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tokyo feature : March 11, 2013 @ 16:16

トーキョーシティポップス Vol.02──The Same old same old



アナタのデスクトップライフを、ちょっとだけ楽しくするサウンドデザイン「トーキョーシティポップス」。


架空のコンピレーションアルバム『Japanese Soul for Tokyo City Pops』を、その月のテーマをもって選曲し、お贈りていきます。


2013年3月のテーマは、”いつも通り(The Same old same old)”。

2011.3.11から、2年目をむかえた今日。

街は、”いつも通り”、、、のハズなんですが。。。


日本のシティポップスを中心に選曲した、ハイセンスなコンピレーション。

どうぞお楽しみください。




March『Japanese Soul for Tokyo City Pops -March-』





01.「100ワットの恋人」鈴木茂&ハックルバック
『イエローマジックカーニバル』

1975年に発表された”鈴木 茂”の1stソロアルバム『BAND WAGON』に収録された「100ワットの恋人」。
コチラは、1980年にリリースされた”ティン・パン・アレー”の編集盤『イエローマジックカーニバル』に収録されている、小林克也のDJ入りバージョンです。
オリジナルよりもコチラの方が、洋楽感タップリなのと、DJが入ることでラジオっぽさがとてもたまらない感じになっています。
ちなみに”ハックルバック”は、キーボードに”佐藤 博”、ベースに”田中章弘”、ドラムスに”林 敏明”という3人。この後は、残念ながらどうも自然消滅してしまったようです。
このバージョンは、1996年に発売された『PANAM』レーベルのオムニバス企画盤『CARAMEL PAPA』にも、収録されています。


02. 「恋をするなら」稲村一志と第一巻第百章
『Free Flight』

“稲村一志”は、札幌を中心に活躍しているフォークロックのアーティスト。
1977年に『トリオレコード』からリリースされた、このセカンドアルバムは、全体的に”シュガーベイブ”のようなソフトロックテイストのシティポップ感が満載です。
とくにこの「恋をするなら」は、イントロのギターのカッティングや軽快なベース、さわやかなコーラス、ナイスなメロディ、そのドコをとってもシティポップ。
春っぽい感じがとてもいいのですが、ジャケットのは夜の雪の街。そのギャップもまた、いい感じですよね。
現在は、CD化されているので、さがせば手に入るかと。。。


03. 「あの頃のまま」ブレッド & バター
『Late Late Summer』


茅ヶ崎のフォークドュオ”ブレッド&バター”の1979年の名曲。
細野晴臣や松任谷正隆、坂本龍一、小原礼、林立夫、高橋幸宏、 鈴木茂、浜口茂外也など、そうそうたるメンバーが参加したアルバム『Late Late Summer』に収録されています。
作詞と作曲は呉田軽穂(くれたかるほ)、コレは荒井(松任谷)由実の別名儀。そしてアレンジは、松任谷正隆。
まさに夫婦プロデュースということですね。
レゲエ調のロービートに、ストリングス、ピアノと、曲全体のアレンジがとてもうつくしい。
もうすこしレゲエビート強めのバージョンもあるのですが、こちらの方が個人的には好きです。
“変わらず夢を追う自分と、他愛無い夢を切り捨てた君”、親友”だった”ふたりの男のココロの交差点的な、心情についてうたわれています。40歳前後の男性にはこの歌詞がグッと沁みるかもですね。
最後の「人は自分を生きていくのだから」というフレーズが、なんとなく前向きな雰囲気を感じさせる、とてもすばらしい一曲です。


04. 「大人になれば」小沢健二
『球体の奏でる音楽』

1996年にリリースされたアルバム『球体の奏でる音楽』。
一世を風靡したポップサウンドの大名盤『LIFE』から一転、おちついたオトナなムードジャズ満載のサウンドを展開させたアルバムとなっています。渋谷系王子もオトナになってしまったんだなと、当時は思ったものでした。
なかでも、この曲は、”渋谷毅”のピアノと、川端民生のベース、そして木村”キムチ”誠のパーカッションと、小沢健二のボーカルだけ、というシンプルな曲のつくり。
“自分が大人になったときの想像図”的な歌詞が、40前の自分にはとてもいい感じにココロにひびいてきます。
ベースラインは、たぶん細野晴臣の「北京ダック」をオマージュしているのかなと、、、たぶんですが。
夜にお茶を飲みながら、ボーッと聴きたい一曲です。


05.「A cup of tea」竹内まりや
『Bon Appetit!』


2001年にリリースした、当時、自身としては9年ぶりとなった、”山下達郎”プロデュースのオリジナルアルバム。
ボッサなギターと、オトナなホーンセクションの組み合わせという、ミドルテンポなジャジーなアレンジが、とても心地いい、オトナな雰囲気の一曲です。
それと、竹内まりやさんのほんわかとした歌詞がとてもよく合います。
何ごともなく一日が終わり、寝る前に飲む一杯のダージリンティ。
そんないつも通りの一日って、じつはとても幸せなんですよね。
でも、カフェインで寝れなくなりますけれど。


