Movie Life : June 27, 2012 @ 13:19
MOVIE LIFE 083 『きっと ここが帰る場所』
ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。
いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画と過去に見たDVDなどを中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。
(評価は5段階、☆の数で示されます)
MOVIE LIFE 083 『きっと ここが帰る場所(原題:THIS MUST BE THE PLACE)』
人生は美しさで満ちている
だけど、時々、何かが変だ──。
□ストーリー
シャイアンは、かつて絶大なる人気を誇った、ロック界のスーパースター。
しかし、なぜか、ある時を境に、一切表に出ない生活を送るようになった。
広大な邸宅で、消防士として働く妻とハイアライというゲームを楽しむだけ。つき合う相手は、近所に住むシャイアン オタクのロック少女メアリーと、風采が上がらないのに女性にモテるジェフリーたち。
しかし、そんな平穏な生活を送るシャイアンに、故郷アメリカから「父危篤」の知らせが舞い込む。飛ぶのが嫌いなシャイアンは船でニューヨークへと向かうが、時すでに遅し。
生前の父には会うこと叶わず、ただ亡骸の腕に刻まれた、ナチ収容所時代の番号を指でなぞるだけだった。
30年も会わなかった父は、シャイアンの知らない宿望を持っていた。それは、かつてナチSS隊員であったアロイス・ランゲを追い詰めることだった。
いつの間にか、シャイアンはランゲを求めて、アメリカ横断の旅に出ているのであった──。
□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)
イタリアの奇才”パオロ・ソレンティーノ”監督による、初の英語作品。
08年にカンヌ映画祭で審査員賞を受賞した前作『イル・ディーヴォ(Il divo)』の緊張感とはうって変わり、コチラはノホホンとしながら、自分の人生をあらためて問いただすロードムービー。
シャイアン演じる”ショーン・ペン”のロックスターぶりが、似合い過ぎて、いやそのもの過ぎてちょっとコワイ感じもするが。。。
成功者として、巨万の富を得て、何の不自由もないシャイアンが一番に恐れたのは、誰もが一度は経験する”ぼんやりとした不安”。
“芥川龍之介”はその”ぼんやりとした不安”におしつぶされ、”村井秀夫”は「”カモメのジョナサン”になった気分だ」と言ってオウム真理教に入信、新卒の大学生が就職先がなくこの先の人生の不安感から自殺者が増加している社会状況など、現代社会においてもっとも恐ろしいのは、じつは自分の中の”闇”、自分自身なのだ。
その”闇”を克服するために、シャイアンがとった行動とは。。。
100人いれば、もちろんすくなくとも100通りの解決法があるワケだが、その方法ひとつとしてぜひ参考に。
いや、参考にならないカモだけど。。。
音楽は、出演もしちゃっている「トーキング・ヘッズ」の”デイビッド・バーン”が担当。
映画同様、ダラっとした感じがとても心地良い。
しかし、最近、☆5つが多すぎて、「コレ、ホントは広告なんじゃないの?」なーんて思われてしまいそうだが、イイ映画はイイ!ということで、やっぱり今回も☆5つ。
自分の人生がすこしでもタイクツだと思ったら、だまってコレを観るベシ!
2012年6月30日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマライズ他全国ロードショーほか全国ロードショー
『きっと ここが帰る場所』
監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:ショーン・ペン/フランシス・マクドーマンド/ジャド・ハーシュ/イヴ・ヒューソン/ケリー・コンドン/ハリー・ディーン・スタントン/ジョイス・ヴァン・パタン/デイヴィッド・バーン
配給:スターサンズ/セテラ・インターナショナル
公式サイト:http://www.kittokoko.com/
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