ブラインドからのぞき見た世の中 : April 26, 2012 @ 14:21
ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.63『権利は権力に勝てるか』
先日、ひさびさに職業質問、いわゆる職質を受けました。
ひさびさにというくらいなので、以前はけっこうな割合で受けていたワタクシ。
女性の方はあまり経験がないかもしれないですが、音楽系やファッション系の、いわゆるスーツ業じゃない男性は一度は経験があるのではないでしょうか。
ワタクシのまわりでもけっこう職質を受けているオトコ友達は多いです。
もしかしたら、ワタクシのまわりだけなのかもですがw。
しかし、なぜかここ4年くらいはなかったのですよ。
とはいえ、別にやましいことは何もない(少しはあるかもですがw)ですし、特に法律を犯すような”ブツ”を持っているワケでもないので、つねにすべて協力的に”お調べ”を受けてきました。
もちろん、いままでも何も無かったワケですけれどね。
さて先日、東京都の東方面にある某社への打ち合わせに行った際のこと。
平日の夕方ちかく。
某駅前のロータリーにて、一緒に打ち合わせに参加する人と待ち合わせをしていたところ、ふたりの警官が寄ってきました。
片方の先輩っぽい警官Aが
「職業質問なんですけれど、ちょっといい?」
と話しかけてきたので、ワタクシは
「構わないですが、これから打ち合わせなので、あまり時間はないです」
と答えると、
「どこに?何の?」
と、返されたので、
「○○ (会社名)です。いま打ち合わせに一緒に行く人と待ち合わせてもう来ると電話があったのでココで待ち合わせしているんですよ。
その人はあと2〜3分くらいで来ますし、打ち合わせはあと10分くらいからなんですけれど、終わります?」
と聞いたところ。
「終わる、終わる」
と、すごくテキトーな返事をしながら、有無を言わさずカバンに手を伸ばし、中をゴソゴソと調べはじめました。
まあ、そこまではよかった、、、いやよくないですがまあ良しとして、ちょっと気になったので理由を聞いてみました。
「何でボクだったんですか?」
すると、先輩警官Aが、
「いや、キメキメだったからさー、おにいさん。スーツだったらしなかったんだけれど。。。」
と、なんだかヘラヘラしながら、カバンの中身を調べつづけています。
“え!?キメキメ??。。。何が?”
と思ったので、
「キメキメって、どういう意味ですか?」
と聞いたのですが、
「いや、刃物とかさ、いろいろ持っているヤツがいるからさ」
と、質問とはまったく別の答え。
時間もなかったので、それ以上は質問しなかったのですが、その後カバンの中身をすべて出され、ポケットの中まで全部調べられました。
そのうち、一緒に打ち合わせに行く人が、不安な様子で到着。
警官Aが、
「もうひとりあやしい人が来たけどw、ホントに打ち合わせだったんだ」とニヤニヤしながらひとこと。
その言動に思わず”ムカっ”としてしましました。
特に何もなかった様で(当たり前だけど)、中身がグジャグジャになったままカバンを渡され、
「中、グジャグジャになっちゃったけど、ゴメンネ!では」
と軽く敬礼をされ、ふたりは去っていきました。
後輩っぽい警官Bは、ひとことも話さず。
そのときは、一緒に打ち合わせに行く人もいたし、何よりも遅れてしまったので打ち合わせをする人に電話をしたりで、あまり気にしないようにしていたのですが、あとあと考えてみたら”すごく失礼だったなー”、と腹立たしくなってきました。
まず、「キメキメだったから」という理由。
たしかに、その土地にはあまりいないようなファッションをしていましたけれどね。
だからといって、特に派手な感じではなかったと思いますし、ファッション的には、ワタクシなんかよりもいろんな意味でキメキメの方もいた歩いていたワケですよ。
何よりもそんなクダラない理由のためにコチラは時間を取られ、待ち合わせた人にも心配を掛け、打ち合わせも遅れたワケです。
その5分ないし、10分という時間に、ワタクシに関わる人にまで迷惑がかかっているワケですから、もっとマシな理由を考えてほしかったですよ。
それに、その警官にはその時間の給料が出ますが、ワタクシにはその時間分のお金が出るワケではないですからね。
人の大事な時間を何だと思っているのか。”キメキメ”の人は予定も何もなく、時間があり余っているとでもお思いなんでしょうか。
あと、スーツを着ていれば質問はしなかったという点。
スーツは別に国民服でも、着ることが義務でもないので、スーツ着ていないからというのは理由にならないですよ。
ちなみにその日のカッコウは、黒いハーフコートを着ていたので、その下がジャケットかどうかも分からない状態。
まあ、コートの下が全裸だったら、さすがのワタクシでもマズかったと思いますけれどね。
とはいえ、公序良俗に反するカッコウで無いかぎりは、とりあえずは服装の自由は認められているハズです。
なんなんだ、そりゃ。
ココは、北○鮮か。
最後に、「ゴメンネ!」ではなく、「すみませんでした、ありがとうございました」なんじゃないですかね。
人の大事な時間を半ば強制的に取り上げたワケだし、カバンも打ち合わせの資料もグチャグチャになっていたし、それに友達じゃないし。
今回の打ち合わせは、たまたま昔からお付き合いのある会社だったというのと、待ち合わせていた人も普通に呑んだりする付き合いのある人だったので、あまり心配はなかったワケですが、コレが待ち合わせていた人が初めての人でそんな場面に遭遇したら、その人はワタクシと一緒に仕事したいと思うでしょうか?また、初めて伺う会社だったら?
などなど、あとからいろいろと考えると、腹が立ってきました。
たしかにその職質のお陰で、さまざまな犯罪行為が事前に見つかって、街の安全を守っていただいていることには感謝していますよ。
それにいまも福島県では、放射能まみれになりながら行方不明者を探索したり、立ち入り禁止区域の警備を昼夜問わず行ってくれている警官もいて、警察の方々には大変な感謝をし、敬意を払っているワケです。
でも、今回の件では、「ソレって、単なる権力の行使じゃないの?」とか、「職権乱用じゃないの?」とか、「やっぱり警察は市民を見下しているんダメだな」と思わざるを得ないですよ。
まあ、言ってしまえば、その人自体の人としての問題なのかもしれませんが、でも警官の職務中なワケですから、そこら辺はキチンとしてほしいものです。
コチラは別に協力を拒んでいるワケではないのですから、それに応えるような誠意をもった対応をして欲しかっただけなんですけれどね。
ムダというコトバは好きですが、今回に限っていえばすごく時間をムダにされた気分、むしろ屈辱的な気分を味わった気分でした。
職業質問は一応、任意とはいえ、断れるワケでもなく、ほぼほぼ強制的です。
でも、次からはキチンと理由を聞き、あまりに失礼だなと思えば断りたいと思いました。
それは別に反社会的な行動をとるという意味ではなく、コチラもキチンと”任意で断ることができる”という”権利”を主張していかないと何も変わらないと思ったからです。
ソレは何においても一緒ですよね。
原発の再稼働もしかり、いま問題になりつつある風営法に関してもしかり。
コッチから変えていく所存で動かなければ、ただ潰されるだけになってしまう。
今回は、自分が自分でありつづけるための”権利”の主張の努力は惜しんではいけないんだなと、あらためて考えさせられた出来事でした。
みなさんはどう思われますか?
尾崎豊「僕が僕であるために」
旅路 良
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