Interview : October 17, 2012 @ 16:13
“akiko”インタビュー──ニューオリンズにて(前編)
ジャズシンガーの”akiko”が、新作アルバム『黒い瞳/Dark Eyes』をリリース。
コチラは、日本がほこる最強のスカバンド『スカフレイムス』の”大川 毅”氏プロデュース。
しかも、全曲ニューオリンズで録音され、地元ミュージシャンたちがバンドに参加しているので、音は間違いなく本場のニューオリンズサウンドなのだ。
このアルバムについてのインタビューは他媒体さんの記事をご覧いただくとして、本誌では今回、”akiko”自身が撮ったニューオリンズの写真とともに、街の雰囲気や街での生活など、彼女が感じたニューオリンズにについて、いろいろとお訊きしてみた。
─さてさて、今作『黒い瞳』はニューオリンズでのレコーディングということで、ニューオリンズについていろいろとお話を教えてくださいな。
まずはこの写真、何の写真?
akiko:これはスタジオのキッチン。
スタジオの持ち主でエンジニアの”マーク・ビンガム”さんが料理好きで、ミュージシャンとかスタッフに料理をつくってくれるんですよ。彼は、けっこう日本人のアーティストとかもやっているエンジニアの方で、”アン・サリー”さんとか、”BLACK BOTTOM BRASS BAND”とか、”YMO”の初期の作品もやっていた人みたい。
最初は、ミュージシャンのなかでベジタリアンとか、そういう人たちにつくってあげていたんだけれど、それがとてもおいしそうだったので「お金払うから、マークさんの料理をたべたい!」っていったら、「お金はいらないよ!」って、食べさせてくれたの。
ニューオリンズの料理って、毎日外食がつづくとやっぱり胃が疲れちゃうのね。
─どういう料理が多いの?
akiko:地元の料理は、ザリガニとワニ料理などかな。
この写真の左上の料理の左は普通の海老だけれど、右はザリガニで、かなりスパイシーな味付けの料理。
右下はワニのソーセージ。
あと有名なのは写真には写っていないけれど、ガンボというスープかな。
─どちらかというと揚げ物が多い?
akiko:そうそう。
─ガンボは豆のスープ?
akiko:豆じゃなくて、いろいろなモノが入っているんだよね。
ココは「フレンチ・マーケット」という、食べ物屋さんとか、お土産屋さんとかある街の中心部で、観光客がたくさん来る場所。
写真のメニューの”DIRTY RICE”ってすごい名前だよね(笑)。あとは”ジャンバラヤ”とか”POBOY”。”POBOY”は、わたしもよく食べていたんだけれど、いわゆるホットドックみたいな、ドックの中がソーセージじゃなくて肉だったり、シーフードだったり、そういうもの。もともとは”POORBOY(貧乏な少年)”から来ているらしく、貧乏な子がよく食べていた安い食べ物だからという意味。
それと、”ALLIGATOR SAUSAGE”って書いてあるでしょ。
─やはりワニ料理が多いんだね。
akiko:そうね。
─湿地帯があるからだね。
akiko:このカフェは「カフェ デ モンド」といって、アメリカに出来たはじめてのコーヒー屋さん。
ココに「ベニエ」という、ドーナッツみたいな揚げパンに、すごく砂糖がのっているお菓子があって、それがニューオリンズで名物なの。
─白い砂糖?
akiko:そう。
みんなが食べているから、テーブルとか床とかそこら辺が砂糖だらけ(笑)。
─このオジさん像は?
akiko:これは”ルイ・アームストロング”の像。
「ルイ・アームストロング公園」というのがあって、その公園の中にこれがあるの。
─一番上の写真はドコ?
akiko:「フレンチ・クオーター」という地区ね。
─街全体が、こういう感じでテラス付きの建物になっているの?
akiko:だいたいなっているかな。
「フレンチ・クオーター」はとくにそう。
─町並みもすごいけれど、空の色もスゴいね。
akiko:ココら辺はむかし、売春宿とかで、こういうテラスに女の人が立っていたりしていたみたい。
─なるほど。
akiko:これはChai-Chii Sistersのふたりと教会の前で撮ったモノ。
日曜日の礼拝のときに、バンドのべ―スの人がこの教会でゴスペルのライブをやるからって、誘われたので行ったんだけれど、、、ゴスペルってすごいの!
牧師さんの説教もある種の陶酔的というか、中には泣いたり、叫び合ったりして、みんな興奮して、そういう感じ。
─ちょっとブードゥー教的な感じもあるのかな?
akiko:よくわからないけど共通する部分はあるのかもね。
そういえば街中でもブードゥーの小さい教会とかよく見かけたしね。
これはビーズで、実際にはいろいろな色のビーズがあるんだけれど。なんの意味があるのか分からないんだけれど、これをさっきのテラスから外に投げるの。だから、こんな感じでビーズが、すごく一杯あるんだけれど、この日は緑のビーズがたくさん。
この日は、聖パトリックで、みんなで緑色の格好をしていたんだよ。
─ホントに緑だね(笑)
akiko:道とかも緑のビーズだらけ。
しかも、ビーズだけじゃなくていろいろなものを投げるのね、キャベツとか。
─緑色のもの?
akiko:そう。
─これはパレードの写真?
akiko:わたし、むかしニューヨークの聖パトリックのパレードを見たんだけれど、
ビーズを投げたりはしなかったから、ニューオリンズはちょっと独特なのかもしれない。
コチラは地元の看板屋さん。
わたしたちがパレードを見たところら辺は、フレンチ・クオーターからはちょっと離れていて、アーティストとかすごく住んでいるところ。だから、絵を描いたりする、人のお店とか、洋服屋さんとか多いの。
ちなみに、私の今回のジャケットの「akiko」って文字を描いてくれた人も、こことは別だけれど、そういう看板をひとりで描いている女の人で、大川さんがそのヒトに、20年代のテキストのスタイルでakikoという文字をデコラティブな感じで描いてほしいって伝えて描いてもらったのね。
─アレはそうだったんだ。
(後編へつづく)
akiko
『黒い瞳/Dark Eyes』
価格:¥ 2,500(税込)
レーベル:ability muse records(POCS-1065)
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□akiko プロフィール
2001年、ユニバーサル ミュージック グループ傘下の名門ジャズ・レーベル『ヴァーヴ・レコード』より初の日本人女性シンガーとして契約。フランスの名プロデューサー”アンリ・ルノー”のプロデュースのもとパリにてレコーディングし、同年6月、アルバム『ガール・トーク』で華々しくデビューを果たす。
次世代ジャズシンガーとして「ジャズ・ビューティー進化系」と評され、一躍話題に。
その後もジャズというジャンルに捕われず、アルバム毎に違ったスタイルを次々と提案していく様が注目を集める。
彼女の音楽のみならず、ライフスタイルやファッションなど、発信する全てに注目を集めるヴォーカリストのひとり。
オフィシャルサイト:http://akiko-jazz.com/
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