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Movie Life : January 28, 2015 @ 13:55

MOVIE LIFE 136 『二重生活』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画を中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)





MOVIE LIFE 136 『二重生活(原題:浮城謎事/Mystery)』




ある日、わたしのしあわせな世界は崩壊した。



□ストーリー

優しい夫と可愛い娘。

夫婦で共同経営する会社も好調で、なにも不自由のない満ち足りた生活を送る女ルージエ。

愛人として息子と慎ましく生活しながらも、いつかは本妻に、と願う女サンチー。

流されるまま二人の女性とそれぞれの家庭を作り、二つの家庭で生活する男ヨンチャオ。

いびつながらも平穏に見えたそれぞれの日常は、ほんの少しの出来事でいとも簡単に崩壊し、その事件は起きた。


3人の男女、事件を追う刑事、そして死んだ女。

それぞれの思わくと事情が何層にも重なりあい、物語はスリリングにすすんでいく──。







□オレ意見
評価:☆☆☆☆(満点は5個)

2006年に公開した、
89年に起きた「天安門事件」にまつわるできごとを撮った『天安門、恋人たち』により、
中国政府から5年間の映画製作&上映禁止処分を受けた”ロウ・イエ”監督。

2011年に禁令が解け、中国本土に戻って撮影されたのが、この『二重生活』だ。

原題の『Mystery』というところから、いわゆるのミステリーを想像してしまったが、
「そうは問屋がおろさない」のが、さすがの”ロウ・イエ”監督。


まずは、「なるほど、現状の中国社会はこんな感じなのね!」というのが第1印象。

香港や上海、北京などのいわゆる”ひらかれた”大都市の情報は、
なんとなく入ってくるので「まあ、日本と似たようなカルチャーなのかな」と。

この物語の舞台は、中国中部に位置する湖北省の省都、武漢市というところなのだが、
現在は、中国のいわゆる地方都市でも、恋愛や遊びに関してわりと自由度が高いのね。


そして、観た後にのこる、”ココロのしこり”というか、残尿感というか、やるせなさというか、、、
このなんとも言えない”わだかまった感じ”が、たぶんいまの中国社会そのものなのかなと。

そして、現状の世界情勢もまさにそんな感じなので、
結局はどこの国も一緒か、というのが第2印象。

ユートピアとディストピアが、表裏一体なこの世界。


そういえば、主演の”ハオ・レイ”は、『天安門、恋人たち』のあの女の子だったのね。

オトナな女性になっていたのが、
「あの頃は、あんなに幼い雰囲気だったのに、こんなにキレイになっちゃって!」と、
思わず実家のとなりのオジさん、もしくは親戚のオジさんっぽいコトをおもってしまった。


ま、それはさておき。

アナタなら、ナニを感じる?










2015年1月24日より、新宿K’s  cinema、渋谷アップリンクほか全国順次公開!

『二重生活』






監督:ロウ・イエ

出演:ハオ・レイ/チン・ハオ/チー・シー/ズー・フォン/ジョウ・イエワン

脚本:ロウ・イエ/メイ・フォン/ユ・ファン

配給:アップリンク


オフィシャルサイト:http://www.uplink.co.jp/nijyuu/






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