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ブラインドからのぞき見た世の中 : April 30, 2015 @ 23:59

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.135『対話と検証と総括と』



えー、さてー、JR福知山線脱線事故から、2015年4月25日で10年が経ちました。


兵庫県尼崎市にある塚口駅と尼崎駅間の右カーブ区間で脱線事故をおこし、
乗客と運転士合わせて107名が死亡してしまったという、
まさに史上最悪の電車事故です。

原因は、70km制限のカーブを100キロ越えでつっこんだとのコト。

なんとも残念すぎる事故でした。


JR西日本と被害者家族との裁判的なものは、
いまだ決着がついていないようですね。

神戸地裁でおこなわれた判決公判で、
歴代の3社長はいずれも無罪。


本来ならば、会社自体に責任がありますから、
会社自体を訴えられれば状況はちがったのでしょうが、
現状、日本の法律では組織に刑事的責任が負わせられないですからね。

責任者である社長を訴えるしかない。


いろんな意味で、すべてが解決するには、
まだまだ時間がかかりそうです。


しかし、10年目ということもあり、
このところさまざまメディアで特集されていますね、この事故。


個人的にちょっと気になったのは、
JR西日本と被害者家族との対話で成り立っている
「安全フォローアップ会議」というモノの存在。


コレは、被害者家族と加害者である会社側とが、
「責任を追及しない」という条件のモト、
事故原因を探る対話をおこなうといった、
かなり前衛的ともいえるモノ。

月に一度の検討会で、4年間で23回。

先日、報告書が作成され、提出されたとのコト。


この”「責任を追及しない」という条件のモト”というのが、
かなりむずかしいんですけれどね。。。

被害者代表の方が述べた「相手に罰を下したところで、ナニが残りますかね?」
というコトバが印象にのこります。

なんてスゴいヒトなんだとおもいましたよ。

それに、JR西日本側もかなり真摯な対応ですね。

コレは、ホントすばらしい。


加害者と被害者が対話をしながら事故を検証して、総括する。

よく考えるとフツーのコトなんですけれどね、
でも、個人的なイザコザ以外、
ほかでは聞いたコトがなかったです。


ナニかしらの事故がおこったときは、
利用者目線での解決法がほとんどされていません。


原発事故もしかり。

原発の再稼動における原子力規制委員会なんて、まさにソレですよ。



いまだフクシマでの事故の総括すらできていないのに、
なぜ再稼働の話が出るのか、ダレも説明していないですからね。


原子力規制委員会と各電力系の会社も、
この「安全フォローアップ会議」を見習ってほしいものですな。


会社側が考える安全と、
そこの地元のヒトたちの安全はベツモノなワケですから。


もちろん事故をおこさないというのは大前提ですがね。

だからこそ、おこってしまったときのことを考えていないと、
それは安全でもなんでもないワケです。

ホントなら「事故がおこったときにどうなるのか?」という案件を、
地元のヒトたちともっと話しあうべきでは?

検証はある程度していても、総括はまだしていない、
いやまだできないワケですから。


もしかして、いまだ安全神話を信じているなんて、
ノーテンキなヒトはいないとはおもうのですがね。。。


事故における、被害者と加害者の対話からはじまる検証と総括。


いい意味で前例ができたワケですから、
今後はぜひともさまざまな事例で、
その流れになっていってほしいと考えますが、
みなさんは、どのように考えますか?



北園みなみ「ソフトポップ」




旅路 良



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