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tokyo feature : April 30, 2014 @ 15:53

トーキョーシティポップス Vol.15 ──start new days



アナタのデスクトップライフを、ちょっとだけ楽しくするサウンドデザイン「トーキョーシティポップス」。


日本のシティポップスを中心に選曲した、ハイセンスな架空のコンピレーションアルバム『Japanese Soul for Tokyo City Pops』を、その月のテーマをもって選曲し、お贈りしていきます。


2014年4月のテーマは、「新生活のはじまり」。


トーキョーの桜はすでに散ってしまいましたが、北国はコレから。

ま、北国の話はいいとして、春は出会いの季節。

さまざまなヒトと出会って、充実した人生をおくっていきたいものですね。


というコトで、この選曲を聴いて、”春風”を感じていただければ、コレ幸い。


どうぞ、あたらしい音楽との出会い”も”たのしんでください。






April『Japanese Soul for Tokyo City Pops Vol.15 -start new days-』






01. 「第1章 女」前田憲男とプレイボーイズ
『プレイボーイ講座12章』


1969年リリースのコチラ。
4月といえば、、、そう!出会い。
そんな、出会いにむけて、先代の”三遊亭円楽”師匠が、
しばしの時間を割いて、コトこまかにオトコの”たしなみ”をおしえてくれます。
途中からフェードインしてくるグルーヴィーなサウンドは、
あの『座頭市』の”勝新太郎”もカヴァーしたことでおなじみ、ジャズの名曲「サニー」。
演奏は、泣く子も黙るジャズメンこと、”前田憲男”先生。
コレを聴けば、アナタも”粋”なプレイボーイになれるコトまちがいなし。



02. 「アップルパイの薫り」アップルパイ
『あっぷるぱい』



ここ2年ほどずっとハマっているのが、このバンド、”アップルパイ”。
このクオリティにしてまだ大学生というから、末恐ろしい才能ですわ。
以前にも紹介しましたが、彼らの親の世代が”シュガーベイブ”好きというコトで、
そこから子どもの世代へと受けつがれた、まさに一子相伝、いや、一子じゃないかもですが、
そんな感じのナイスなシティポップチューン。



03. 「窓をよこぎる雲」笠井紀美子
『アンブレラ』


1972年にリリースされたアルバム『アンブレラ』から。
ジャズの女王、”笠井紀美子”が歌うソフトロック。
こういうジャンルも、サラっと歌えてしまう笠井さん、
ボーカル力がホントにスゴい。
まさに真のボーカリスト、、、と言っても過言ではないでしょう。
途中に巻き込み確認せずに入り込んでくるギターが、とてもイイんです。
プロデュースは、”ムッシュ”こと”釜萢 弘(かまやつひろし)”。



04. 「痛快ウキウキ通り」曽我部恵一
『汚染水』


この時勢にして、この攻めのタイトル。
イイですよねー、好きです!札幌、いや好きですこの攻めている感じ。
2013年に”曽我部恵一”さんがリリースしたアナログシングルから、
コチラはB面に収録されている”オザケン”こと”小沢健二”のカヴァー。
オリジナルはかなりさわやかすぎてアレですけれど、
このスモーキー具合が満載なアレンジが、
全然さわやかじゃなくてグッド。
ビート強めなブレイクビーツ的な感じもダンサブルで、
まちがいなくクラブユースないちまい。



05. 「くすりをたくさん」大貫妙子
『Sunshower』


1977年にリリースされた大貫妙子のアルバムから、この曲を。
とにかくタイトルからしてヤバい。
もちろん歌詞もヤバい。
現代であれば、ギリギリアウトでしょう。
しかし、そんな歌詞とは裏腹に、
トラックはすばらしいシティポップサウンド。
70年代は、おおらかな時代だったんですな。



06. 「Woman Wの悲劇より」菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
『戦前と戦後』


さすらいのジャズメン、”菊地成孔”。
彼が主宰するバンドのひとつ、
唯一無二のストレンジ ラウンジ オーケストラ、
“ぺぺ・トルメント・アスカラール”の新作から。
おそらく35歳以上のダレもが知っている、
1984年リリースのあの名曲のカヴァー。
オリジナルは、”薬師丸ひろ子”ですな。
作詞に”松本隆”、作曲に”呉田軽穂”こと”ユーミン”というナイスコンビ。
タンゴなアレンジがまたいい感じで、
まるでオトナの世界を垣間みたみたい。
すばらしいカヴァー。
あ、ボーカルは、じつは”菊地成孔”さんだったりして。
歌いまくってます。



07. 「秘密(灼熱のNew Arrange Live Version)」JUNK FUJIYAMA
『Junkwave』


シティポップのメガネ男子、”JUNK FUJIYAMA(ジャンク フジヤマ)”。
コチラは、彼のデビュー曲のライブ版。
“村上”ポンタ”秀一”氏の渇いたドラムと、カッティングギター。
そして、”ジャンク”のナイス ジャンクウェーヴ。
ちょっとイヤらしいくらいにネットリとしたサウンドが、
オトナの夜という感じで、とてもイイネ。
まちがいなく、濃いブルーな部屋が似合います。



