Tokyo News : June 25, 2020 @ 19:10
今年も〜ぉ〜ぉぉ〜、やるぅ〜ぅぅ〜よ、ベベン・ベン・ベン!──『浪曲映画祭』
じゃぱに〜ず娯楽カルチャーのルーツとも言える「浪曲映画」にフォーカスした特集上映プログラム『浪曲映画祭─情念の美学』が、今年も2020年6月26日より6月30日までの4日間、渋谷の「ユーロライブ/ユーロスペース」にて開催する。
ニッポンの大衆芸能のひとつとして、戦後の昭和中期まで繁栄したリアルカルチャー「浪曲」と「講談」をフィーチャーし、昨年の開催が話題となった『浪曲映画祭─情念の美学』。
今年もうれしい開催決定だ。
浪曲演目の『忠臣蔵』には、討入り中心の『忠臣蔵本伝』、個々の義士の討入りのゆえの別れを描く『赤穂義士銘々伝』、さらに周辺の魅力的な人物を描く『赤穂義士外伝』があるが、今回は”溝口健二”監督の計3時間43分にもおよぶ長編映画『元禄忠臣蔵』の本伝を皮切りに、義士伝の多様なカタチを見てゆく。
2年目となる今回の「浪曲師伝説」は、戦争によって生み出され、運命に翻弄されるシングルマザーを描きヒットを連発した「母子もの」、とくに元祖”日本の母”と呼ばれる”三益愛子”と”松島トモ子”のコンビの映画に流れる“七色の声”で一世を風靡した浪曲師、”伊丹秀子(二代目天中軒雲月)”にフォーカス。
また、サイレント映画時代の日本独特の鑑賞方法であった活動弁士つき上映を、浪曲の重要なキャラクター”国定忠治”を描いた日本映画史上の至宝『忠次旅日記』で行う。しかも、通常はピアノ演奏つき。当時は頻繁におこなわれたはずの三味線の伴奏による試み。
つづいての「国士無双」は声帯模写活弁、登場人物のすべてをモノマネで語るという、”坂本頼光”が天賦の芸を披露するという。
「浪曲映画ってナンぞや?」という、ソコの若いの!
「浪曲映画」は、映画であって映画にあらず。
義太夫(グレートじゃない方)が「節」と「語り」で物語をまわす、芸の世界。
ソノ日、ソノ時に味わえない空気と、感じられない雰囲気。
2度とおなじものを味わえないホンモノの芸ゴトなのだ。
ぜひとも、そんなニッポンのリアルライブの世界を味わってほしい。
2020年6月26日-2020年6月30日
『浪曲映画祭─情念の美学 2020』
□上映作品
『元禄忠臣蔵』/『韋駄天数右衛門』/『忠臣蔵 暁の陣太鼓』/『母の瞳』/『母の湖』/『母なき家の母』/『祖国の花嫁』/「国定忠治』/『雷電』/続雷電』/『召集令』/『忠次旅日記』/『春秋一刀流』/岸壁の母』/『浪曲師になってしまった!』/『呼子星』/『赤穂義士』/『新佐渡情話/『世紀は笑ふ』
□浪曲口演
天中軒雲月/浜乃一舟/大利根勝子/玉川奈々福/玉川太福/真山隼人/京山幸太
□活動弁士
坂本頼光
□曲師
沢村豊子/玉川みね子/沢村さくら/一風亭初月/沢村美舟
※上映作品、上映時間などの詳細はオフィシャルサイトをチェックせよ!
※新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、左右1席空け(定員の50%)でご鑑賞いただいています。
※掲載画像は上から『忠次旅日記』、『母の瞳』、『浪曲師になってしまった!』。
会場
「ユーロライブ/ユーロスペース」
東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F
http://eurolive.jp
This entry was posted on Thursday, June 25th, 2020 at 19:10 and is filed under Tokyo News. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.