Interview : January 21, 2011 @ 16:44
小林博憲(copa salvo)インタビュー──マンボの狼(後編)
ラテンロッカーズ バンド”copa salvo(コパ・サルーヴォ)”が、活動10周年をむかえ、激しい動きをみせている。
ひきつづき、”copa salvo”のリーダーの小林博憲さんに、レコーディングで行ったキューバのお話を中心に、2011年1月23日に行われるなどビルボードライブ東京でのライブについて、そしてこれからの”copa salvo”など、いろいろとお話いただいた。
カネコヒデシ(以下 カネコ):当時は、いろいろなところで音楽をやるヒトがいたの?
小林博憲(以下 小林):当時は外貨を取り入れる政策をしていて、”流し”のミュージシャンが街にいっぱいいたよ。有名な料理店に行ったら、観光客をみつけて寄ってくるみたいな、そういう感じ。
あと、子どもは寄ってきて、勝手に似顔絵描いて「1ドルくれ!」みたいな。。。面白かったよ。
その時は20日間くらいキューバにいて、最初の3日間は慣らすのと、打ち合わせで時間がけっこう空いて、しかも晴れていたから、いろいろな場所に連れて行ってもらって、、、すごくよかったよ。
レコーディングに入ってからは、オレら下手すぎてぜんぜん進まなくて、18日目くらいでやっと終わって、「やっと観光ができる!」ってなったときに、、、大嵐!スゴすぎて停電になるくらいの(笑)。
ホテルの裏にプールがあって、その前が海だったんだけれど、それを超えて波が来て、ロビーがザバーって(笑)。。。そこにあった配電盤が燃えて、ホテルの人がキャッキャッ笑って見ているだけなんだよね。空調は効かなくなるし、、、最高だったよ。
あと、ホテルの朝食の取り方を10日目くらいでようやく分かって。。。
カネコ:え!?10日目??
小林:そう(笑)。オレら朝起きるのが遅いから、頼めないって思っていたんだよね。
で、10日目のときに「コーヒーが飲みたい」ってなって、頼んでみたらそこで朝食も頼めるんだ!って(笑)。
それまで一日1食だったから、オレら。
カネコ:ええ(笑)!!
小林:昼というか、夕方くらいにスタジオに届くゴハン、アレ一食だったんだよね。でも、それがまたスゲー量で、お腹がいっぱいになっちゃうんだけれど。
ちなみに、鳥か、魚か、豚かの3ローテーションしかない(笑)。
面白かったけれどね。
カネコ:配電盤が燃えたっていうのもスゴい話だね(笑)。
小林:あとね、1ドルを置いていかないと、ベッドメイキングしてくれない(笑)。
カネコ:部屋はふたり?
小林:ベッドが4つあって、シャワーがあって、トイレがあって。。。ちなみに、シャワーなんて水しかでない。
「お湯でないの?」ってホテルのヒトに聞くと、「いまは出ない」って言われて、いまの時間はでないんだ!って(笑)。
あと、断水したりしていて、スタジオのトイレも流れなくって、、、時間によってなんだよね。
スタジオも停電になるし。。。
カネコ:いい意味でユルい感じなんだね。
小林:ユルかったよー。
あと、午後の3時まわると家に帰りたがるの、みんな。
カネコ:何時から仕事しているの?
小林:朝の10時かな。
15時くらいになると、エンジニアとかも一気にテンションが下がる(笑)。
で、アシスタントに任せて、うちらはそこから次の日の曲のリハを夜の12時くらいまでやってという生活。なつかしいね。
でも、みんなね、演奏はユルくないんだよ。エンジニアの人もスゴい!他の人たちはみんなウマいからすぐ終わるんだよ、レコーディングが。一発録りだし。1時間とか、2時間くらいで、ポンと録ってね。みんな給料が決まっているから、それ以上やりたがらないんだよね。
カネコ:なるほど。
小林:短かければ短いほど、得なんだよ。
でも、集中力はスゴい。
カネコ:生まれたときから音楽的にそういう感じだから、その人たちにはかなわないんだろうね。
小林:ホントそう!
アメリカ人でも上手なヒトとかいるけど、ぜんぜんキューバ人の方がウマい。
ダレお前?みたいなひともウマい。
カネコ:なるほど。
1月23日(日)にライブをやるワケですけれど、どんなことを考えているの?
