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Movie Life : December 27, 2011 @ 20:25

MOVIE LIFE 076 『サラの鍵』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画と過去に見たDVDなどを中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)





MOVIE LIFE 076 『サラの鍵(原題:ELLE S’APPELAIT SARAH)』



ただ、伝えたい。
決してあなたを忘れはしないと。



□ストーリー

1942年、ナチス占領下のパリで行われたユダヤ人迫害。

それから60年後、ジャーナリストのジュリアは、アウシュビッツに送られた家族について取材するうちに、収容所から逃亡した少女サラについての秘密を知る。

サラが自分の弟を守ろうと、納戸に鍵をかけて弟を隠したこと。


そして、そのアパートは現在のジュリアのアパートだったこと。


時を超え、明らかになった悲しい真実がジュリアの運命を変えていく―。





□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)


フランスから、第二次大戦下にパリで実際に起こった事件、”史上最大のユダヤ人一斉検挙”をもとに作られた”悲しい物語”が登場。


じつはまったくおなじ題材をあつかったのが”ローズ・ボシュ”監督の映画『黄色い星の子どもたち』。


『サラの鍵』は回想的な話なので、『黄色い星の子どもたち』の方が若干内容にリアル感がある。

前情報として『黄色い星の子どもたち』を観てからの方が、なんとなく時代背景や、時代の流れがよりよく分かるので、両方観ることをおススメ。


ちなみに、この”史上最大のユダヤ人一斉検挙”というのは、『ヴェル・ディヴ事件』と呼ばれているもので、1942年7月16日、ナチス占領下のフランスでユダヤ人約1万3000人が味方であるはずのフランス警察に検挙されドイツの強制収容所に送られた『ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件』のこと。


どこの国にもイヤな時代、イヤな過去はあって、でもそれを見つめなおすことでより良い国に育っていくんだと思う。


日本の戦争映画に関していえば、どうも”愛と感動の物語”とか、そんな感じのモノに仕立てあげているものが多くて、戦争の恐ろしさ、悲しさを伝えるというよりは、ちょっとちがうものになってしまっているのが現状だ。

ぶっちゃけNHKの戦争ドキュメンタリー番組の方が出来がよくて、そっちを観た方がためになる。

そこがなんか残念だな。

若松監督作品は、さすがのリアル感だけど。


しかし、主演の”クリスティン・スコット・トーマス”は、キレイすぎて50代には見えないな。


観終わったあと、おもわず自分のルーツについてもちょっと知りたくなった。


と、映画とはまったく関係のないことばかり書いてしまったが、とにかく、こんなヒドいこと、時代が二度と訪れないことを願う、そんな作品だ。









2011年12月17日より、銀座テアトルシネマほか全国ロードショー

『サラの鍵』




監督:ジル・パケ=ブレネール

出演:クリスティン・スコット・トーマス/メリュジーヌ・マヤンス/ニエル・アレストリュプ/エイダン・クイン

配給:ギャガ


公式サイト:http://www.sara.gaga.ne.jp/



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