06. 「喫茶アラジン」奇妙礼太郎トラベルスイング楽団
『桜富士山』


2012年にリリースされた”奇妙礼太郎トラベルスイング楽団”のアルバム『桜富士山』から。
コチラは、鍵盤の”パクシン”こと”文博信”による作詞、作曲。
彼女と別れてからのいつもの日常。
いつもの喫茶店でボーッと過ごすけれど、でも何かもの足りないという、なんとも男のなさけない部分を歌っています。
やさしいアコーディオンの音色、フレンチポップ調のアレンジと、奇妙くんの語りかけるようなボーカルがとてもいい感じです。さまざまなレビューには大阪流シャンソンという表現されていますが、むしろ下町フレンチポップという感じだとおもっていますけれどね。
ちなみに、「喫茶アラジン」は、実際にある喫茶店だそうです。


07. 「くだらないの中に」星野源
『くだらないの中に』


オルタナ系インストバンド”SAKEROCK”のリーダー、”星野 源”が2011年にソロでリリースしたシングル『くだらないの中に』から、そのタイトル曲。ただ、シングルながら5曲入りなので、ミニアルバムというべきですかね。
「くだらない中に大切なことがたくさんある」、そして「大切なモノは、やっぱり失ってから気づく」、そんな感じで、あらためて”大切なモノ”を気づかせてくれる歌詞がすばらしい、ギターバラードです。
彼は、とくに歌がうまいというワケではないのですが、曲のつくりが自分の声にあっているんでしょうね。
さびしげなメロディがココロにグッときます。
大切な日常を、なにげなくすごしガチなアナタに贈ります。


08. 「いつも通り」SUGAR BABE
『SONGS』


“山下達郎”を中心に結成されたバンド”SUGAR BABE”。
1975年に”大瀧詠一”のレーベル『ナイアガラ』からリリースされたファーストアルバム『SONGS』のなかから「いつも通り」を。
作詞、作曲、ボーカルは、ター坊こと”大貫妙子”。
何かがたりないハズなんだけれど、”街はいつもどおり”。そんな街のにぎやかさと、自分の心のさびしさの、ココロのギャップを歌っています。
ミドルテンポの小気味いいサザ—ンソウルサウンド全開で、ター坊のボーカルととてもマッチしています。またストリングスの感じが『PACIFIC』的な、南の島的な、『ナイアガラ』感があります。途中から入るサックスも最高です。
とにかく、曲全体のアレンジがすばらしい。
ちなみにこのアルバム、現在はシティポップの大名盤としてお馴染みですが、当時はまったく売れなかったとか。
80年代に入って山下達郎さんの「RIDE ON TIME」のブレイクでやっと注目されたという感じみたいです。
そういえば、”土岐麻子”さんもライブで、”大貫妙子”さんとふたりでカヴァーしていました。


09.「 空洞です」ゆらゆら帝国
『空洞です』


コチラは、2007年にリリースされた彼らのアルバム『空洞です』から。
2010年に惜しくも解散してしまった、”ゆらゆら帝国”。コレが、彼らの最後のアルバムとなってしまいました。
この曲は、”園子温”監督の映画『愛のむきだし』のテーマソングとしても使用されていたので、映画ファンにはお馴染みの曲かもしれませんね。
本来ならば街のどこにでもあったはずのムード、街からうしなわれてしまった”ムード”について歌っています。
まるで、いま現在の日本の状況を予想してつくったかのような、皮肉っぽい、風刺っぽい、スパイスの利いた歌詞が、とても好きです。
ダークな感じのベースからはじまるにもかかわらず、ボーカル部分から急に軽快なシティポップサウンドに変わるという流れも、とてもいい感じだと思います。


10. 「笑う花」モアリズム
『RHYTHM & BLUES』

西東京のブルース&ファンクバンド”モアリズム”。
彼らが、2008年にリリースしたファーストアルバム『RHYTHM & BLUES』から。
この曲は、”西川美和”監督の映画『ディアドクター』のエンディングテーマとして使用され、ちょっとだけ注目されていましたね。”ちょっとだけ”というの は、最近の日本では受け入れられずらいのか、どれだけいい曲であっても、なかなかブルースサウンドは盛り上がらないんです。
個人的には、こういったブルースは好きなんですけれどね。
とにかく、彼らの歌詞がいい。歌で遺言を書こうと思い立って生まれたとのこと。
「どんな道草にも花は咲く」、、、なんてうつくしいコトバなんでしょう。
自分の人生のなかでも「コレは!」と思えた、数すくないトップ10にはいる曲です。


