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ブラインドからのぞき見た世の中 : August 22, 2015 @ 18:36

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.142『戦前と戦後』



えー、さてー、太平洋戦争の終結から70年が経ちました。

そんな節目の年というコトもあり、
6月くらいからたくさんのメディアで、
戦争に関するさまざまな特集が組まれていたりします。


しかし、アレから70年。
セカイはナニか変わったのでしょうか。

戦争や紛争、無差別テロはいまだセカイのどこかではおこなわれており、
まったくもっておわる気配すら感じられない状況です。

近々でいうと、
韓国と北朝鮮がまたワケのわからん小競りあいをはじめたりしてますな。

日本だって、いまだ隣国のチカラに脅かされている、
というコトになっている”雰囲気”から、
憲法9条の解釈を変えてしまうという、
なんともよく分からない状況になっていますし。。。


「戦争はカネになる」。

ドコかの国のダレかが、そんなコトバを言っていましたが、
ホントにそうなのでしょうかね。

ちなみにいま、セカイでは空前の軍事産業ブーム。

もしかしたら、武器や弾薬、戦車、もろもろの戦争用品の生産/製作、
復興のための建築資材やらなんやらかんやらで、
多少経済的にはよくなる可能性はありますよ。

でも、それって結局、戦争がつづいていないとお金がまわらないという、
負のシステムに組み込んじゃっているだけなんですけれどね。

つまり、戦争屋になってしまうってコトですよ。

現状は、セカイ恐慌にちかい状態といえば、ちかい状態。

ドコの国もお金がないワケですから、
ドコかでナントカしたいという感じで、
そうやって戦争に手をだす国もあるワケです。


それにしても、このたった70年間で”平和”の意味が、
ちょっとずつ変化してきているのかもしれませんね。

戦争がないことが”平和”ではなく、
経済的に潤っていて、
お金のある”豊かさ”が”平和”の意味をなしはじめているのかなと。


戦争の恐ろしさや、愚かさについて語ってくれる戦争体験者の数は、
年々減少しているのはたしか。

ヘタすると次の10年後、80年目には戦争に参加、もしくは体験した人は、
ホントにかぞえられる程度になってしまう可能性だってあるワケです。

そろそろ、このへんで日本政府として、
先の戦争の総括をしてほしいなーと思っているのですが、
なかなかそれもされない状況ですな。

アレは正義の戦争だったのか、
はたまたそうじゃなかったのか。

いったいナンのための戦争だったのか。

さまざまな資料がのこっていて、
戦争体験者もなんとかのこっているいまだからこそ必要だし、
やってほしいんですけれどね。

ナニも総括しないままでモノゴトがすすんでいるという、
あいかわらずの責任の所在がない、
おめでたいカルチャーなニッポンです。


先日、某テレビで某TBSが10年前に制作した、
「千の証言 “ヒロシマ”…あの時、原爆投下は止められた」という番組が、
再放送されてましたね。

番組の中で、とても印象にのこったひとつの企画があります。

それは、ヒロシマに原爆を投下したB29エノラゲイに乗り、
ダレもが見たことのあるあのキノコ雲の映像を撮影した科学者、
“ハロルド・アグニュー”博士の初となる広島訪問、
そしてふたりの被爆者と対話するというモノ。

対話の部分で、被爆者のおふたりがちょっとだけ感情的になってしまい
「罪もないヒロシマの人たちを、あの恐ろしい原爆で殺したことに対して、謝ってほしい」と、
博士に謝罪を要求してしまう場面がありました。


博士は、「私たちにはこういうコトバがある、”リメンバー・パールハーバー”」とこたえ、
最後まで謝罪するコトはなかったのですが、
真珠湾攻撃やほかの戦地でも、博士自身もおおくの友人をうしなったコトをかたり、
「罪がないということはない、日本が国をあげて戦争をやっていたのはたしかだから、
それを止めなかった国民にも罪がある」と。

「それに銃弾で死のうと、爆弾で死のうと、原爆で死のうと、死ぬときは死ぬ。
ただ、二度と原爆がつかわれることは望まないし、戦争を起こさないようにするコトが重要だ」とも。

なるほど、とても冷静で、マトを得た答えだとおもいましたね。


アメリカからしてみたら、
奇襲攻撃である「真珠湾攻撃」は、
かなり卑怯な戦法だったワケですから。

そこで、何千人というヒトが死んだのも事実。

原爆はワルくて、奇襲攻撃がヨイのか?ってコトなんですけれどね。

ニッポンは加害者でもあり、被害者でもあるワケです。


それにしても、
「戦争を起こす国に対して、国民がキチンと反対しないコトは罪だ」、、、
この博士のコトバは、かなり印象的でしたねー。

たしかに、おおいなる流れにさからうのは難しいですが、
それでも反対をすべきコトはしていかないと、
結局、ツケをはらうのは自分たちなんですよね。

アレはダレが悪いから謝罪しろだの、
コレはダレが悪いから謝罪しろだの、
もう言いあっても仕方がないのが戦争なんですよ。

戦争に関してはドッチもドッチ。

ただ、コレは戦後70年のアベ談話の意味とはちょっとちがうので、
あしからず。


ワタクシ、じつは10年前にこの番組を見ていたのですが、
当時は、あまり博士のコトバがのこっていないんですよねー。

もしかしたらそのときは、いまここに書いたような”思い”ではなく、
被爆者の方のように”感情的”になってしまっていたのカモ。


後悔、先たたず。

とにかく、後の世代にまで後悔させるようなコトはしたくないし、
してはいけない。


とにかく後悔する前に、
ワレワレはもっと戦争についてもっとよく考えていかなければいけないとおもいましたが、
みなさんは70年目の夏、戦争についてどのように考えましたか?




鈴木茂「LADY PINK PANTHER」



旅路 良



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