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tokyo feature : January 31, 2021 @ 16:15

トーキョーシティポップス Vol.96──Romance and God



アナタのデスクトップライフを、ちょっとだけ楽しくするサウンドデザイン「トーキョーシティポップス」。


日本のシティポップスを中心に選曲した、ハイセンスな架空のコンピレーションアルバム『Japanese Soul for Tokyo City Pops』を、その月のテーマをもって選曲し、お贈りしていきます。


2021年1月の「トーキョーシティポップス」のテーマは、「ロマンスと神様」です。


ついに2021年になっちまいましたな。

いろいろありすぎだった2020年から、
いろいろ引きずってむかえた21年。

結局南極、ナニも変わっちゃいないというコトなのですが、
まあ、ジゴクのなかでも希望はある!というコトで、
あかるいかたのしいかはまったくもってワカりませんが、
とりあえず、あかるくたのしいミライがあると信じて。。。

本年も本音でよろしくお願いいたします〜。


そんなワケで、
今回の「トーキョーシティポップス」のテーマは”ロマンスと神様”、、、
つまり、テンゴクとジゴクってコトなのですが。

ロマンスは天国でパライソじゃないと感じれないモノですし、
神様は天国では感じづらく、地獄でHELLじゃないと感じないモノだったりするんですよ。

ナニが言いたいかと言いますと、
結局のところすべてはバランスであるってコトなんですけれどね。

ビミョーに不安定ながらバランスがとれている世の中こそ、
じつはいい方、もしくは悪い方に安定している世の中よりもたのしさがあるハズ。

というコトで、
ハッピーな曲の後に混沌とした曲があったり、
たのしさ満点の歌詞から、哀しい雰囲気の歌詞があったり、
今回はさまざまな意味でバランスを感じる音楽を、
さまざまな角度から選曲しております。

ちなみに、歌というよりも音、いわゆるスキャット的な曲もおおいカモ。


たのしさと哀しさを感じる、アナタための豊かで美しいBGMとなれば、コレ幸い。

ぜひ、あたらしい音楽との出会いをたのしんでください。






January『Japanese Soul for Tokyo City Pops Vol.96 -Romance and God-』






01. 「爆発するロマンス(New Ver.)」avandoned
『マーガレット』


さーて、はじまっちゃいましたね、2021年!
2020年からの流れで、
いいコトも、悪いコトも、
いろいろつづくよどこまでも的な感じで、
なかなか先がみえない状況がつづいておりますが、
クヨクヨしてても仕方がナイ!っつーコトで。
21年最初の曲は、
ご機嫌なモータウンビートがいい感じの
アイドルグループ”avandoned(あヴぁんだんど)”「爆発するロマンス」から。
ベイシティーローラーズ感ありのシュプリームス感あり、
ドゥワップ感ありのラップ感あり、
なんでもアリアリで、アリ?って部分もありますが、
とりあえず景気のいい曲いってみよう〜!という長さん的な感じです。
ちなみに、テーマの「ロマンス」は、
コチラからの曲からのインスピレーションであります。



02. 「Sweet Soul Revue」Mango Season
『Flying Home』


ピチカート・ファイヴの名曲を、
ハワイ発の夫婦デュオ”Mango Season(マンゴ・シーズン)”が、
2014年にリリースしたキャッチーでスウィートな巻き舌の日本語でカヴァー。
「たかしめたい(抱きしめたい)」とか、「たびゅん(たぶん)」とか、
じゃつかん日本語がかなりアヤしい部分もありますが(笑)。
しかし、このナイスな多幸感あるグルーヴと、
そのアヤしい日本語のバランスがおもわずクスッと笑えて、
暗い世の中をちょっとハッピーでヤッピーになれるのであります。



03. 「POETRY & FLOWERS」bonobos
『FOLK CITY FOLK .ep』


そして、日本を代表するAORバンド”bonobos”の「POETRY & FLOWERS」。
ギュイーンギュイーン的なエレクトロサウンド、
からの変則ビートからの繰り返されるポリリズムが、
なんとも気持ちよかったり、気持ち悪かったり。
ビミョーなバランスがスバらしいグルーヴ。



04. 「Lonely Times」YONA YONA WEEKENDERS
『唄が歩く時』


メロコアパンク出身という、
パンクス精神満載なシティ派4人組バンド”YONA YONA WEEKENDERS”。
昨今の状況によるロンリータイムがおおいこの時期。
メロウでアーバンなサウンドと、
磯野くんのソウルフルなヴォーカルのカラミがコロロにじんわり沁みます。



05. 「Quantum Leap」なかの綾とCENTRAL
『La Vida』


ママになった”なかの綾”が、
自身の出産とともに生み出したという本作ですが、
綾ちゃん初のインストだとか。
インストといいつつも、
バンドの演奏に負けず劣らず、
むしろ勝ってるスキャットがスゴすぎ。
ちなみにレコーディング時期はまだ出産前で、
腹に子、、、つまり子・イン・ダ・腹でのこの声のハリ。
ホントにスゴい歌唱力。