11. 「登り坂」Emi Meyer
『PASSPORT』


2010年にリリースされた、”エミ・マイヤー”のセカンドアルバム『PASSPORT』から。
母親が日本人、父親はアメリカ人、京都生まれでシアトル育ちという彼女。
ほかのアルバムは、すべて英語でうたわれているのですが、このアルバムだけ日本語でうたっています。
「のぼり坂」というちょっと演歌っぽいタイトルですが、ミディアムバラードのシアトルサウンド。とても音色ゆたかなアレンジで、彼女の音楽的才能を感じさせてくれます。
不思議な発音ながら、ココロの琴線に触れる彼女のハスキーな歌声もとても心地いい。
そして、とにかく歌詞がグッと沁みます。
ギターに高田漣が参加していたり、アルバム全体的にとてもいいのでおススメです。


12. 「第8章 音楽 -貴女と夜と音楽と-」前田憲男とプレイボーイズ
『円楽のプレイボーイ講座 12章』

1969年にリリースしたコメディアルバムの名盤。
先代”三遊亭円楽”師匠がかたる「プレイボーイ論」、そしてそれにまつわる音楽(それもジャズのみ)を、12章、12曲で構成したアルバムです。
演奏は、日本を代表する音楽家の前田憲男。
コチラは、第8章で、テーマは「音楽」。
基本的には「音楽」についてなのですが、正確には”女と音楽の関係”と言った方があっているかもしれません。
師匠による男として好きになるべき音楽についてかたられたあとに、フェードインしてくるステキなジャズは「貴女と夜と音楽と」。原題は「You and The Night and The Music」、そのまんまですけれど。
1934年のミュージカル作品『リヴェンジ・ウィズ・ミュージック』で歌われたのがオリジナルだそう。歌ったのは、アメリカの歌手で女優の”ジュリー・ロンドン”。
“ビル・エヴァンス”もカヴァーしていたりで、ジャズのスタンダードナンバーとしてもお馴染みの曲です。
それにしても円楽師匠の最後のコトバ、「女のいる場合は、女の好む音楽を聴け」、、、正論ですね。


13. 「幸せハッピー」Double Famous + 二階堂和美
『細野晴臣 STRANGE SONG BOOK -Tribute To Haruomi Hosono 2-』


2008年にリリースされた、細野晴臣をトリビュートした2枚組のアルバム『細野晴臣 STRANGE SONG BOOK -Tribute To Haruomi Hosono 2-』からの一曲。
“2″ということなので、もちろん”1″もあります。
「幸せハッピー」は、忌野清志郎と細野晴臣、そして坂本冬美の3人がシャレでつくった音楽ユニット”HIS(ヒズ)”が、1991年にリリースしたシングル。
コチラは、”青柳拓次”や”栗原務”、”坂口修一郎”を中心とした、無国籍音楽のエスペラント楽団”Double Famous”によるカヴァーです。ボーカルには、二階堂和美が参加。
オリジナルは、盆踊りチックなビートのサウンドに、坂本冬美のコブシの利いたボーカルですが、コチラは沖縄音楽的なアレンジに、ハスキーでソウルフルな二階堂のボーカル。
個人的にはどちらも好きですが、ちょっと陽気な感じのアレンジの”Double Famous”バージョンをセレクトしてみました。


14. 「この街 〜Meet Again〜」JUNK FUJIYAMA
『Junkwave』


ポスト”山下達郎”(というと怒られるのかな?)と勝手に思っておりますが、若きシティポップの旗手”JUNK FUJIYAMA(ジャンクフジヤマ)”が、2011年にリリースしたアルバム『JUNKWAVE』から、自分の住む街についてうたったこの曲を。
アコースティックギターと、グルーヴの利いたメロウ、そして”JUNK”のソウルフルな声がとてもいい感じのサザーンソウルサウンドのナンバーです。
ドラムには、シティポップのドラマーといえばこの方、”村上“ポンタ”秀一”が参加しています。
日没後のオレンジ色の空のイメージが、容易に目に浮かぶ、すばらしい一曲です。


15. 「いつか」山下達郎
『RIDE ON TIME』


1980年にリリースされた5枚目のアルバム『RIDE ON TIME』。
達郎さんはこのアルバムに収録されている、タイトル曲「RIDE ON TIME」が初のヒットソング。
おぼえている方はおおいと思いますが、『maxell』カセットテープのCMに使用されていましたよね。
コチラは、CD用に再度マスタリングをしたリマスター盤。アナログバージョンより若干高音がつよいような気がします。
このなかから、「いつか」を。
彼が得意とするサザーンソウルテイストのミドルテンポに、野太いベース、ホーンセクション、吉田美奈子のコーラスワーク、そしてもちろん山下達郎のボーカル。
そのドレをとっても完璧なクオリティ。
うたがいようのない完璧で、アーバンな一曲です。
ちなみに、この曲は3.11の震災以降、ミライを感じる曲ということで、いまだにDJやラジオでよく流しています。




※選曲は、基本的にCDやダウンロードなどで入手できるものを中心としておりますが、廃盤などにより手に入らない場合がございます。
あらかじめご了承ねがいます。


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