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ブラインドからのぞき見た世の中 : May 12, 2011 @ 02:42

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.40 『ゴメンで済むなら何とやら。。。』



さて、福島第一原発の事故。

震災から2ヶ月が経った現在でも、前にも進まず、後ろにも進まず、
相変わらずの状態がつづいております。


原発事故以来、連日テレビや新聞などの大手メディアにて「安全です!」をくり返していた解説者、いわゆる御用学者と呼ばれる原発推進派の学者の方々、16名がつぎつぎに”お詫び”をしている模様。
「事態が次々と悪化」したために「安全ではなくなった」から、今回の”懺悔”?”後悔”?に至ったとのこと。
ウーム、、、もっと早くにキケンなモノだと我々に示していただければ、ある程度の対策は取れたハズなんですよ。
いまごろ謝られても、、、もう遅いですわ。


国が定めた、いや最近になって引き上げた年間の被爆量基準値に関してもそう。

もともと国際的には1mシーベルト(年間)が基準だったのに、いきなり20mシーベルト(年間)に上げて「大丈夫です」をくり返す文科省。

結局、後になって根拠もなく基準値を上げていたコトが判明。
いまだに突っ張っていますけれどね。
年を取ったアナタが大丈夫でも、罪のない子どもたちに影響が出る可能性を高めてどーするんですか!?って感じです。
いま頃になって、その20mシーベルトが安全かどうかが、あやふやな感じになってきていますね。
だったら最初から上げなければいいのに。。。なんのための基準なんでしょう。


福島県内の公園や学校の校庭の土の入れ替えに関してもそうです。

高い放射線量の数値が出ていたにも関わらず、最初は「外で遊ばせても、体育しても大丈夫です!安全です!」の一点張り。
1ヶ月以上たったいま頃になって、「外で遊ぶのは1時間でお願いします」だの、「土を入れ替えることによって放射線量を下げる効果がある!」って。。。

専門家がついているなら、最初から分かっていたハズなんですよ。
その間にどれだけの子どもがキケンにさらされていたのか。。。
まったくもってヒドい話です。


それにSPEEDIと呼ばれる「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」による、3月12日以降の予測結果がやっとこ発表されましたね。って、予測を1ヶ月半遅れで発表しても迅速でもないし、予測じゃないでしょ!
しかも、発表が遅れたことに対して、細野豪志首相補佐官は「信頼できない数値を示して、パニックが起こることを恐れた」と解答。

いや、あり得ないですよ。
だって、100億円以上もかけた、信頼のおけるシステムだったハズでしょ?
それを「信頼できない数値」って。
じゃあ、そんなにお金をかけた意味があるのか?ってコトじゃないですか。
ホント、正気の沙汰じゃないですよ。
コレももっと早くに発表していれば、なんらかの対策が取れたハズです。


今回の原発事故に関しては、後から後からいろいろなモノゴトが出て来すぎていて、すでに呆れに入っています。

叩けば叩くだけホコリが出る政府の対応と、どのチャンネルを見ても「安全です!」をくり返していた大手メディア、両方の存在意義を疑いました。


国やメディアは、もっと東京電力側にいろいろと突っ込むベキですよ。
だって飲酒の交通事故を起こした人や、ユッケで死亡する人まで出した焼肉店には突っ込むんですから、それと同じように突っ込んでほしいものです。


それにしても今回の震災、そして原発事故でもっとも大きく役立ったのはインターネットメディア。
岩上安身さんのIWJしかり、ニコ生しかり。
それとフリーのジャーナリストの方々。

大手メディアでは放送されない政府官邸や東京電力、原子力保安院の会見で、
彼らの意味のある質問のお陰で今回の”ホコリ”が見つかったと言っても過言ではありません。
結局、いちばん真実を伝えてくれて、我々に選択権を与えてくれていたのは、彼らだったと思います。

インターネットメディアによる可能性はスゴく感じました。
が、もちろんのことながら、田舎にいるお年寄りの方はインターネットなんて見る方は少ないワケですから、一番伝わらなけれどならない現地の方に、真実は伝えられていないに等しい、いやまったく伝わっていないですよね。


以前、とある番組でメディアのあり方についてメディア界の重鎮みたいな方が、
「インターネットのように情報のタレ流しはよくない!もっとメディア側で精査すべきだ」と語られておりました。
しかし、その精査の結果が、今回の「安全です!」というプロパガンダでしかなかった。
国民の命をよりキケンに近づけるなんて、はなはだけしからんですよ。


最近は、やっとNHKなどの大手メディアも突っ込んだ報道になってきましたけれどね。
しかし、個人的には残念なことにあまり信用がないです。
いまだに各地の詳細な放射線量やら、原発からの風向きやらを発表していないワケですから。


信用や信頼を失ったメディアは、今後どのように民の信用を取り戻すのかが、
今後の課題でしょうけれど、
まあ、最終的には真実を伝える報道姿勢、ジャーナリズムのあり方次第なんですけどね。


今回の事故関連に関しては、ホント、ゴメンですむなら何とやらとはこのコトだと思いましたが、みなさんは、どのように思われましたか?


ふくろうず「ごめんね」


旅路 良



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