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ブラインドからのぞき見た世の中 : July 27, 2011 @ 21:50

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.45『根拠のない根拠』



最近は原発関連のニュースをあまりやらないので、みなさんは収束の方向へ向かっていると思われている方もおおいのではないでしょうか。


テレビやインターネットの原発事故関連のニュースを見ていると、一歩も進んでいなんですよね。
むしろ悪化状態にあるのは確かです。

しかし、メディアっていうのはコワイですね。 こういう”安心”の情報操作が簡単にできてしまう。


ニュースでよく出てくる空間や食品などの放射線量の基準値。
根拠のある、もっともらしいような言い方がされていますが、 コレってなんの根拠もないんですよね。
よくもまあスゴいことをやっていると思いますよ。


いまのところ、チェルノブイリの原発事故の経験から、
人間は累計100ミリシーベルトまではなんとか──それでも癌や白血病が発症したり、
ほかの遺伝子系の疾患が起こる人も出てくるのですが、、、 なんとか大丈夫とはいわれています。


まあ、累計ですからね。
で、政府はいまのところ「年間20ミリシーベルトまでは大丈夫!」なんてことを平気で公言していましたが、 コレってフツーに考えると5年で100ミリシーベルトになっちゃうワケです。


いやいや、ないですって。
仮にも、2年後に事故が収束して、空間の放射線量が減ったとしても、
いままで降りそそいでいた放射線の影響で、野菜や肉の線量、
つまり内部被ばく的な部分で被ばくしつづけるわけですから、
そう考えると、やはり100ミリなんてすぐ超えちゃうんですよね。


先日、食品安全委員会が、生涯100ミリシーベルトという数値を打ち出してきました。
『「外部被ばくと内部被ばくを合わせた生涯の累積線量が、
100ミリシーベルトを超えると健康への悪影響があることを踏まえてリスク管理するべきだ」
との見解をまとめた。』
http://mainichi.jp/select/science/news/20110727k0000m040137000c.html


「いま頃かい!」と思わずツッコミを入れたくなるニュースでしたが、
年間1ミリシーベルト、まあコレがフツーの考えだと思います。
緊急時だからって、基準を上げて「大丈夫です!」なんてありえない。


と思って書いていたら、
同様のことをライターの松沢呉一(http://www.pot.co.jp/matsukuro/)さんがメルマガで書いておられました。


中部大の武田邦彦(http://takedanet.com/)さんはもうずっとブログで書いておられましたけれど。

そういえば、先日の『情熱大陸』は武田さんだったんですね。
やっと反原発を大々的に語っている方たちもテレビに出られるようになってきたってことなんですが、それにしても遅い、遅すぎです。


早くからそういうヒトたちがメディアで活躍していれば、
こんな根拠のない基準値なんかは出てこなかったのかもしれないし、
もっといろいろな準備はできたハズなんですよ。


それを利権が絡んだヒトたちがひたすら圧力をかけてきた結果がまさにいまの現状なワケです。
とにかく、政府しかり、東電しかり、九電しかり、、、
この国のシステムも中国や北朝鮮とほぼほぼ一緒だったということが、今回の原発事故でハッキリしましたね。



とはいえ、我々はこれからもこの国で生きていかなければならないワケですから、
どうにかいい方向に向かってほしいなーなんて思っておりますが、
みなさんは、どう思われますか?


木村 弓「いつも何度でも」


旅路 良



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