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Interview : June 10, 2020 @ 20:11

“なかの綾”デビュー10周年インタビュー(前編)──「コロナのこんちくしょう!」



歌手”なかの綾”が2020年11月でデビュー10周年をむかえる。


2010年11月にデビューして以来、かずかずの日本の名曲をラテンアレンジのグッドカヴァーでよみがえらせ、”夜と、お酒と、男と女”的なライブ&ライフスタイルと、突拍子もないタイミングでの急な下ネタ披露で、ワレワレオジさん&オバさんファンをムダによろこばしてきた彼女。

そんな彼女も、この10年間でカヴァー曲中心からオリジナル曲中心へとスタイルを変化させ、曲の感じも初期の歌謡というよりはよりソウルフルな雰囲気へとアップデートするなど、いろいろと変化を魅せてきている。


2020年は10年目の大切な年というコトで、さまざまな動きをしはじめていた矢先に、例の新型コロナウイルスの影響によってライブやレコーディングなどさまざまなモノゴトが中止&延期となってしまった。

しかし、2020年6月10日には、”須永辰緒”氏、”クボタタケシ”氏、”コモエスタ八重樫”氏、”吉沢dynamite.jp”氏、そして”なかの綾”自身がセレクターとして参加した、7インチレコード5枚セットの『10th Anniversary BLACK BOX』をなんとか無事にリリースでき、これを機になんとなくなんとなくぼんやりと動きはじめていると言っていいだろう。


今回は、10年経って次のフェーズへとなんとなく動きはじめた”なかの綾”嬢に、”これまでの10年、これからの10年”をコンセプトにメールでインタビューしてみた。

なお、写真は自撮りの方が”素”の彼女が出てオモシロいかなとおもい、すべて彼女に自撮りでお願いしている。


前編と後編の2回の、まずは前編。

とくとご覧アレ!






─デビュー10周年おめでとうございます!10周年の年を迎えて、いまの気分をおしえてください。


ありがとうございます!
「コロナのこんちくしょう!」としか。。。(笑)


─ですよね(笑)。。。
この10年はどのような10年でしたか?


ナニがナニやら。。。
「きっとダマされているにちがいない!」と疑いながらはじまったのですが、
まぶしくてたのしい10年でした。






─デビュー時はカヴァーが中心で、最近はオリジナル曲が中心になってきていると思いますが、
そのあたりはどのように感じていますか?


初期の頃から「カヴァーではなくオリジナルで勝負したい!」という気持ちはつねにあったので、
2016年のアルバム『エメラルド・イン・パラダイス』でオリジナルを書き下ろしていただき、
収録できたのはおおきな進歩でした。
手アカがついてないものっていいですよね、、、ふふふ(笑)。
とにかく、”なかの綾のオリジナリティとは?”という部分にとても苦労していて、
いまだ答えにたどりつけていない状態なんです。
でも、それを模索している”いま”もとてもたのしいですし、
模索しつつカヴァー曲と向きあうとまたあらたな解釈が生まれたりして、
年々さらに歌うことがたのしくなってきているんですよ!
だから、どちらのチャンネルもバランスよく乗りこなせたらいいなと思っています。


─この10年で自分のなかで変わったコト、変わっていないコトをおしえてください。


10年前は、ダレも信じちゃいけないと思ってましたねぇ〜(笑)。
「田舎者はダマされる!ナメられちゃいけない!」みたいな。。。
ナニか見えないものと四六時中戦っていて肩に力が入っていたなと、
あらためて思います。
ホステスという仕事自体、年齢や容姿、トークの力でお客さんの反応がまったく変わるし、
つねに(だれかと)比べられているような気持ちが強かったのかも。

退職して5年が経ち、昨年結婚もして、毒気や色気がどんどん抜けていくのを感じています。
「モテたい!」とか「あの人を落としたい!」みたいなギラギラしたものが、
歳とともに無くなっていくコトに「本当にコレでいいのかな?」と思ったり。
でも、いまはいまで精神的におだやかに過ごせているなとも思ったりしています。
みなさんが抱いている”なかの綾”のキャラクターと、
あまりにかけ離れたイメージにならないといいのだけれど。。。

“音楽そのもの、音楽のある空間、音楽に触れている人の笑顔を見ることが好き”という気持ちは、
10年前、、、というか、ヘタくそな歌を歌ってた子どものころから変わってないですし、
気持ちの変化もふくめて、素直に表現していけたらいいなと思っています。



─デビュー時に予想していた10年後の状況と、10年目を迎えたいまの状況、どんな差がありますか?


