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tokyo feature : July 30, 2024 @ 19:47

トーキョーシティポップス Vol.138──Loud Minority



アナタのデスクトップライフを、ちょっとだけたのしくするサウンドデザイン「トーキョーシティポップス」。


日本のシティポップスを中心に選曲した、ハイセンスな架空のコンピレーションアルバム『Japanese Soul for Tokyo City Pops』を、その月のテーマをもって選曲し、お贈りしていきます。


2024年7月の「トーキョーシティポップス」のテーマは、「Loud Minority」です。


今回は、2024年7月25日に急逝された”United Future Organization(U.F.O.)”の”矢部直”さんへの哀悼の意と感謝の意を表して、このテーマにさせていただきました。


“U.F.O.”の代表曲といえば、そう!「Loud Minority」。

10代後半に聴いて、効いちゃった、まさにワタクシの原点の曲のひとつであります。

ブッ飛び疾走感あふれるジャジーな曲調もさることながら、Loud Minorityというタイトルにもヤラレまくりでした。


そんなワケで、今回は、矢部さんっぽい選曲ができるワケでもありませんので、ワタクシっぽい選曲と雰囲気で、ワタクシにとっても、アナタにとってもLoud Minorityな現代社会にむけた選曲となっていただければ、コレ幸い。

ぜひ、あたらしい音楽との出会いをたのしんでください。





July『Japanese Soul for Tokyo City Pops Vol.138 -Loud Minority-』






01. 「Loud Minority」 United Future Organization 『Jazzin’』



1992年にリリースされ、
10代後半にこの曲を聴いて衝撃を受け、
以来、いまだにDJでも選曲していたりして、
間違いなくワタクシのDJ活動ににおいて最重要サウンドです。
ちなみに、「Loud Minority」というコトバは、
ワタクシ自身のすべての活動におけるコンセプトにもなっていたり、、、
もうね、ホントに人生を変えた曲、と言っても過言ではありません。
オリジナルは、”Frank Foster(フランク・フォスター)”が
1972年にリリースしたアルバム『The Loud Minority』。
タイトル曲「The Loud Minority」は、
腐敗した政治に対し、
“マイノリティーの声”を激しく訴えかけた曲で、
途中の演説はオリジナル部分のもの。
この世はまさにLoud Minorityの時代ってコトで、
今回のタイトル曲にさせていただきました。



02. 「that place is burning feat. ハナレグミ」 KID FRESINO 『that place is burning』


「猛暑」というコトバが定着して、
じつはまだココ5〜6年ほどだったりするのですが、
すでにむかしから使っていたかのような感覚になるくらい
スタンダードワードになっていて、
実際に、いまにも死にそうな暑さの日がつづいていますが。
そんな猛暑の夏を、
ラッパーの”KID FRESINO”と”ハナレグミ”が涼しげに歌ってくれているこの曲。
まさにバーニングな季節に聴きたいクールサウンド。



03. 「AWA」 BLACK WAX 『VIGOR』



宮古島を拠点に活動しているジャズバンド”BLACK WAX”。
泡盛と阿波踊りがコンセプトでAWA(アワ)という、
彼らのインスト曲。
それにしては、土臭さゼロ。
中盤にブロウする鳴きのサックスが、もうね、ヤバすぎ。
宮古島発ながら、
かなりの激アーヴァンサウンドに仕上がっています。



04. 「黒鳩(青ヶ島民謡)」 島音流 『DISCOVER NEW JAPAN 民謡ニューウェーブ VOL.1』



編集者の”大石始”くんによる、
新たな視点で各地の民謡や伝統音楽をセレクトしたアルバムから。
コチラは”島音流(しまねり)”による東京都の島、青ヶ島の民謡です。
ドコとなく、ソコはかとなくジャズの香りがしつつ、
なんともノスタルジックなサウンド。
ヴォーカルは”小澤さと”さん。



05. 「Earphone & Headphone In My Head – Play 0」 Shuta Hasunuma Philharmonic Orchestra 『時が奏でる | Time Plays – And S Do We』



ミュージシャン”蓮沼執太”がコンダクトする、
総勢16名による現代版フィルハーモニック・ポップ・オーケストラ、
“Shuta Hasunuma Philharmonic Orchestra”。
彼らが2014年にリリースしたアルバム
『時が奏でる | Time Plays – And S Do We』から。
ポップなサンバジャズ的要素の強いこの曲。
“木下美紗都”と”環ロイ”のリエゾンヴォーカルといい、
スキャットといい、
流れるようなサウンドといい、
ホントにすばらしい。



