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ブラインドからのぞき見た世の中 : May 16, 2014 @ 13:17

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.112『鼻血と事実』



いま話題の鼻血もんだい。


さまざまなメディアで、いろいろなコトが書かれていますが、
ココらで、遅ればせながら、そろそろワタクシもこの問題に参入しようかと。。。


現代は、いろいろな意見があっていいとおもってますし、
いろいろな考え方を持っていい時代のハズ。

ナニが正しくて、ナニが正しくないかは、
自分たちで考えて決めていけばいいワケで、
いろんな意見を言うことが大切だとおもっています。

そういう意味ではやっと”民主主義時代の夜明け”、
なのかなと。。。


それにしても、ナゼ、いまごろ大騒ぎしているのでしょうかね。

まあ、一般のヒトが、あーだこーだ意見を言うのなら分かりますがね、
たかがマンガの表現に、ナンデ政府や行政までもがクチを出すのか。

ちょっと疑問です。


この鼻血の話題って、2011年に起きた福島第1原発の爆発直後から、
ツイッター以外に、国会でも話題になっていたハズなんですけど。

渦中の元双葉町長の井戸川氏も国会で、鼻血が出るというハナシをしてましたよね。

それに、いまの与党のヒトたちがこぞって、
当時の福島で起こっていた鼻血率増加の事例を持ち出して、
民主党に怒っていたのも覚えています。

さんざん国会で怒って、語っておいて、
いまになって「風評被害だ!」なんて、
ちょっと正気とは思えないですよ。


ただ、いまのところ放射性物質と鼻血の因果関係は、
ハッキリしていないハズ。

検証されて、なんらかの結果がでているのであれば、
その結果をこの機会に出すベキですし、
専門家の意見というのであれば、どのような専門家なのか、
ひとりかグループか、グループであればどのように集められた人たちなのか、
いろいろ説明責任が発生するのでは。

特に国や、行政の業務に関わる方であればなおさらです。

最初の言動に訂正があるのであれば、
すみやかに訂正すべきですよね。


それもナシに、政府や行政が、
非科学的に、そして頭ごなしに否定はないでしょう。

コドモじゃないんですから。


にしても、あのとき、鼻血率増加の事例を持ち出していた人たちは、
その後、いったいナニがあって、彼らの意見を180度変えたのでしょうか。

ソッチの方が気になります。

もしかして、集団的なアレのアレを隠すアレのために、
コレを騒いでいる、、、なーんて、変なコトまで考えてしまいますよね。


もちろん、否定にも、いろいろな否定があるのは理解しています。

たとえば、
「鼻血と放射性物質の因果関係はまだ確証されていないから、
そんなコトは言うべきではない!」という否定であれば、
コチラも「そうだよなー」となるワケです。


そうではなく、因果関係をハッキリと否定しているヒトだったり、
鼻血の事例自体を否定している人たちって、
いったいドコにその確信的要素を見いだしているのでしょうかね。


先日、とあるブログに、今回の鼻血の件に対する、
ジャーナリストの”広河隆一”さんの見解が掲載されていました。

ソコには、原発事故後のチェルノブイリにおいて、
放射性物質の影響を受けた地域のヒトたち、
そして、その他の地域のヒトたち、
両方にアンケートを行ったときの話が書かれていました。

そして、影響を受けた地域のヒトたちに”鼻血を出す率が増加”したという結果が、
数字で書かれていましたね。

その数字に信頼性があるかどうかという点においては、
じっさいに広河さんがアンケートに関わっていたという点で、
ある程度、信頼しても良さそうな数字かなと。

ただ、それがストレスから増加したものなのか、
放射性物質によるものなのか、
はたまたほかの要因があるのかは、
残念ながら定かになってはいません。

ただ、そういう結果が出たというお話ですので。


ちなみに、以前、ワタクシが観た、
チェルノブイリの原発事故関連のとあるテレビ番組では、
鼻血率増加の事例の報告を受けた当時の旧ソ連政府がとった行動は、
放射性物質との因果関係の検証もせずに、
単に”風土病”という判断をくだしたという報告をしていました。

そのために、そういう症状が出たという事実が
歴史から消えてしまったとも。。。

なんだかいまの日本がやっているコトは、
ほぼほぼ旧ソ連といっしょの方向に向かっているのではと感じてしまいます。


それに、この風潮になってしまうと、
もし、実際に鼻血率が増加したヒトがいたとしても、
過剰に否定されるコトを恐れて、口を噤んでしまうでしょうね。

政府や行政が、根拠のない中途半端な言い訳をしてしまったがために、
逆に状況が見えなくなってしまう可能性を生んでしまった。

まさに最悪の状況です。


鼻血率増加の事例が事実なのであれば、
政府や行政は、頭ごなしに否定するのではなく、
すみやかに事実関係を明らかにすべきですし、
しっかりと検証すべきなんですよ。

それもナシってのは、、、ちょっとナイんじゃないですかね。


「差別を助長する!」なんてコメントもありましたけれど、
それって、実際はそのコトバ自身が差別を助長しているのでは?

放射性物質による差別をなくしたいのであれば、
放射性物質における正しい知識を、
日本国内で共有すべきですよ。


ヒロシマやナガサキ、そして第五福竜丸事件のときのような、
まったく意味のない差別がはじまったのは、正しい知識のなさからだったんですから。

知識がないからわからない、、、
わからないから近づかない、、、
差別を生みだすフツーの”流れ”です。

つまり、今回のような政府や行政が行ってしまった、
根拠のない中途半端な言い訳こそが、
あらたな差別を生み出してしまうワケですよ。

歴史をちょっとだけみかえせば、分かるコトなんですけれどね。

疑いをはらさないといけない政府や行政が、
テキトーなコトを言ってはダメです。


たしかに、マンガ自体も予測の範囲を超えた表現をしてしまい、
やり過ぎな面もあったのかもですがね。

でも、事実もあきらかにしている部分もあるコトをお忘れなく。


放射性物質における人体への影響は、
残念ながら、この3年足らずで結果なんて出るモノでもないワケです。

それをダレも分からないことをいいコトに、
因果関係はないとか、影響はないとか、
簡単に言うモノではないのかなと。

もし、そう言うのであれば、
10年後、20年後、いや何十年後とかになんらかの影響があったときに、
ダレがどのように責任を取るのか、教えていただきたいものですな。


今回の件、過去のさまざまな報告から、
じっさいに鼻血が出て、不安になっている人もいるというのは事実なハズ。

ソレは国会でも触れられていたワケですから。

であれば、政府が行政がやらないといけないのは、
ソレらを頭ごなしに否定するのではなく、
事実関係をあきらかにして検証していくコトが、
国や行政としての責任の果たし方だと考えますが、
みなさんは、今回の件、どのように考えますか?




坂本慎太郎「悲しみのない世界」



旅路 良



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