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ブラインドからのぞき見た世の中 : September 16, 2015 @ 20:16

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.144『失われたのはアーク?世代?議論の場?』



えー、さてー、このところ若い世代による、
さまざまな社会派活動が目立ってきていますな。


先だっておこなわれた
「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 公聴会」における、
学生団体「SEALDs」の奥田愛基くんのスピーチ。


国会前デモに参加されている方、
もしくはニュースをチェックされている方にはお馴染みのカレですが、
まずは、「SEALDs」って、ナンぞや?というコトなんですけれど、
「Students Emergency Action for Liberal Democracy s
(自由と民主主義のための学生緊急行動)」の略ですな。


そんな大学生な彼による、
公聴会での安保法制に対するスピーチ。

かなり緊張はしていたものの、
自分たちの主張をキチンとコトバにできていたのではないかと。

コトバを荒げるコトなく、諭すようにはなす謙虚さも、
またスバらしい。

そんな堂々としたスピーチに、
オジサン、感動してしまいましたよ。

メディアをニギわせているヘタな政治家よりも、
よほど政治家でしたな。


彼が、とにかく言っていたのは「この国の主権はダレなのか?」という、
当たり前のことについて。

その当たり前のコトが、
ナゼだかなかなかフツーに出来ないという、
不思議な世の中。

疑問を持つのは当たり前ですよね。
ダレも答えを言ってくれないワケですから。

でも、憲法にはハッキリと答えが書いてある。
矛盾ですなー。


そして、彼が最後に言ったのは、
政治家であっても「個人でいてほしい」と。

まさに、このコトバにつきます。
どんな政治だろうが、結局は個人、個です。

とにかく、「民あっての国!」というコトですよね。


ちなみに、彼ら「SEALDs」の活動は、
疑問におもったコトに対して行動していいんだと、
いい意味で若い世代のヒトたちに火をつけてくれましたな。

むしろ、ワレワレ世代の方が動きがかなりワルいのカモ。


仕事上の人間関係だったり、家的なものだったり、
さまざまな”しばり”や”しがらみ”というのもあって、
なかなかむずかしいのもわかりますがね。


しかし、いまの10代〜20代は、
「失われた20年」に生まれた世代とはいわれて久しいですが、
ナニかを失っていたのは、ワレワレの世代なのカモ。

おそらく、いま積極的に動いている若い世代の両親は、
40後半〜50後半。

60年代安保闘争以降で、いろいろ一掃されてしまった後の、
下の世代かと。
政治討論よりも、ノンポリがかっこいいとされていた世代ですな。

そこから生まれた、現在の若い世代。

彼らは彼らでいろいろと考えていたんですね。
ただ、キチンと議論できる場がなかった。

本来ならば、それをつくってあげるのが、
ワレワレの世代だったんですけれどね。


先日、とあるTV番組で紹介されていたのですが、
中学生から高校生がくらいの世代がセカイ各国からあつまって、
とあるテーマについて国境を越えて議論をするという合宿があるそう。

そこに来ていた日本の中学生、高校生が
「学校ではそういう話をすると疎外感だったり、
村八分的な状態になっちゃうからしづらい」と語っていたコトが、
おもわず「あぁー、、」とため息とともに声が出てしまいました。

あいかわらず、学校でそういう話をするのは、むずかしいのねー。

自由のあり方を教えるハズの学校が、
逆に自由を奪うモノになってしまっている状況。

もちろん、地域や学年、環境的なモノによりけりだとはおもうのですが、
むずかしくしちゃっているんですな。

ま、「ダレが?」というと、
先生よりも、おそらく親なんでしょうけれど。

そういうさまざまなモノ/コトに対して、
“議論の場”すらつくれない状況で育って、
オトナになってから議論なんて出来ないですよ。


たしかに、コドモにはコドモの社会がありますから、
無理して「議論しろ!」ともいえないですしね。

ただ、学校側で議論の大切さをおしえなければ、
ダレも教えてくれないってコトですから。

彼らに対し、
どうしたらいいか分からない状況をつくってしまっていたのは、
ワレワレ世代なのかもです。

いつの間にか、なくなって(ロスト)しまった”議論の場”を、
彼らはフツーにもとめはじめたのだと考えます。

失われたのは、アークでもなく、世代でもなく、議論の場でした。


今回の一連の件をふまえて、
さまざまなモノ/ゴトに対してのキチンと議論できる”議論の場”を彼らにつくるベキかなと、
ワタクシは考えましたが、みなさんは、どのように考えましたか?




フジファブリック「若者のすべて」



旅路 良



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