06. 「Chop,Chop,Charlie Chan」Bogalusa
『Talking About Dime』


ジャズヴォーカリスト”Cab Calloway”が1940年に発表したスタンダードを、
ナイスな男性デュオ”Bogalusa”が、
おもわずタップしたくなる、
グッディーグッディーでご機嫌なジャイブでカヴァー。
このオリエンタル感というか、
タモリの四カ国麻雀感というか。
グルーヴ感あふれるヴォードビルな感じがたまりません。
最後の最後に、急にチャルメラ〜的な(笑)。




07. 「ギャンブル」mei ehara
『Ampersands』


天使の歌声”mei ehara”のアルバム『Ampersands』から。
世の中、もーギャンブル状態ってコトでの選曲。
とは言え、このふんわり感あるサウンドと、
ハスキーな彼女のヴォーカルが、
このギスギスし始めた世界を、
なんともぼんやり癒してくれるのです。



08. 「Comedy??」碧海祐人
『逃避行の窓』


このジャズ感というか、フュージョン感というか、
なんともさまざまなジャンルが融合したライトでメロウなサウンドと、
透明感があるのに、
気だるい”碧海祐人(オオミマサト)”のヴォーカルがたまらない「Comedy??」。
世の中、コメディですよ。
笑いがあってナンボという意味の選曲ですが、
彼の透明感というか、ブルー感というか、
そんな感じの青っぽく透明っぽい雰囲気がなんかいいのですよ。



09. 「Bayou」Ogawa & Tokoro
『Shinmaiko』


名古屋在住の大学生2人によるユニット”Ogawa & Tokoro”が、
2020年にリリースしたコチラ。
このアンビエント感といい、ダブ感といい、
かといって、土臭くない。
アーバンダビーサウンドに癒される、ココロの友的サウンド。



10. 「ストレイト・ノー・チェイサー(丸山繁雄)」V.A.
『シーナリィ・オブ・ジャパニーズ・ジャズ2』


1987年にリリースされたカルト的和ジャズの金字塔、
“丸山繁雄”の「ストレイト・ノー・チェイサー」。
この高速スキャットがあまりにもスゴすぎて、
おもわず黙って聴き入ってしまう。
混沌としたなかに、じつは秩序がある、
そんなナイスなジャズファンク。
水なしのストレート。
飲みたい時はストレートがいちばん。
なかなか飲みづらい状況になりつつありますが、
飲んで忘れたいコトばっかり。
そういえば、イギリスの音楽雑誌で同名のものがありましたねー。



11. 「やさしさに包まれたなら」All That Jazz
『ジブリ・ジャズ』


ジブリ作品をジャズアレンジで、
というアルバム『ジブリ・ジャズ』から、
映画『魔女の宅急便』のエンディングですね。
ジブリっつーか、言ってしまえばユーミンだけど。
テンポ早めのファンク気味がいまの気分というコトで。
やさしさに包まれたいアナタに。



12. 「CHANT IWANAKYA AISANAI」Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends
『BUONO!! BUONO!!』


コチラ、TVアニメのイタリア版『ルパン三世』のサントラから。
ジャケットが青いヤツバージョンのエンディング曲
「ちゃんと言わなきゃ愛さない」のインストです。
ヴォーカルバージョンは、”石川さゆり”がヴォーカルで入ってますが、
インストはインストでもなんか艶っぽいというか、
ムダにロマンス感じる作品となってます。



13. 「Wig In A Box」SILVA
『Hedwig And The Angry Inch Tribute』


“ジョン・キャメロン・ミッチェル”の映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。
挿入曲の「Wig In A Box」をボーカリスト”SILVA”がジャズアレンジでカヴァー。
この曲、結婚して東ドイツからアメリカに移住したヘドウィグが、
夫のルーサーに見捨てられて、
ひとりトレーラーハウスにのこされた夜に歌っている曲なのですが、
「こんなに不幸なコトがあったけど、へこたれないぜ!」という、
彼女(彼?)が前へすすむ、前向きになるという場面なのですよ。
こんな世の中の状況ですが、
なんとか前にススもうではありませんか!
という、みなさまへの応援歌として。



14. 「What’s Going On」柄本明
『CARAMEL PAPA』


とは、いいつつも「ナニやってんのよ?」というコトが多々ある現状(笑)。
コチラは劇団東京乾電池時代の”柄本明”が、
“細野晴臣”さん率いる”ティン・パン・アレー”をバックに、
“マービン・ゲイ”を素でカヴァーするという、
なんともスゴい企画。
まあ、こんな世の中ですから
いまこそ「What’s Going On」ってコトで(笑)。



15. 「出口が見当たらない」アントニオ佐々木
『カレーブルース』


昨年、2020年1月23日に他界された、
モアリズムのメムバー”アントニオ佐々木”さん。
彼が亡くなる前に、
たぶんまちがいなく自身の人生を唄った本曲。
テーマの神様の部分はコチラの歌詞から。
それにしても、まさに「出口が見当たらない」状況の世界。
まあ、あせらず、たのしく生きていきましょうよ!ってコトで。
出口が見当たらねぇ〜、オーイエ!





※選曲は、基本的にアナログレコードやCD、ダウンロードなどで入手できるものを中心としておりますが、廃盤などにより手に入らない場合がございます。
あらかじめご了承ねがいます。


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