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Movie Life : August 2, 2011 @ 18:15

MOVIE LIFE 062 『モールス』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画と過去に見たDVDなどを中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)





MOVIE LIFE 062 『モールス(原題:LET ME IN)』





アビー、いったい君は何ものなの?



□ストーリー

雪に閉ざされた町。

オーウェンは母親とふたりきりで暮らし、学校ではイジメられている孤独な少年。


ある日、隣にアビーという少女が越してくる。
彼女は雪の上でも裸足で、自分の誕生日も知らない、謎めいた少女だった。


何度も会ううちに、孤独を抱えるふたりは徐々に惹かれあい、お互いにしか分からない壁越しのモールス信号で絆を日に日に強くさせていく。

やがて、オーウェンはアビーの隠された、哀しくも怖ろしい秘密を知ることになる。


時をおなじくして、町では残酷な連続猟奇殺人が起こり始める。
事件を捜査する刑事は、真相を追いつづけるうちにふたりの住む団地へとたどり着く。

そして、すべてが明らかになったとき、オーウェンが下す衝撃の決断とは──。





□オレ意見
評価:☆☆☆☆(満点は5個)


スウェーデンの大ヒット映画『ぼくのエリ 200歳の少女(原題:LET THE RIGHT ONE IN)』のハリウッド版リメイク。


監督は、『クローバーフィールド/HAKAISHA』を監督したマット・リーヴスだし、不思議な少女”アビー”役には『キックアス』の「ヒットガール」役でお馴染み”クロエ・グレース・モレッツ”だし、ヘタレな男の子”オーウェン”役に映画『ザ・ロード』で”ヴィーゴ・モーテンセン”さまの息子役で光る演技を見せた”コディ・スミット=マクフィー”だしということで、けっこういいキャスティングなのでかなり期待大。


なのだが、んだが、なんだけど、、、やはりリメイクはリメイク。
なかなかオリジナルには勝てないんだな、コレが。

悲しいかな、どうしてもオリジナルの足らない部分の補足に回ってしまっているような気がする。


オリジナルの方は、少女と少年の心を通わす描き方がとてもすばらしく、、、アレはオリジナルキャストの”カーレ・ヘーデブラント”と”リーナ・レアンデション”の、おそらく『地』なんだろうな─。


もちろん、本キャストの”クロエ”と”コディ”の演技力でカヴァーできそうな気もするのだが、”切なさ”というか、、、あの何とも言えない感じを、国柄なのか残念ながら表現しきれていない。

どうしてもオリジナルとほぼ一緒のリメイクとなると、それ以上のものを要求してしまうというのはヒトの本心。


まあ、オリジナルを観ていないヒトにとってはコチラがオリジナルなワケで、コレはコレでいい作品なので、ぜひ”クロエ”のキュートな演技も観に行ってほしい。

あとは、オリジナル版と観くらべるというのもひとつの見方かな。


ジャンル的には”ホラー”となってしまっているけれど、コレはまぎれもなく”恋愛モノ”。

子どもながらに人生の大決断をした、恋する男の子の切ない物語なのである。


ちなみに原題の”LET ME IN”の意味が最初はわからなったのだが、「にゃるほど、そういうことだったのね!」という感じで、個人的には邦題よりも原題の方があっているような気がして、好きかも。






2011年8月5日より、TOHO シネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

『モールス』




監督:マット・リーヴス

出演:クロエ・グレース・モレッツ/コディ・スミット=マクフィー/リチャード・ジェンキンス/イライアス・コティーズ


配給:アスミック・エース


公式HP:http://morse-movie.com/



Photo by Saeed Adyani
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