ブラインドからのぞき見た世の中 : June 17, 2013 @ 17:05
ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.90『規制と規正』
さて、先日のW杯サッカー日本代表戦。
本田のゴールで、日本代表がW杯出場を決めた夜のこと。
ワタクシは、家へ帰るために、ちょうど試合後1時間後くらいの時間に渋谷駅に向かっていました。
予想ではスクランブル交差点は、クルマなんかはひっくり返されて、いたるところで火が燃えている、
悪そうなモヒカンの革ジャン軍団が、えげつない笑いとともにチェーンをグルグル振り回す。
80年代のSF映画にでてきそうな、世紀末のロサンゼルスなみに無法地帯化して、
もー、かなりスゴいコトになっているのかなーなんて。
まー、日本人のいいガス抜き的な感じになっているんでしょうね、アレは。
なーんて、ムダにオトナぶっていたのですが、コレがかなり予想に反した事態に。
ハチ公前あたりにヒトは大勢いて盛り上がってはいたものの、
意外とフツーというか、お行儀よく静かな盛り上がりだったのです。
コレは、おどろきましたね。
殺人とか、無差別テロとか、そんなタダならぬ事態が逆に起こったのではないかと、
よからぬ考えが頭の中をグルグル回りましたが、近くを通ってもナニかが起こった形跡もなく。。。
後で、ツイッターや報道などのメディアで知ったのですが、
どうも”DJ POLICE”なるお方が、ヒップなマイクパフォーマンスでフロアーを制したようですな。
“銃をマイクに持ちかえた”、まさにヒップホップ精神。
いや、ちがうのは分かってますけれどね。
報道によれば、警視庁幹部が「パフォーマンスそのものではなく、トラブルの抑制に貢献したことが表彰に値する」とのことで、
彼は警視総監賞が授与されたとのこと。。
「パフォーマンスそのものではなく、、、」ってところが、お役所的な言い回しですな。
これがたぶん海外の発表であれば、「彼のパフォーマンスが、トラブルの抑制に貢献した。。。」という発表になってことでしょう。
それにしても彼のマイクパフォーマンスはウマかったです。
話す目線が熱狂したサポーターと一緒でしたから。
よく刑事ドラマなんかで、人質事件が起こった際につかわれている、
「実家のかーちゃんが泣いてるぞ!」みたいなのは、かえって逆効果でなんですよね。
犯人、ドラマなみに簡単に泣かないし、そんな学校の先生みたいに上から言われたって、、って感じになりますから。
規制したというよりは、規正したということなんでしょうね。
まずは、どれだけ相手の立場に立ってモノが言えるか。
コレは、ヒトへの話しかけ方としては、もっとも重要で基本的なコトなんです。
例えば、仕事における営業トークなんかも、一緒ですよね。
ちなみに、最近、コノ話し方ができないヒトが増えているような気がします。
話口調がぶっきらぼうだし、ヒトに話しているというよりは単語を並べているという印象を受けます。
おそらくコミュニケーションが、メールやチャット中心だからでしょうかね。
ケータイ文化の影響は無きにしもあらず。
それにしても今回の件。
お役所的なキビシい規制だけではダメだということが、
なんとなーく”お上”に理解してもらえた大きな一歩だったのかなと、
勝手におもっています。
いまやなんでもかんでも規制ですからね。
アレはダメだの、コレはダメだの。
夜中のダンスはダメだの、ネットに殺すの書き込みはダメだの、
路上の座り込みはダメだの、ジャンプ傘はダメだの、
二十歳未満のお酒とタバコはダメだの、、、それはあたりまえか。
もちろん、その規制があることで助かったり、生活がスムーズにいっている方がいらっしゃるのも重々承知してりますが、、、
それにしても、こんなキツキツの世界がホントにいいんでしょうかねー。
最近、渋谷のセンター街を歩いていて、ふと気づいたのですが、
以前は、10代の若者たち──いわゆるセンターGUYたちが、
ゲーセンの前だったり、ファーストキッチンの前に座り込んで、
タムロっていたハズなのですが、コレが急にいなくなったんですよ。
いたらいたで、コワイなーなんて思っていたのですが、
いなかったらいないで、逆にコワいなーって。
彼らは、いったいどこに行ってしまったのでしょうか?
もしくは、とある規制ができて、そこにいるだけで条例に反するようになってしまったとか。
そういえば、先日公開していた映画『鈴木先生』では、グレーゾーンをつくるということの重要さを問いていました。
って、まだ観ていない方は、ぜひ観ていただきたい。
このグレーゾーンに対しては、賛否両論だとは思いますがね、
ワタクシにはこのグレーゾーンは何においても、とても大事な部分だと考えています。
ムダなことというのが、じつはとても大事なのといっしょですよ。
規制しすぎて、ギチギチになりつつある日本。
これがホントに住み心地の良い世界なのか。
みなさんは、どのように考えますか?
間宮貴子「渚でダンス」
旅路 良
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