ブラインドからのぞき見た世の中 : August 8, 2012 @ 23:37
ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.70 『風化と封化』
2012年8月15日で、太平洋戦争終戦から67年目を迎えます。
ちなみに、
2012年8月6日8時15分が、ヒロシマ 原爆の日。
2012年8月9日11時2分が、ナガサキ 原爆の日。
どれも忘れてはいけない、いわゆる風化させてはいけない日です。
風化させない──とは、”故(ふるき)を温(たず)ねて、新(あたら)しきを知(し)る”、まさに「温故知新」なんですよ。
それが、単なる歴史の一部となってしまうと、恐らくヒトビトは考えることすらしなくなってしまいます。
どんな戦争でも、結果的には原爆のような悲劇の結果を生み出してしまう可能性があることを、いまいちど考える機会を与えるための”終戦の日”の制定なワケですよ。
そこら辺は、日本人はきちんと、67年間も教育されているから、憲法9条や沖縄基地問題、あと海外への自衛隊派遣などの、戦争ゴトに関してはいい意味でナーバスになっているんだと思います。
しかし、それが原発事故においては、まあまったくもって鈍感ですな。
もちろん、過剰反応している人もおおいのは確かですけれど。。。
先日、ついに発表された事故当時における、東電本店と福島第一/第二原発間の社内テレビ会議のやり取り映像。
ちなみに、このテレビ会議映像の存在が明らかになったのは、事故発生から1年経った今年3月らしいです。
当初は、一切の公開を拒んでいたとのこと。
今回、提供された映像は発生後、2011年3月11日から2011年3月16日までの4日間に限定。しかも、一般社員のプライバシー保護などを理由に1665カ所にわたり音声を消去し、映像のぼかしも29カ所におよんだ、編集済の150時間分のみ。
って、なんだか絵に書いたような隠蔽を見せつけられている気分になってしまいますよね。
もちろん、隠蔽的な”何か”はないとは思いますが、残念ながらそう思われてしまっても仕方がないと思います。
さらに東電が公開するにあたって当初示した案は、公開は2012年8月6日からの5日間(計約30時間)で、メディア各社ひとりに限定という、よくわからない脅しのような厳しい条件付き。
どこかの社説にも書いてありましたが、「検証はお断りです!」と言っているようにしか思えないです。
いやいや、じゃあ何のための公開なんだと、普通は思いますよね。
映画じゃないんだから。
そんな不信だらけの今回の映像公開。
大手メディア各社、そして日本新聞協会までもが、”情報の公共性に欠ける”と、さすがに東電のその対応に厳しく批判的な社説を書いていました。
本当ならいちばん透明にしないといけない部分がまったくもって不透明なんて、、、これでは事故を風化させようとして、「臭いものにフタ」的なまさに”封化”させようとしているようにしか思えないですよね。
政府も政府で、東電側にしっかり指導すべきなんじゃないでしょうか。公的資金まで投入しているワケですから。
それに原発事故調査委員会をつくって、どこに責任があるのかを、最終じゃないのに最終報告書までつくって提出されたハズ。
にも関わらず、コレッてどういうことですかね。
調査委員会に必要な映像は提出されなかったということ??
あれだけの予算と時間を使って出来上がったのは、なんの報告書だったのかも疑問に思えてきました。
なんだかすべておかしいですよ、ホント。
東電と政府には、もっと真摯に原発事故に向き合っていただきたいと思った今回の件。
みなさんはどう思いましたか?
植木 等「馬鹿は死んでも直らない」
旅路 良
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