08. 「まわれ まわれ」流線形と比屋定篤子
『ナチュラル・ウーマン』


沖縄のサウダージヴォーカリスト、
“比屋定篤子”をむかえた”流線形”の2009年のアルバムから。
“TOTO”のあの曲のイントロをまんまづかいだったりするので、
この曲が流れた瞬間に「おお!」と、おもわずなってしまいますが、
そうは問屋がおろさない。
そのからカラダにゆっくりと浸透するような”比屋定”さんの声がまたイイんです。
ブルーモーメントな街が似合う、まちがいないシティでポップなグッドサウンド。



09. 「Pink Shadow (Single Mix)」ブレッド & バター
『Barbecue』


1974年にリリースされたアルバム『Barbecue』。
その『Barbecue』が、2014年にめでたくデジタルリマスター版CDで再発。
この曲は、そのCD版に収録されているボーナストラックで、
「Pink Shadow」のシングルバージョン。
前号、Vol.14では、この曲の”山下達郎”によるカヴァーを紹介しましたが、
コチラのオリジナルの方が、まったりとしたレゲエに近い感じ。
室内というよりは、屋外で聴きたい、まさにバーベキュー サウンド。



10. 「Park Suite」一十三十一 Feat. BTB
『Snowbank Social Club』


冬の雪山をテーマに”一十三十一(ヒトミトイ)”がうたう、
アルバム『Snowbank Social Club』から、
いま注目のふたり組”LUVRAW & BTB”の”BTB”をフィーチャーしたこの曲を。
ロービートに、アンニュイな”一十三十一”のボーカル、
そして”BTB”のボコーダーヴォイスがいい感じでカラんでます。
波打ち際、オレンジロード的なさわやかな春の海のBGM。
全然、雪山じゃないけれど。。。



11. 「サンセット通り」天才バンド
『アインとシュタイン』


イチ押しの”奇妙礼太郎”くんが、
ワンダフルボーイズの”Sundayカミデ”と、
ドラマーの”テシマコージ”とともにはじめたあたらしいバンド、”天才バンド”。
10曲目の、”ヒトミトイ”ちゃんのオレンジロードつながりなワケですが、
このバラードがとてもいい感じ。
まさにサンセットな雰囲気でたまらないです。
2014年、注目の新バンドざます。



12. 「帰郷」Natural Records
『Philosophy & Groove』


4人組の新世代ピアノポップス バンド”Natural Records”が、
2007年に放ったアルバムから。
トーキョーに負けた、、、負けたけど、田舎でちょっとだけ頑張ってみよう。
そんな負け組、等身大な歌詞がとてもココロにキュンキュンひびくのは、
ワタクシが負け組だから?
ボーカル”宮 武弘”の個性的なハイトーンヴォイスがまた、いいですよね。
春は、お別れの季節。
それぞれの人生の分岐点ということで、この選曲。



13. 「罌粟」畠山美由紀
『WILD AND GENTLE』


“罌粟(けし)”というのは、いわゆるマヤク的なアレですね。
コチラ、作詞が”松本 隆”、作曲が”富田ラボ”という、
シティポップコンビによるグッドサウンド。
そして、流れるように歌う”畠山美由紀”嬢。
うん、エエ歌ですな。



14. 「ピーベリーを見つけたら」星野みちる
『楽園と季節風(EP)』


新世代ポップシンガーの”星野みちる”ちゃんのシングルから、
B面に収録されている「ピーベリーを見つけたら」。
このニューオリンズ風というか、
“サバンナバンド”なテイのステキなシティポップサウンドに、
さわやかなグッドヴォーカル。
すばらしい”春風”です。



15. 「すてきなメロディー(DEMO)」SUGAR BABE
『SONGS』


1975年にリリースされた”SUGAR BABE”の名盤、『SONGS』。
その1999年にリリースされた再発盤CDに収録されている、
ライブデモバージョン。
ボーカルは、”山下達郎”と”大貫妙子”のダブルパンチ。
ちなみにこの音源は、1976年3月31日に荻窪ロフトで行われた解散コンサートのライブだそう。
それにしても、76年に演奏されたとは思えない、このグルーヴ。
まったくもって色あせていないです、
いやむしろ最近の新曲なんかよりも輝きを感じます。
すべてが完璧なバンドだったんでしょうな。



16. 「スーダラ節」SAKEROCK
『Songs of Instrumental』


“クレージーキャッツ”のあの昭和の名曲を、
“星野 源”ひきいる”SAKEROCK”がカヴァー。
このグダっと、マッタリしたアレンジが、
ダラダラスーダラ具合を倍増させています。
春といえば、花見、歓迎会、合コン、、、とりあえず酒が呑める季節。
たぶん、この歌詞どおりのヒトが、帰りの電車内でアナタのとなりにいるハズです。



17. 「イヤ、どうも!(クロージング・ヴァージョン)」植木 等
『植木等的音楽』


“植木 等”つながり、ということでコチラを。
コチラ、1995年にリリースされた、
“大瀧詠一”プロデュースのアルバム『植木等的音楽』。
「クロージング・ヴァージョン」というタイトルどおり、
アルバムの最後に収録されている、この曲。
「いやー、ドーモ!」しか言ってないんですけれどね。
日本人特有の、オールマイティでつかえる挨拶ですよ。
ということで、2014年の4月も、もうさようならです。
「いやー、ドーモ!」




※選曲は、基本的にCDやダウンロードなどで入手できるものを中心としておりますが、廃盤などにより手に入らない場合がございます。
あらかじめご了承ねがいます。


Photo by healthy (http://www.behance.net/healthy-groove)


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