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ブラインドからのぞき見た世の中 : May 30, 2015 @ 19:11

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.137『ソーテーGUY』



えー、さてー、そのむかし、渋谷のセンター街をうろつく、
ガングロサーファースタイルのメンズグループ、
「センターGUY」なんてのが流行ってましたよね。

ちかごろの流行りのスタイルといえば、
スバリ!「ソーテーGUY(想定外)」。


本来ならば”想定”していないといけないモノゴトを想定するコトなく、
おかした責任に対して”想定外”というコトバをつかって
ガン無視をキメこむリアルストリートなスタイル、
それが「ソーテーGUY」です。

3.11以降、この「ソーテーGUY」が、
全国各所、しかも責任重大箇所において急増中。


とくに先の原発事故では、
すべての記者会見では「想定外でした」でカタヅケてしまってましたからね。


「”想定”してなかったんだからしょうがないじゃん!」とか、
そんな感じなんでしょうか。

しかし、”想定外”と言うコトで「自分たちには責任はないよ!」って、
フツーに考えるとチョットおかしくないですかね。

ソコまで”想定”してこその、その仕事のハズなんすけど。

ナニやらすべてに効く特効薬、
いや、すべての罪がナゼか許される”免罪符”化してしまってますよ。


そういえば先日、「国際原子力機関(IAEA)」が、
先のフクシマ原発事故の「最終報告書」をまとめたニュースになっていましたが、
その内容にはホントアゴがハズレル、まさに驚愕モノでした。

「最終報告書」によると、

「福島第一原子力発電所(原発)には、
「IAEA」の安全基準が推奨している”蓋然論”に基づく安全基準によって
十分に評価されていない複数の弱点があった」、、、

って、事故前からキケン性を”想定”されちゃってたんじゃん!というコトですよ。

ソレを「”想定外”だった」と発表していたワケですからね、
ソレ自体がまさに”想定外”でしたが、
まったく、ナニ考えているんでしょうかね。

しかも、その反省もなくして、
原発を再稼動させようとしているのって、
ソレすらもホント”想定外”。

反原発とかのマエに、
「ヒトとしてチョットおかしくない?」ってコトなんですけれど。


たとえば、
自分がナンらかの重大な事件とか事故(例えば、飲酒運転による対人事故)に巻き込まれた際、
「あの時間にヒトが道路に出てくるのは”想定外”だったから」とか、
「酒を飲むつもりじゃなかったのに、”想定外”に飲むことになってしまった」とか言われたら、
事故を起こした相手をユルすしかない状況になってしまうワケですよ。


つかったヒトには、もれなく人生において減点とか、、、
そういう感じで、残念ながら、
なんらかのペナルティをあたえた方がいいコトバになりつつあります。

とくにコミュニティを壊したり、
ヒトの命を奪うような事故につながるものに関しては、
“想定外”なんてモノはあってはならないハズ。

“想定外”でユルされるとおもっているヒトもおかしいですが、
“想定外”でユルしてしまうヒトもおかしい。
そんな”ユルユル”社会になってしまった、
“想定外”なニッポン。


この「ソーテーGUY」の急増。
みなさんにとっても”想定外”だったのでは?



エミ・マイヤー&永井聖一「新しい季節」




旅路 良



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