06. 「Inbetweenies」 EGO-WRAPPIN’ 『ROUTE 20 HIT THE ROAD』


ヴォーカルのよっちゃんこと”中納良恵”と、
森ラッピんこと”森雅樹”くんのユニット”EGO-WRAPPIN’”。
コチラは”Ian Dury & The Blockheads”のカヴァー。
アレンジは、オリジナルのズンチャカレゲエほぼほぼなのですが、
やっぱりよっちゃんのヴォーカルがホントにすばらしい。


07. 「サマーブリーズ’86」 一十三十一 『CITYDIVE』


シンガー”一十三十一(ヒトミトイ)”ちゃんによる、
2012年リリースのアルバム『CITYDIVE』。
コチラ、Adult Oriented Recordsとファッションブランド『AOR』のディレクター、
“弓削匠”こと”Mr. Summertime”プロデュースで、
まさに80sシティグルーヴ感たっぶり、
ミドルメロウのシンセサウンドがすばらしい。
プロデュースは”ドリアン”氏。
トイちゃんの声、やっぱりいいですよねー。



08. 「Blue Moon feat. kojikoji」 Kenichiro Nishihara 『empath』


ミュージシャンの”西原健一郎”くんのソロアルバムから、
シンガーソングライター”kojikoji”をフィーチャーした、
ジャズR&B的なセツナナイスグルーヴの「Blue Moon feat. kojikoji」 。
アンニュイな”kojikoji”のヴォーカルが、
スウィンギーなサウンドにのって、
さらなるセツナ感を増長させて、
ちょっとホロっときてしまう、
なんともセツナすぎるグッドサウンド。



09. 「Feeling Good feat. KENNY from SPiCYSOL」 DJ HASEBE 『Feeling Good feat. KENNY from SPiCYSOL』


ヴォーカルに夏バンド”SPiCYSOL”の”KENNY”をフィーチャーした、
“DJ HASEBE”によるソロプロジェクト。
“KENNY”のハイトーンヴォイスが、
メロウビートとセツナいメロディとのナイスブレンドで、
夏のトワイライトタイムに気持ちいいグッドグルーヴ。



10. 「生活の柄」 T字路s 『COVER JUNGLE 2』


夏といえば、この曲。
タエちゃんこと”伊東妙子”と、
シノさんこと”篠田智仁”さんのふたりユニット”T字路s”が歌う、
“高田渡”の流れ者ソング。
夏は外で寝る、、、歌詞が完全に昭和ですね。
あ、最近は酔い潰れて、
道端で寝ている若者も多いので、
時代感的にはピッタリか(笑)。



11. 「The Girl from Ipanema」 naomi & goro & 菊地成孔 『calendula』


“アントニオ・カルロス・ジョビン”の1962年の名曲 「The Girl from Ipanema」、
イパネマの娘ですね、
を、”naomi & goro”、そして”菊地成孔”がコラボレーションして、
アーヴァンボッサアレンジでカヴァー。
夏といえばボサ・ノヴァ、サウダージな雰囲気がピッタリですよね。



12. 「love lost」 Takumi Kaneko 『Unwind』


ジャズバンド”cro-magnon”のキーボディスト”金子巧”氏のソロアルバム 『Unwind』から。
「love lost」 というタイトルどおり、
まさにLOVEがLOSTしてしまったかような、
愛を失ってしまったかのような、
あまりにもサビしげで、セツナ的なピアノサウンドです。



13. 「甲州街道はもう夏なのさ feat. おかもとえみ」 fox capture plan 『甲州街道はもう夏なのさ feat. おかもとえみ』


バンド”Lantern Parade”の名曲「甲州街道はもう夏なのさ」を、
インストジャズバンド”fox capture plan”が、
シンガーソングライターの”おかもとえみ”をヴォーカルに迎えて、
ジャズアレンジでナイスカヴァー。
もう夏ですからね。
ちなみに、ただただ甲州街道沿いで職務質問されたというだけの歌なんですけれど、
夏の甲州街道はたしかに職質王国です(笑)。



14. 「Tears Of Gratitude」 United Future Organization 『No Sound Is Too Taboo』


コチラは、トーキョーシティポップス Vol.36にも選挙しましたが、
今回だけ同じアーティストを一回の選曲に使用しない、
曲を2回使用しない、
というルールを破らせてください。。。
“United Future Organization”が1994年にリリースした名盤
『No Sound Is Too Taboo』から「Tears Of Gratitude」です。
「感謝の涙」、というか、「本当にありがとう」という感じの意味なのですが、
ボク自身、ココまでこういう活動ができているのは、
少なからず矢部さんをはじめとする”United Future Organization”がいたから、
というコトで。
矢部直さんに感謝の気持ちを込めて。。。
やすらかに。。。



※選曲は、基本的にアナログレコードやCD、ダウンロードなどで入手できるものを中心としておりますが、廃盤などにより手に入らない場合がございます。
あらかじめご了承ねがいます。


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