ブラインドからのぞき見た世の中 : May 24, 2013 @ 12:59
ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.89『企業の罪と罰』
みなさんは、企業がナニか事件性の高い事故を起こした際、その責任を誰がどのように取るかご存知でしょうか?
じつは日本の法律では、企業という組織に関して刑法外だったりするんですよ。
つまり、犯罪をおかした企業でも、その企業自体には罪も罰もなく、
事件当時の社長なのか、その時の責任者なのか、いわゆる管理職の人間が罪に問われるというのが日本国憲法のあり方。
たとえば、107人が死亡したJR福知山線脱線事故。
JR西日本の前社長に、神戸地方裁判所が「無罪」の判決を下したというのが印象的な事件でしたが、
結局、前社長には注意程度、会社自体に罪は問えず、で終わってしまいました。
被害者の方々には、まったくもって理解不能で、なんとも残念でならない結果で、無念だったとおもいます。
わるく言えば、泣き寝入りですよね。
福知山線脱線事故はひとつの例ですが、たとえば水俣病のチッソなんかもそうです。
水俣病の説明についてはウィキっていただき、割愛させていただくとして、
88年に元社長と元工場長に懲役2年、執行猶予3年の有罪判決は出たものの、
企業自体の罪は問われず。
1956年からはじまった患者やご家族、関係者の方々の闘いは、50年以上経ったいまも関連裁判がつづいています。
さきの東京電力福島第一原発の事故においても、
罪を問われた?罪の確認をされたのは当時の社長やら管理職の人間が数人程度で、
会社自体は問われてないですね。
それも結局、証人喚問のみで終わったような。。。
もんじゅの再稼動準備禁止命令の話もそうです。
トップは変わっても体質は変わらないから、最終的におなじことをくりかえすんでしょうな。
またやったのか!ってことですよ。
では、なぜ組織は刑法外なのか。
その理由のひとつが「社会的責任の不明確さ」だそうです。
日本国憲法自体が自然人のみ、いわゆるヒト自体に適用を考えてつくられた法律なんですよ。
だから、あくまでも法人はヒトではないので、刑法外。
なんだか、まったくもってナットクいかない理由です。
では、企業自体に罪を問えるシステムがあったらどうなるのか。
組織罰の法律を導入しているのは、イギリス。
つまり、事件性の高い事故があった場合、もちろん個人の罪も問われるのでしょうが、
組織自体にも罪が問われる。
ヘタすると法廷が、会社を倒産させることだって可能なんですよね。
コレはいいなと思ったのが、それぞれの会社の社長、社員、関係者、、、みんなが安全管理への意識が高いということ。
「事故を起こしてはいけない!」という志しが、高いのです。
あたり前っちゃ、あたり前の話しなんですけれどね。
そのあたり前が出来ていないってのも、いまの日本の現状ですから。
ただ、もちろんこの法律にもいい面とわるい面がありますよ。
わるい面は、慎重になりすぎて、企業としてのチャレンジがしにくくなってしまっているらしいです。
つまり、失敗したときのリスクがでかすぎるということなんでしょうな。
うむー、たしかに技術などの発展に関しては、他の先進国に比べてちょっと出遅れてしまっているかも。
とはいっても、結局のところ「たまごが先か、にわとりが先か」の『たまにわ論』なワケですが。。。
ま、人間ですから、事故を起こしてしまうのは仕方が無い。
でも、事故を起こしても大丈夫なものと、ダメなものがありますからね。
やはり、事故に事件性があるのであれば、その企業自体、つまり組織として罪を問えた方がいいような気がします。
それがあれば、先の原発事故だって、その後のウヤムヤの部分がもっといい方向に変わっていたのかもしれない。
組織罰の導入。
ミライへの安心感にもつながるのではとワタクシは思えるのですが、
みなさんは、どう考えますか?
細野晴臣「放射能」
旅路 良
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