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ブラインドからのぞき見た世の中 : September 15, 2011 @ 15:48

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.48『デモでもどうですか?』



震災から6ヶ月、福島第一原発事故からも6ヶ月。


最近は、震災と原発事故は切り離して考えた方がいいのかななんて、、、思っています。
震災は自然災害だし、原発事故は人災だからなんですからね。


半年経って、日本の政界は何が正解なのかまったく分からない”カオス”状態になりはじめています。
「正心誠意の政治」と所信表明で説いた平成の誠”意”大将軍こと野田佳彦首相。

これまでにどれほどの政治家がそのコトバを口にしてきたのか、想像もつきません。
しかし、残念なことに彼に任せるしかない状況なワケです。

とはいえ、さっそく経産省大臣に任命した鉢呂吉雄氏が早々に辞任。
辞任の理由に関してはさまざまな憶測が飛び交っていますが、理由は何であれ自ら辞めてしまった時点でダメですね。
「ヤリマス!」といったら、最後までやってほしいものです。

そして、つぎに経産省大臣に決まったのが元官房長官の枝野氏。
いろんな意味ですでにぼんやりしはじめていますが、まずは期待するしかないですね。


しかし、政府内がここ2〜3年でコロコロと変わるのもどんなもんでしょう。
これほど簡単に変われるなら、原発問題も民意で変えられるはずなんですけれど。
コレがなかなか簡単ではない。


先日、9月11日には全国各地で大規模な『反原発デモ』が行われていました。
新宿では主催者発表で4000人、警察発表では2000人となんだかよく分からない差が生じていますが、とにかく大規模な感じでした。


しかも、今回のデモでは、逮捕者がなんと!?異例の12人。
それもどうもよく分からない理由のようです。

警察の発表では”公務執行妨害”とのことでしたが、
さまざまなメディア(とくにネットメディア)を見る限りでは、違う意図を感ぜざるを得ない様子でした。

IWJの岩上安身氏は、とある逮捕者にインタビューをしていましたが、そちらもどうも理由がはっきりしない。


これではデモ自体が”危険なもの”だというイメージがついてしまいます。
もちろん、それも誰かの意図的なものなのかもしれないですが。。。


先日の9.11デモ後の集まりで作家の柄谷行人氏は「デモこそが、日本を変える唯一の方法だ」と言っていました。
「戦後の日本人は自由を”与えられた”民族なので、デモで権利を勝ち取るという行為の感覚が乏しくなっている」と。
じつはコレ、ワタクシも思っていたことなんですよね。

戦後の日本にいま普通にある、選挙権だのの権利は、敗戦国であるがゆえに実験的に与えられたもので、残念ながら自分たちの手で勝ち取ってものではありません。


自分も含めてですが、おそらく日本人はあまりデモの感覚がないと思います。
かるーく「デモに行こうぜ!」とか言われたこともないですから。

60代、70代の方を除いては、おそらくみなさんもないと思います。
60年代、70年代の学生運動の”流れ”は立ち消えという感じなんでしょうね。

今回の逮捕劇を見ていると、どうもデモ対策というものがしっかりとできているんだと思います。
それのお陰なのか、平穏でのほほんと生きていられたのも事実ではありますが。。。

とはいえ、政府が間違った方向に向かったときに、われわれはどのように主張すべきなのでしょうか?
そういった主張に対して「非国民だ!」と捉えられていた戦前の日本に舞い戻っているような雰囲気を今回は感じましたね。


ちなみに、デモをやる上での形としては、ちょっと良くなかったのかもしれないです。
逮捕者を出すことは望むことではないので、主催者の方にはぜひデモの手引き的チラシを配るなりして、デモ初心者が気持ちよくデモに参加できるような方法を取っていただきたいものですよね。

これに関しては、ツイッター上でもさまざまな人が似たような意見をかわしていたのを拝見しました。


デモは我々の生活を変える手段の”ひとつ”であることは確かです。
(個人的には、それだけではないと思っているので、手段の”ひとつ”と今回は表現しておきますが。。。)
であれば、そのデモに参加しやすい形をとるというのも、デモの間口を広げるひとつの方法であると思いますね。


そういえば、2011年9月19日に明治公園で大江健三郎氏や山本太郎氏が参加する「さようなら原発 5万人集会」が開かれるとのこと。
デモが苦手という方は、そちらの方へ行くというのもひとつの手ですね。


しかし、今回の一連の原発問題。
鉢呂氏辞任問題といい、なんとも不可解な部分がおおいです。

やはり、「曇りなき眼で見定め、決める」ということが、本当に必要になった時代になってきたんでしょうね。


とはいえ、
暑い、いや熱い夏はまだまだつづくのです。


山下達郎&竹内まりや「Summer Vacation」




旅路 良



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