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Movie Life : September 11, 2013 @ 15:36

MOVIE LIFE 115『Miss ZOMBIE』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画を中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)





MOVIE LIFE 115『Miss ZOMBIE』




生きているのは私たち(人間)か、彼女(ZOMBIE)か?



□ストーリー

幸福な寺本家に、ある日、送られて来たおおきな荷物。


中には、「肉を与えるな」という取扱説明書と拳銃、そして檻の中には怯えた様子の若い女。

名は沙羅。


記憶と感情を失い、人間をおそうことのない種類のゾンビだった彼女。

その日から、沙羅は寺本家の下僕として働くことになる。


ある日、健一が過って溺死。

半狂乱となった妻の志津子は、健一をゾンビとして蘇らせるよう沙羅に懇願するが──。







□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)

『弾丸ランナー』の”SABU”監督が、なんと!ゾンビ映画を制作。

しかも、ものしずかで、よく働く、うつくしい、不思議なゾンビ映画。


ゾンビモノというと、どうしてもスプラッター要素の強いホラー的なものか、コメディ的なモノをどうしてもおもい浮かべてしまうが、この作品に関していえば、とくに笑える部分があるワケでもなく、むしろ笑えない。


たとえば、地元の子どもたちに石を投げられても、ヤンキー的なあんちゃんに肩にペンを刺されても、ナニも言わない(言えない?)ゾンビに対し、ソレに乗じてエスカレートしていくそれぞれの暴力のシーンなどは、異質なモノを受け入れず、バカにしたり、暴力をふるったり、排除しようとする、人間社会の排除主義というか、、、現代の”いじめ”の問題への啓示的なものを感じる。


そして、最終的には、人間みたいになったゾンビとゾンビみたいになった人間、結局ドッチが生きているのか?という葛藤というか、ヒト対ヒトというか、そんなビミョーな心情をうまく描いているところもみどころのひとつだ。


ゾンビ役には、”小松彩夏”。
過去の作品で、きゃぴきゃぴした役どころがおおかったこともあり、そんなイメージの彼女だったが、今作ではまったくもってそのイメージを一新。

そして脇役ながら、際立つのは妻役の”冨樫 真”。
やはりこの方、”静かなる狂気”を演じさせたら、世界一の女優だな。


カタチはゾンビ映画だが、この映画はむしろ人間関係の崩壊を描いた、シリアスなヒューマンドラマ。


こんな人間くさすぎるゾンビ映画があってもイイとおもう。






2013年9月14日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国ロードショー!

『Miss ZOMBIE』






監督・脚本・原案:SABU

出演:小松彩夏/冨樫真/大西利空/駿河太郎/芹澤興人/山内圭哉/手塚とおる


製作:熊澤芳紀/佐竹一美
プロデューサー:吉田憲一/宇田川寧

配給:ライブ・ビューイング・ジャパン


オフィシャルサイト:http://www.miss-zombie.com



©2013 Miss ZOMBIE Film Committee all rights reserved.


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