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ブラインドからのぞき見た世の中 : April 9, 2010 @ 03:21

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.14『メディア カオスの時代』



雑誌メディアが悲鳴をあげている昨今。
出版社や新聞社はこぞってWEBメディアへの可能性を求めて、あたらしい試みをはじめています。

いま、アメリカでもおなじ状況らしいんですよね。
あの”ニューヨーク タイムズ”ですら、購読者数の減少から紙メディアからWEBメディアへの移行している状況なのです。そして、状況の打開策として先日発表されたのがWEB版のコンテンツ有料化。2011年から施行される見込みのようですね。

一方、日本の経済情報を一手に?担っている”日本経済新聞”が、2010年3月23日からいち早くWEB版コンテンツの有料化を実施しました。すべてのページというワケではなく、ココから先は有料的な感じらしいのですが。。。それにつづいて他の新聞社や出版社もWEBメディアのコンテンツ有料化の意向を示しているようです。

先日、某テレビ局で”テレビ・新聞の未来”的なコトを語る討論番組をやっていたのですが、出演者はメディア王的某会長と、これまたテレビ的メディア王の某会長、そしてIT系若手会長、若手ITジャーナリスト、大学教授、そして某国営放送の副会長。

「これからのメディア事業」をテーマとした討論のさなか、メディア王的某会長とテレビ的メディア王の某会長のおふたかたは、自分たちだけ(テレビや新聞)がマスメディアであって、それ以外はマスではないという考えをなかなか崩さなかったのです。いや受け入れられなかったのでしょうね。

すでに、その時点で”終わっている”とワタシは思ってしまったのですが、、、さらに、その人たちがそれをやる意味を深く理解もせずに、次のメディア戦力としてWEBコンテンツ有料化をあげていたことに、思わず嘲笑すらしてしまいました。

彼らは、きちんと手のこんだ内容の記事であれば、ユーザーはそれに対して対価を払うだろうという考えなのです。もちろん間違ってはいないと思いますよ、、、紙メディアにおいてはですけど。

しかし、WEBメディアというものは、概念からしてまったくちがうものなんですよね。それを紙メディアと同等に考えて、動き出している状況はあまりにも安易だと思います。

その流れ自体、まったくもってユビキタス化という時代の流れに逆行しているし、ヒトがいままでタダだったモノ(タダだと感じさせられていたモノ)に対して、突如プラスアルファでお金を払うか?という部分から、失礼ながら、個人的にはこの一連の流れは絶対に失敗すると思っています。

インターネット ユーザーのおそらく9割いやほぼ10割はネットの情報に対して、よほどの”価値”がないかぎりは払わないと思いますよ。だって、検索すれば同じような情報が掲載されていますから。

では、今後のWEBメディア事業における焦点をドコに置くのか。それは、「その”価値”をどうやってつくりだしていくのか」というコトだと思います。

もちろんヒトによって価値の基準はちがいます。だから、一概にコレとはいえませんが、まちがいなく情報の有料化ではないと思いますよ。

もっとも最先端だったはずのメディア事業が、いまや”時代遅れの長物”となりつつある2010年。

いま、まさに”メディア カオスの時代”が到来したワケです。


このご時世、ヒトビトは何に”価値”を求めているのでしょうか。
やはり、『ロマンス』なんじゃないですかね〜。


『ロマンス』原田知世

旅路 良

 

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