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Movie Life : September 12, 2014 @ 17:02

MOVIE LIFE 133 『Nas/タイム・イズ・イルマティック』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画を中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)





MOVIE LIFE 133 『Nas/タイム・イズ・イルマティック(原題:Time is Illmatic)』




アレから20年、自分をふりかえった。。。



□ストーリー

1994年発売の”Nas”のデビューアルバム『Illmatic』は、社会政治学的な見地、耐える精神、そしてアメリカで自分の声を探しもとめる若い黒人男性の苦悩をすべて要約した作品となり、ヒップホップのあたらしい基準をつくりあげた。


『Illmatic』誕生から20周年。

ミュージシャンの父親”オル・ダラ”をはじめ、”Nas”へと受けつがれたジョーンズ家の音楽的才能の歴史を追い、当時の社会情勢や置かれた環境が”Nas”の世界観にどのような影響をおよぼしたのかを考察する。

いかに彼が不可能とおもわれる障害を乗りこえ、ヒップホップ第二黄金期の最高傑作をつくりあげたかを描いたドキュメンタリー。






□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)


“Nas(ナズ)”といえば、メッセージ性の強すぎるリリック(歌詞)でおなじみ。
そんな彼が、20年前に最初に生みだしたのがアルバム『Illmatic』だ。


大半の日本人は、カレのコトバの意味なんて、残念ながらほとんどわかっていないとおもう。

もちろん自分もふくめてのはなし。


20年前の当時、カレは自分のコトバという弾丸にナニをつめこんで発信していたのか。
「Life’s A Bitch」、「N.Y. State Of Mind」、「The Genesis」、「The world is yours」。。。

ソコには”愛”とか、”平和”とか、そんな陳腐なコトバは出て来ず、出てくるのはむしろ1994年という時代のニューヨークそのもの。

そう、それはリアルな日常なのだ。


もちろん、その当時に、ニューヨークのその場所にいたワケでもなく、生活していたワケでもないので、理解はできない。

大半が中流階級という社会で、なんとなくカッコつけだけでヒップホップしているような日本人には、到底理解できないセカイだとおもう。


だけど、そのボンヤリとしていた部分が、このドキュメンタリーで理解できる。

カッコイイとか、クールとか、賞賛は彼には必要なく、ただ訴えたかっただけ。

そして、理解してもらいたかっただけ。


そう、ソレが『Illmatic』。






2014年9月13日より、渋谷シネクイント、シネ・リーブル梅田ほかにてレイトショー、全国順次公開!

『Nas/タイム・イズ・イルマティック』





監督:One9

出演:Nas/オル・ダラ/アリシア・キーズ/Q・ティップ/バスタ・ライムズ/ピート・ロック/DJプレミア/ファレル・ウィリアムス/ほか


脚本/製作:エリック・パーカー


オフィシャルサイト:http://www.illmatic-jp.com



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