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ブラインドからのぞき見た世の中 : March 18, 2013 @ 20:12

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.84『”のりしろ”のある復興』



アレから、2年が経ってしまいました。


まだ2年なのか、もう2年なのか。。。

個人的には”まだ2年”という感覚なんですけれどね。


被災地によっては、津波や放射背物質による被害が小さく、街の再生がだいぶはじまっているところもあるようです。
しかし、大半はやっとガレキをどけられたくらいで、あらたな津波対策や放射背物質の除染対策もなく、
まだまだコレからという状況でしょうね。

場所によっては、完全復旧すらむずかしいトコロもあるワケですよ。

とはいえ、じっさいにすべての被災地をまわってみてきたワケではありませんので、なんとも言えませんが。。。


最近、ちょっと気になっているのが、各メディアや、行政などがこぞって使用している「復興」というコトバ。


テレビやラジオをつけていたり、新聞やWEBなどのニュース、週刊誌の中づりなどをみていると、
一日5回以上は見たり、聞いたりします。

「今年の漢字は”復興”ですかね?」ってくらい、乱発、連発の嵐。

そして、ダレカレかまわず、「復興」がキーワード。

残念ながら、若干、too muchな、お腹いっぱいな感じになってきています。


もちろん、それが”生きる望み”というか、”希望”になっている方もいらっしゃるので、
一概にそのコトバが悪いとはいえませんよ。

でも、ちょっと疲れます。


もともと住まれていた方が、その場所にふたたび住めるようになるというコトは、すごく重要なコトですし、
被災地をふたたび”盛ん”にすることが、これからの日本経済再生には必要不可欠であることはたしかです。


たぶん、メディアなどが使用している「復興」というのは、むしろ町をもとの状態にもどすというコトなのかなと、
最近思っています。

それであれば、「復興」というよりは、町の「復元」とか、「回復」という言葉の方があっているような気がしていますね。
まあ、こんなことを書くと、「あげ足をとるな!」とか言われそうですけれど。。。

いまとなっては、自分も安易に使用していたことを反省しています。


それにしても、どうもその言葉が”足かせ”になってしまって、
あたらしいコトが生まれてこないような気がしているのは、ワタクシだけでしょうか。

そもそも「復興」とは、なんなんですかね?


コトバとしての意味は、「いったん衰えた物事が再び盛んになること」。

しかし、残念ながら、おそらく被災地の大半は、もともと”盛ん”だったワケではないですよね。

人口も減って、過疎化がすすんでいたりとか、町の財政難とか、破綻状態とか、そんな状態だったとおもいます。


国会や行政などでは、「復興」という名のもと、
被災地の雇用を増やすために会社機関を設立させるとかの政策やプロジェクトを発足させようと話し合われていますけれど、
そんな政策やプロジェクトとかは、じつは震災前から話し合われていたコトだったりします。

これが、70年代の高度成長期時代であれば、ぜんぜん問題ないプロジェクトだとおもうんですが、
あの景気上昇中の時代から40年以上経った2010年代。
おなじやり方でやったとして、はたして、それがホントに「復興」への足がかりとなるのでしょうか?

ちょっと疑問です。


ちなみにこれまでの歴史をみてみても、そういう政策事やプロジェクトはもともとあって、
盛り上がるのは一瞬だけで、10年後くらいには残念ながら結局もとの状態にもどってしまっている事例が多数あります。


個人的な意見としては、もっと若い世代がたのしめるようなナニかをした方がいいんじゃないですかね?

町にいても遊びもなければ、ブンカもない。

働き口だって、ただ働くためだけの雇用形態をつくったとしても、
残念ながら結局若い世代ははなれてしまいますよね。

ただでさえ過疎化がすすんでいるところに、税金つかってあたらしい建物を立てたりするだけでは、
「復興」つながるとはまったく思えないのですよ。


もちろん、自分の知るかぎりでの狭い範囲でしか話しを聞いたり、調べたりしかしていない状態ではありますが、
それにしても出てくる政策やプロジェクトを聞いても、
なんだかガチガチすぎて、”のりしろ”を感じないんですよね。

ワタクシが感じないということは、若い世代はもっと感じていないのではないでしょうか。


むしろ、その町に住んでいたり、もしくはその町出身、いやもしかしたらそことは関わりのない若い世代に意見を聞いてみるのがいいかもしれません。

そうしたら、もっと”のりしろ”のある、さまざまな意見が聞けるのではないでしょうか。

そういったプロジェクトを、若い世代に任せるというのもひとつの手ですよね。

自分で手掛けた町のプロジェクトであれば、彼らも責任をもって最後までやりますよ。

そっちの方が、すごくミライを感じます。


だから、もっと若い世代に耳をかたむけるべきだとおもいますがね、
みなさんはどうおもわれますか。


震災から2年目をむかえ、ちょっと苦言っぽい、グチっぽい感じとなってしまった今回のコラムですが、
それぞれの土地の「復興」を望んでいないワケではありませんので。

ま、もともとグチっぽいコラムですので、あしからず。


まだ2年ですから、これから長い道のりなワケです。
だから、もっと”のりしろ”のある「復興」を目指してほしいものですよね。


ま、それにしても次なる津波対策や除染対策をおこなってからの話しになりますけれど。


まずは、被災地に行ったことがない方は、この春休みにでも訪れてみてはいかがでしょうか?

もっとその場所を知ってもらったりすることで、いろいろと思うことが出てくるハズ。



SUGAR BABE「いつも通り」



旅路 良



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