴見の工場地帯におとずれた春の嵐のように、低迷をつづける音楽業界的にまさに”嵐”を巻き起こしていただきたいです。

と、勝手な個人的希望を述べて、今回の『第一回レコード工場見学会』はコレにて終了。

ご協力いただきました『東洋化成』のみなさま、お忙しいところありがとうございました!





東洋化成:http://www.toyokasei.co.jp/


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