Movie Life : October 23, 2012 @ 02:21
MOVIE LIFE 094 『希望の国』
ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。
いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画と過去に見たDVDなどを中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。
(評価は5段階、☆の数で示されます)
MOVIE LIFE 094 『希望の国』
それでも世界は美しい。
□ストーリー
酪農家の小野泰彦は、妻や息子夫婦と平和でつつましい日々をおくっていた。
一方、隣家の息子は家業を手伝わずに恋人とあそんでばかり。
そんなある日、大地震が発生し一帯の住民は避難を強いられるが、泰彦らは長く住みついた家をはなれることができない。
そんな中、息子の妻いずみが妊娠していることが発覚する──。
□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)
『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』、『恋の罪』、そして『ヒミズ』など、つぎつぎと話題作を世におくり出している”園子温”監督、待望の最新作がついに登場だ。
今作は、いまだダレも触れない(触れたくない??)、福島第一原発の事故、とくに放射性物質問題に真っ向から挑んだ超社会派作品。
どうする?
なんで?
なにがどうなっているの?
どんな状況なんだ?
どうしたらいい?
何が正しくて、何がまちがいなのか、そして何を信じるべきなのか。
原発事故直後のフクシマ県民の心情は、そんな葛藤をくりかえす状態だった。
当事者のワタクシが語るのだからまちがいはないし、もちろん園監督自身も何度もフクシマに足をはこび、避難した被災者たちへの取材をかさねたことで、よりリアルな心情を描けたのだと思う。
なので、この作品はフィクションとはいえ、もはやノンフィクション作品と言っても過言ではないだろう。
もし、コレが「過剰反応の結果だ!」とか、「恐怖をあおるようなコトはやめてほしい」と言うヒトがいるのであれば、そのヒトには「放射性物質について、いったい何を知っているのか?」と、問いたい。
もちろんワタクシは知らないし、実際に現時点ではどんなモノかもはっきりと解明されているものでもない。
だからコワい。
それのドコがダメというのだろうか。
もっともコワいのは、知ったかぶりをして「安全です」をくりかえし、状況に慣れきってしまう社会なのでは?
そんな現在の社会に一石を投じた、まさに”園子温、ココにアリ”な意欲作。
そういえば、先日、惜しくも交通事故で亡くなってしまった”若松孝二”監督の次回作は、東電に真っ向から勝負を挑む原発問題を予定されていたとか。。。
園監督には、ぜひとも彼の意志をついでいただきたい。
つつしんで、”若松孝二”監督のご冥福をお祈りする。
2012年10月20日より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー
『希望の国』
監督:園子温
出演:夏八木勲/大谷直子/村上淳 ほか
配給:ビターズ・エンド
オフィシャルサイト:http://www.kibounokuni.jp/
©The Land of Hope Film Partners
This entry was posted on Tuesday, October 23rd, 2012 at 02:21 and is filed under Movie Life. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.