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Movie Life : June 11, 2014 @ 16:26

MOVIE LIFE 131 『ホドロフスキーのDUNE』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画を中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)





MOVIE LIFE 131 『ホドロフスキーのDUNE(原題:jodorowsky’s DUNE)』




『スター・ウォーズ』、『エイリアン』、『マトリックス』、『プロメテウス』、、、すべての原点がココにある。



□ストーリー

第66回カンヌ国際映画祭の監督週間で、ふたつの作品がワールド・プレミア上映された。ひとつは、『エル・トポ』(69)や『ホーリー・マウンテン』(73)、『サンタ・サングレ/聖なる血』(89)で世界中に熱狂的なファンを持つ映画作家”アレハンドロ・ホドロフスキー”(84歳)23年ぶりの新作『リアリティのダンス』。

もうひとつは、彼の未完のSF大作の製作過程を追ったドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』である。

映画祭での上映時には、”アレハンドロ・ホドロフスキー”監督と、本作に出演し、彼の大ファンであることを公言している『ドライブ』の”ニコラス・ウィンディング・レフン”が登場。会場は熱狂の渦につつまれた。

『ホドロフスキーのDUNE』は、スタッフにバンド・デシネのカリスマ作家”メビウス”、SF画家の”クリス・フォス”、『エイリアン』『トータル・リコール』の”ダン・オバノン”、”H・R・ギーガー”、キャストに”サルバドール・ダリ”、”ミック・ジャガー”、音楽にピンク・フロイドなど、驚異的な豪華メンバーを配するも、撮影を前にして頓挫した。

84年に”デヴィッド・リンチ”によって『デューン/砂の惑星』が制作され、ホドロフスキーの『DUNE』は幻の作品となってしまったが、のちに”ダン・オバノン”は、ここであつめたスタッフを再集結させ、『エイリアン』(リドリー・スコット監督)を企画するなど、その後の映画界に多大な影響をあたえた。

本作は、ホドロフスキー、プロデューサーの”ミシェル・セドゥ”、ギーガー、レフン監督などのインタビューと、膨大なデザイン画や絵コンテなどの資料でつづる、映画史上最も有名な「実現しなかった映画」、ホドロフスキー版『DUNE』についてのドキュメンタリーである。






□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)



壮大なロマンすぎて実現しなかったという、ホドロフスキー版の『DUNE(デューン)』。

個人的には”デビッド・リンチ”版の『DUNE/砂の惑星』のファンではあるが、このドキュメンタリーを観たらやはりホドロフスキー版の方を観てみたいとおもってしまった。


当時のアイディアが、ところどころアニメで再現されているのだが、なるほど、あの手法はナニかの映画のドコかの場面でかならず使用されていて、観たことがあるものばかり。

あらためてホドロフスキー監督には敬服せざるを得ない。


本作では、2014年5月12日に惜しくも永眠してしまった”H・R・ギーガー”はじめ、SF界伝説の神のような人たちが多数出演したり、肉声を披露しているところもかなりうれしい。

実際は裏方の人たちなのでね、彼らの肉声を聞けるなんてコトはないので。


とにかく、フランク監督には、「よくぞやってくれました!」と、上からになってしまうが、お礼を言いたい!

インタビューで実際に会ったときに、言ったけれどね。


ということで、この作品はすでに『DUNE』という映画そのものなのだとおもう。










2014年6月14日より、新宿シネマカリテ、渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー!

『ホドロフスキーのDUNE』






監督:フランク・パヴィッチ


出演:アレハンドロ・ホドロフスキー/ミシェル・セイドゥ/H.R.ギーガー/クリス・フォス/ニコラス・ウィンディング・レフン


配給:アップリンク/パルコ


オフィシャルサイト:http://www.uplink.co.jp/dune/



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