小林:キッチリ王道で!
アルバムに入っている曲を全部やる感じ。
カネコ:全部って、17曲!?
小林:全部合わせても50分くらいなんだよ。
ステージは70分なので、つないでやっちゃうとすぐ終わっちゃう。
マネージャー:MCを20分くらいやらないとね、”さだまさし”バリにね(笑)。
カネコ:“さだ”ね(笑)。
小林:ライブ向きじゃないものを外して、プラス何曲か入れて、間にダンスとかを入れてって、そんな感じでやろうかな。
いま考えているのは、サルサダンサーを呼んでも普通だから、知り合いのドラッグクイーンを呼ぼうかなと考えてますよ。
カネコ:ソレ面白いね!
ミックスカルチャー的な感じがして、いいですよ。
小林:一応、東京発信ということでね(笑)。
東京発信で、ニューヨークのことをやっているみたいな。それは”後づけ”だけど。
でも、”後づけ”でもみんながそういう風に思ってくれたらいいかな。あとふたつくらいコンテンツを入れたいと思っているよ。
アルバムって、オレらガーンとレコーディングして、そこで一回落ち着くじゃない? リリースがそこから2ヶ月先くらい先で、で、出てからインタビューするんだけれど、自分的にはもう次のことに移っちゃっているから、インタビュー中にいろんなことを確認する感じっすよ(笑)。
カネコ:分かる!
そういえば、ああだったなとか(笑)。
小林:そうそう!「あれもやらないと!」とか(笑)。
でも、今回は早かったよ、レコーディング合わせて6日かな。
カネコ:6日!?早いね!!
今後、コパはどんな感じで進んでいくの?
小林:全体的には、ひとつバンドのフォーマットができたと思っていて、あとはアイディアさえあればいくらでもできるから、まずはこのフォーマットを維持できればいいかな。でも、ルーティンになると飽きてしまうから、今回みたいな違うこともしていくとは思うけれど。
カネコ:今回の20人っていうのはなかなかないね、最近は。
小林:多分、若い人はやらないから、こういうカタチ。だからトピックになるかな。
おれの中ではもうルーティンじゃなくなっているからね。それに次のアイディアも出てきているし。。。だから、楽しくて仕方がないすよ。
カネコ:音楽的にはどんな感じで進めたいとか、考えているの?
小林:いまはまったく考えていないすね。
毎回、アルバムを出すたびにそうなんだけど、一回真っ白になるんだよ。だから、他の仕事をしながら、音楽をやっているっていうのは”強み”だよね。
いろいろなジャンルのヒトと会ったりして刺激があるから、楽しいし。ホント、”ハレ”と”ケ”じゃないけれど、”ケ”があって、”ハレ”ができるから、他のことができる時間があった方が、ぜんぜん楽しいよ。
カネコ:いろいろなつながりも生まれるしね。
小林:まわりに良い先輩がいて、怒られたり、ほめられたり。そういうつながりって楽しいよね。もちろん上下関係的なものもあるけど、それがフラットだったらつまらないよ。それに、そういうのがないと音楽ってできないと思う、ボクらのバンドはとくに。
だから、そういう部分も大切にしようと思ったんだけれど、その辺がこのアルバムなワケすよ。
それを10年やったらこういう風にできました!ってね(笑)。
カネコ:人のつながりから生まれたアルバムね。
なるほど。
今日は、ありがとうございました。
小林:こちらこそ!
(おわり)
□アルバム
Orquesta copa salvo
『Los lobos del mambo』
レーベル:plants / P-VINE Records(PECF-3011)
価格:¥2,625(税込)
>>>レビューはコチラ
□ライブ情報
2011年01月23日(日)
Orquesta copa salvo
Los lobos del mambo
@ビルボードライブ東京
>>>詳細はコチラ
□Orquesta copa salvo プロフィール
祝!10周年
ラテン・ロッカーズ copa salvoが超豪華マンボ・オルケスタ編成に!
その名もOrquesta copa salvo!
待望のフル・アルバム「ロス・ロボス・デル・マンボ」”マンボの狼たち”2010年11月17日にリリース。
http://www.copasalvo.com/
http://twitter.com/copasalvo
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