TYO magazineトーキョーマガジン

Archive

 

rss 2.0

ブラインドからのぞき見た世の中 : April 14, 2011 @ 03:41

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.38『ジャーナリズムとナショナリズム』



東北・関東・長野県北部・静岡東海と、東日本を襲った大震災から1ヶ月。


いまだ予断を許さない大余震?本震?
いや、もう余震なのか、本震なのかはどうでもよくなってきました。。。


大津波、家屋の倒壊、地盤沈下、地盤の液状化。

行方不明者は1万人以上、
死者は1万3000人にまでのぼり、
今後もさらに増加する模様。

ライフラインの復旧の目処が立っていない地域もまだまだ。


などなど、大地震による大打撃を受けた地域──被災地となってしまった地域は数しれず。。。

まだ問題は山積みですが、それでもそれぞれ被災地はやっと復興への第一歩を踏みはじめました。


しかし、まったく収束への道を進んでいないのが福島第一原発の事故。
一歩でも進んでいるのか、止まっているのか。。。
いや、もしかして三歩下がったんじゃないの??と思ってしまうくらい、まったく進展を見せていないです。

12日の1号機の爆発から、もう1ヶ月経っているにも関わらず、政府、東京電力、原子力安全・保安院の会見をすべて見ているのですが、何の解決策もないようですね。


先ほど(2011年4月13日)、1ヶ月ぶり?くらいに清水社長が会見に”出演”されていましたが、「つめている段階」「検討している」「一日も早く」、、、の連発。
まさに”出演”されただけの、、、いったい何のための会見だったのか。。。
2時間が無駄になりました。


原子力発電を止めるには、まずは「止める」、そして「冷やす」、最後に「閉じ込める」という3段階があるのだそうですが、現在は、福島第一のすべての原発(5号機、6号機もふくめ)において「冷やす」の段階で足踏みをしている状況。
いや、もしかしたら最初の「止める」すらできていない原子炉もあるのかもしれません。


福島第一原発全体からすでに放出された放射線総放出量も現段階では63京ベクレルだとか。。
“京”って久々に聞いた単位ですけど、”現段階では”の話ですからね。
今後も放出量は増えていくと思われます。

国際原子力事象評価尺度(INES)も、「レベル5」から最悪の事故の「レベル7」に引き上げられました。
え!「レベル6」は??
まあ、それもいまとなっては愚問ですね。。。


結局は、事故の方法は違ったかもしれないけれど、事故の規模的には結局チェルノブイリと一緒になってしまったじゃないですか。
「チェルノブイリとはまったく違います!」と言っていた人は、ご自身の発言に対してどのような責任を取られるのでしょうね。
ま、とる人はほとんどいないと思いますが。。。

昨日(2011年4月12日)の管 直人総理の会見では、「原発は落ち着いた方向へ向かっている」とおっしゃっておりましたが、現状のどこが落ち着いた方向に向かっているのでしょうか??
むしろ悪い方向にしか向かっていないようが気がしています。
まったくもって理解に苦しむ発言ですよ。


放射性物質に対しては、われわれももっと勉強する必要があります。

チェルノブイリでは、事故から25年経ったいま、たくさんの被害者が出はじめているようです。
つまり、自分たち世代よりも下のいまの子どもたち、それにこれから生まれてくる子どもに影響が出るってことなんですよ。どのくらいの量で、どんな影響があって、何を気をつければいいのか。

それに関しては、中部大学の武田邦彦教授のブログがけっこう分かりやすく書いてありますので、
参考として、、、本当に参考としてご覧ください。
http://takedanet.com/


それにしても、今回の各テレビメディアにおける原発の報道に関しては疑問点が多すぎです。

危険なものを「安全です」とか、「ただちに健康に影響はでません」とか。。。

そりゃ、大口の広告クライアントさまさまには、文句は言えないですよね。
正しい情報を送って命を守ってくれるはずのジャーナリズムが、ただのプロパガンダ媒体に落ちぶれた瞬間でした。

そういえば、東電は現在各メディアに、お詫びの広告を出していますね。
清水社長の会見でもその話題が出ていましたが、広告費の金額は言えないらしいです。。。
ってことはお金が出ているってことですから。

広告を出す金額的余裕があるならば、福島県の人たちの使ってほしかったなー。

それでいて、避難住民に賠償仮払いを”検討する”とか、ありえんですよ。
検討じゃなくて社長権限で決定にしなさいよ!ホントに。

避難したくても、生活などがあって避難できない人たちがいるっていうのに、何やってんだよ!って感じです。


まあ、話を戻して、、、連日報道されている「微量の放射線量が人体に影響がない」ということは分かったとして、じゃあ「どうすればいい」という部分がどこの番組も報道してくれない。

分かっていることならこっちも考えて行動できますが、まったくの未知な世界なワケですよ。
だから、「もし、こうなった場合は、こうしてください」とか、「子どもにはこうしてほしい」とか、報道にはもっとそこら辺をやっていただきたいですね。
いまだ各地の放射線量情報もやらないし、福島第一原発からの風向き情報もやらない。。。
どうなっているんですか。


それに、、、各会見でもっと突っ込みなさいよ。
もちろん現場の記者は、原子力専門家ではないから、わからないから突っ込めないというのもわかります。
それなら、原子力関連に詳しい方を会見に連れていくとか、それくらいのことはやってほしいですよ。

いまのところやっているコトは、政府の広報的役割で、そんなことはワタクシにだってできますよ。
会見で話されたことを録音して、ただ発表するだけなんですから。


もっと国や社会に疑問を投げかけてほしいです。
じゃないと、今回に関しては本当に大量殺人兵器的役割になってしまいますよ。

その報道が命を救うんです。
だって、それがジャーナリズムでしょ?

みなさんは、どのように思われますか。



RCサクセション「SUMMER TIME BLUES」


旅路 良



Comments are closed.

Trackback URL