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ブラインドからのぞき見た世の中 : September 29, 2011 @ 14:15

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.49『基地街か、基地外か』



どうも震災関連のニュースで霧に包まれがちなのが、沖縄県の米軍普天間基地移設問題。


先日、仲井真 弘多沖縄県知事がワシントンで講演した際に、辺野古移設は「もう無理」と言い切ったらしいですね。
しかし、日本政府の意向としては、移設計画を「推進する」と米政府に伝えたとのこと。
なんなんでしょうね、この意志のズレは。


野田首相なんて「普天間の固定化を回避する」と国会で発言して、
仲井真知事に「首相が『固定化』なんて言ってはだめだ」とダメ出しをされていましたが、
完全に意識レベルの違いなんでしょうね。
まさに、この発言自体が松沢呉一さんのメルマガで紹介していた「みんなが思う日本地図」の通りのような気がします。
http://p.tl/8c1O

どじょう新内閣には、しっかりやってほしいモノです。


先日、取材も兼ねて沖縄へ行ってきたのですが、
ニュースの中心は、震災問題や原発問題ではなく、やはり米軍基地問題。

じつは、沖縄県内を回っているときに国頭村・安波地区近辺を通ったのですが、
「国頭村・安波、ハリアー基地建設阻止」ののぼりや立て札とともに、
10数人の人々が座り込みにちかい反基地運動を国道70号線沿いで行っておりました。
急に通ったので、写真も何も撮れませんでしたが、
こういった草の根運動的なことが行われているにもかかわらず、
全国的にはなかなか報道されないんですよね。


ちなみに米軍基地問題というのは、沖縄の人たちだけの問題ではなく、
日本という国全体の問題です。
基地を沖縄から出すなら、どこか日本国内の別の場所に移動させないといけないワケですから、
それが東京のお台場であっても、福島原発付近であってもいいワケです。
どうもそれを意識できていない人がどうも多いような気がしますね、どじょう内閣含めですけれど。

にしても、嘉手納基地周辺は、夜中も相変わらず大型機の離発着や、戦闘機の訓練などで騒々しかったですよ。
あの近くには住みたいとは思わないですね。


まあ、沖縄に行った話は、また別の機会にするとして。。。

個人的には、沖縄の米軍基地の存在には反対ではあります。

とはいえ、沖縄からすぐに米軍基地なくなったとしたら、
基地によって生活が成り立っていた人々は困るワケで、
米軍基地があることによって経済的に潤っている地域ももちろんあります。
まさにいまの原発事情と一緒の状況なんです。

ただ、意志表示はしていかないといけないので、
仲井真知事のように「反対である」ということは唱えていくべきであると思いますよ。


しかし、事態はなかなか一筋縄ではいかなそうですよね。

それはすでに古い”しきたり”となってしまっている『安保』自体の見直しからやっていかないといけないんじゃないかと思いますよ。
どうしても、それに沿った頭になってしまっているので、
「基地があるのが”当然”だから、どこかに作らないといけない」という考えから離れられないんでしょう。
だから”固定化”なんてコトバが出て来るワケです。

まずは、その考えから捨てて、またあらたにアメリカと手を組めばいいじゃないですか。
でないと、この国はいつまでも敗戦国のままでしかないです。


新内閣のアメリカとの外交に関して期待することは、まずはそこですよね。
というか、毎回内閣が変わるごとに期待しているんですけれど、
なかなかいい方向には向かわないのが残念でなりません。


ぜひとも、今回こそはジャイアン的なアメリカの外交に立ち向かってほしいと思いましたが、
やはりどじょうには無理なのでしょうかね。

みなさんはどう考えますか?



アン・ルイス「ALONE IN THE DARK」



旅路 良



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