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tokyo feature : May 25, 2011 @ 17:46

曇りなき眼で見たFUKUSHIMA(その1)



2011年3月11日に起こった東日本大震災から3ヶ月が経とうとしています。

ゴールデンウィークを境に、各地の被災地もやっと気分的にも復興へと方向転換し、一応なんとか前へと進みはじめた”感”が出はじめている今日このごろ。


そんな中、前に進んでいるどころか、本日2011年5月25日現在でもいまだにウンとも、スンとも、、、むしろ若干3歩下がり気味な状況なのが、いまや世界中にその名が知れわたってしまった福島県。


ご存知のとおり、福島県は地震後に起こった海岸沿いの双葉郡というところにある『東京電力 福島第一原子力発電所』の事故によって、原発から20キロ以内が「警戒区域」となり、半径20キロ以上30キロ圏内を「緊急時避難準備区域」、さらに30キロ圏外でも飯館村、川俣町の一部が日ごとの空間放射線量が高いために「計画避難区域」に指定され、現在も避難を順次余儀なくさせられているという状況なのです。


ちなみに原発から70キロ圏内の福島市や郡山市も、毎日平均でいうと1.4μsv/hくらいという、若干高めな放射線量の数値を記録している状況。



じつはワタクシ、いま話題の福島市出身でして、いま現在の福島が「どのような状態で、どんな状況なのか。実際に自分の目で見て、把握して、理解したい」、、、そんな”思い”もあり、このゴールデンウィークを利用し、福島市へと里帰りをして来ました。

今回は、福島市、そのまわりの被災地の状況のレポート、そしてワタクシが自分の目で見て感じたコトを2回にわたってお送りします。






ということで、まずは東京から約1時間45分、東北新幹線の福島駅に到着。

ホームから改札に降りる階段から、すでにスゴそうな感じに。。。





壁のタイルがはがれ落ちていました。

このほかにも駅自体に亀裂が入っていたりと、地震の規模の大きさを目の当たりに。


まずは街がどんな状況なのかを把握するために、駅を出て、街をブラブラ。

そうすると、、、





市内のいたるところも、いまだ崩れっぱなしの建物が。。。





コチラは屋根瓦が落ちて、ブルーシートをかぶせている民家。





老朽化しているマンションや、アパートなどには、ヒビが入っていたり、壁やタイルが崩れ落ちていたり。。。











いまにも崩れそうで、立ち入り禁止にしている建物もチラホラ。

大きく崩れた建物は、さすがに撤去されていたのですが、中途ハンパに崩れていたモノは、写真の様にぼんやりと残されておりました。


20011年5月3日の時点でも、いまだに震度3以上の余震もつづいていたので、わざと直していない、、、というか、現状は直せないという感じじゃないですかね。




コチラはワタクシの母校の近くを流れる小川。

ちょうど、サクラが満開の時期です。





母校は、建物自体に大きく崩れている箇所は見当たりませんでしたが、一部の校舎は老朽過ぎて、崩れる危険があるために立ち入り禁止になっておりました。





校舎裏の塀などもこの通り。


そんなこんなで、街の一部(繁華街と呼ばれている場所)を4時間ほどブラブラとしていたのですが、ゴールデンウィークとはいいつつも、人もまばらで活気のない、暗い感じになっておりました。
まあ、いつも活気がないのですが(笑)、、、いつも以上に活気がなかったというのが印象です。


テレビでは、毎日、地震速報と1時間ごとの県内各地の放射線量がテロップで流れている状態。


ちなみに、ヒビが入って、立ち入れない建物の壁を使ってこんなアートも。




これはナイスな冗談。

『Chim↑Pom』ではないですが、コレくらいの主張のあるアートは、個人的にはどんどんやっていくベキだと思いますけれどね。
ただ、なかなか世の中の理解を得るには、難しいとは思いますが。。。


なんにせよ、いまだ原発自体も落ち着かない状態で、前にも後ろにも進めない状態がつづいている福島市。


建物を建て直したくても直せない状況だったり、外に出たくても、出ていいのか分からない状況だったりと、いろいろなマイナス要素が合わさって福島市の人たちも若干疲れているように見えました。

街で、若い子たち──中学生やら高校生やらともけっこうすれ違ったりしましたが、マスクを付けて出歩いていたのは、ほんの1割、2割くらい。

むしろ、短パンとか、Tシャツとか、肌の露出が多い、普段のカッコウをされた子が多かったですね。
幼児をお連れの親御さんも、普通に歩かせたりされている方もいらっしゃいました。


毎日の放射線量が、一応安全の域ではあるのですが、だいたい東京の約7倍くらい。。。

なんとも言えない状況が、福島市ではいまだにつづいているのです。



「アレ!星のカーヴィー?」。突然、街の遠くに「こんなのあったっけ!?」的な、微妙にいろいろな要素が混じったキャラクターを発見。




(その2へつづく)



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