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ブラインドからのぞき見た世の中 : June 16, 2015 @ 15:39

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.138「膳は選べ」



えー、さてー、例の集団的自衛権の解釈変更の審議がひきつづき国会でおこなわれ、
状況は活況にはいってきておりますな。

先日おこなわれた衆院憲法審査会では、
参考人として出席した憲法学者3人が他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を、
メンタンピンそろっての「憲法違反!」と明言。

まあ、フツーにかんがえてみたら、いやかんがえなくても、
「違憲」だと思うんですけど。。。

「合憲」か「違憲」かを別に考えたとしても、
そもそも論ですよ。

そもそも、憲法に解釈をつけることがオカシイ。


だいたい、解釈変更推進派の大先生方の言っているコトも、
まったくもって支離滅裂もいいトコです。

「平和」で「安全」な戦争ってナンなんですかねー。

「集団的自衛権がないとハイリスクだ」なんて言ってる方もいましたがね、
むしろ日本国内でアメリカに反対する国の方々からのテロや、
国外での日本人をねらったテロなんかも起きやすくなるワケで、
ドッチが我々国民にとってハイリスクなんでしょ。

路上で起こっているケンカですら、
巻き込まれたら「ハイソレまでよ!」的な現代社会。

ソレがもっと大規模な紛争地に行ったとしても「ぜったいに巻き込まれません!」って、
いったいどうしたらそんなオメデタイ考えになるのやら。。。

よその土地のお祭りへの参加じゃないんですから、
もうちょっとヒトのイノチの重さをかんがえてからモノを言ってもらいたいものです。


しかし、「安全」、「安心」って、、、
「核の平和利用」を目的に、「安全」と「安心」を合いコトバにおどらされ、
アメリカからなかば強制的にすすめられた原発プロジェクトのときと、
やっているコトがなんら変わってないじゃないですか。

ちなみに、80年代中盤の超高度成長、いわゆるバブル経済も、
要因のひとつはアメリカからの金融緩和のおしつけからはじまったモノだったりします。

核の傘から、おうかがいして「ノー」と言えなかったニッポン政府。

結局、ハジけて、リスクを背負ったのはニッポン経済。


今度は、「オマエんトコ、守ってやってるんだから、協力しろよ!」と、
集団的自衛権を「平和のためだ!」とおしつけてきているワケです。

それに対しても「ノー!」と言えないニッポン。

だいたいソコに参加するコトで、
彼らトモダチはホントにワレワレを守ってくれるのでしょうかねー。


ちなみに、この集団的自衛権の話。

コトのはじまりは、1991年に起こった湾岸戦争からはじまっているワケですが、
ときの総理大臣、”海部俊樹”氏は後に、
「とにかく、日本も参戦せよ!」的なブッシュ大統領のプッシュがかなり強かったと、
とあるインタビューで答えてましたな。

しかし、ソレでも憲法9条を盾に、
キッチリ断わった当時の政府の姿勢はエラいとおもいますわ。

だいたい、あの時期に急に戦争に参加することになっても、
ココロモチが我々国民にあったのか、ってトコロもありますけれど。。。


もし、たとえばですが、今回、9条の解釈変更がなされた場合、
いわゆる「ダムのアリ穴」的なものになる可能性は大です。

最終的に「富国強兵」的な方向に向かうってのも、
なんとなく見えてしまいますしね。

そして、「お国のために!」とか、「生きて虜囚の辱を受けず」とか、
柔軟にモノを考えさせない、まちがった”ニッポン男児たるもの”感な方向に、
向かっていく可能性もなきにあらズ。

それは歴史的事実がありますから。


まあ、とどのつまり、アレもソレもコレも、
アメリカ経済を盛り上げるためなんですけれどね。

おしつけられたのは憲法ではなく、核と金融緩和ですよ。

「志村ー!うしろー!!」じゃないですが、
「そろそろ気づけよ!」ってコトなんですけれどね。


そういえば、2015年5月14日には、
渋谷で「SEALDs(シールズ、自由と民主主義のための学生緊急行動)」が、
そして国会前でも安全保障法制に反対するデモがおこなわれていたようです。

「SEALDs」の方は、ふだん声を出していない若い世代が、
意外とおおく参加していたとか。

できれば、そういう若い次世代に、
ぜひとも立ち上がって、モノ申してほしいものです。

結局、ソレらは彼らの時代に戦争に加担する?参加する?コトになるワケですから。


それにしても、今回の安保の件。

もしかしたら、アメリカが用意したお膳立て的「据え膳」を、
「喰わぬはニッポン男児の恥だ!」という感じなのカモ。

しかし、もう、そんな「上げ膳据え膳」の時代はおわったのではないかと。。。

いまや「膳は選べ」の時代では?と、ワタクシはかんがえますが、
みなさんはどのように考えましたか?



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旅路 良



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