デビュー時は、めっちゃ売れてるか、辞めてまったく別の仕事してるか、
その二択だろうなと思ってました。
いまは、、、しぶとくつづけてますね(笑)。





─この10年で印象深い思い出のライブは?


2018年の「東京キネマ倶楽部」でのライブは、やはり忘れられないです。


─どんな部分が忘れられないのでしょうか?

私、グランドキャバレーに憧れてたんですよ!
バンドが生演奏して、ホステスがダンスのお相手をして、
粋なお客さんがステキなお金のつかい方をする。
経済的、そして心理的な”余裕”の象徴としてむかしから刷り込まれていて、
いつかそんな空間をつくりたかったんですよね。

それをまさに具現化できたのは、
キネマ倶楽部の内装と、
すこしお洒落してご来場いただいたお客さんのお陰です。

そしてナニより、照明、音響、バンドリハーサル、
すべてにおいて打ち合わせから参加させてもらって、
わがままをたくさん聞いてくれたスタッフのお陰で、
本当に夢のような日になりました。


─そのライブが終わった後の気持ちはどんな感じでしたか?

「思いのこすことは無い!いま死んでも後悔はない!」という気分でしたね。
でも、一瞬で終わってしまったから寂しくなりました。




(後編へつづく)







□リリース情報

なかの綾
『10th Anniversary BLACK BOX』





発売日:2020年6月10日
税抜価格:8,500円(税抜)
フォーマット:7inch×5枚(+オリジナル・ラバー・コースター&BOX仕様)
レーベル:VIVID SOUND/HIGH CONTRAST(HCR9689/93)

セレクター:須永辰緒/クボタタケシ/コモエスタ八重樫/吉沢dynamite.jp/なかの綾





・”須永辰緒” セレクト
A面:さよならイエスタデイ
B面:愛人(Single version)

・”クボタタケシ” セレクト
A面:経験
B面:ウナ・セラ・ディ東京

・”コモエスタ八重樫” セレクト
A面:涙の太陽(Crying in a Storm)
B面:ボーイ・アンド・ガール

・”吉沢dynamite.jp” セレクト
A面:ウイスキーが、お好きでしょ with 川上つよしと彼のムードメイカーズ
B面:別れても好きな人 Duet with 横山剣

・”なかの綾” セレクト
A面:あたしはあんたのクスリじゃない
B面:ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー



□プロフィール

・なかの綾





1985年5月7日生まれ。京都府出身。
2010年 デビューアルバム『ずるいひと』をリリース。限定リリースした7インチ シングルは各レコードショップのチャート1位を独占し、クラブシーンから絶大なる人気を得る。2013年6月「NHK歌謡コンサート」に出演。同年7月、ユニバーサル・シグマよりミニ アルバム『へたなうそ』でメジャーデビュー。2014年 2ndアルバム『わるいくせ』をリリース。ジャケットは”大友克洋”氏が手がける。2016年 3rdアルバム『エメラルド・イン・パラダイス』をリリース。最近ではプロデューサーに”コモエスタ八重樫”、”武藤昭平”(勝手にしやがれ)、”SWING-O”をむかえシングルをリリースする。2018年6月には企画&監修に”渡辺祐”をむかえ2年ぶりのアルバム『Double Game』をリリース。同年9月から自身初の全国バンドツアーを行い、「キネマ倶楽部」で行なったツアーファイナルはソールドアウトするなど好評を得る。
2019年4月に自身初のDVDを発売する。同年7月にはラテンバンド”CENTRAL”とタッグを組んだアルバム『リバース』を発売。同アルバムはミュージックマガジン「ベスト・アルバム2019」Jポップ/歌謡曲 部門で1位に選出された。
現在、「FMヨコハマ」にて毎週水曜日24:00からレギュラー番組「今夜もおきばりさん!」のメインパーソナリティーを約7年つとめる。

オフィシャルサイト:https://www.nakanoaya.com/


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