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Interview : November 18, 2015 @ 21:55

「RADIO Japanese Soul」feat. 野宮真貴(前編)



2015年10月で、設立10周年をむかえた”ニッポンのいい音楽をご紹介する”プロジェクト「Japanese Soul」。


2014年10月14日には、ジャズバンド”RF”とコラボレーションした10周年企画盤『Japanese Soul』をリリースするなど、現在さまざまな企画を遂行中だ。

そのひとつとして、2014年10月23日にタワーレコード渋谷店B1Fの「CUTUP STUDIO」にて開催された10周年イベント『RADIO & DIRECT』。


当日は、”RF”のリリースライブとともに、「RADIO Japanese Soul」と題し、2015年11月11日にアルバム『世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』をリリースした、ニッポンを代表するポップアイコン、”野宮真貴”さんが登場し、タワーレコードの配信サイト「タワレボ」にてトークショウスタイルで配信された。


今回は、”野宮真貴”さんにアルバム収録曲についてを中心に、いろいろとお聞きした「RADIO Japanese Soul」の模様を、前編、後編の2回にわけてお贈りする。






カネコヒデシ(以下 カ):
野宮さん、よろしくお願いします!


野宮真貴(以下 野宮):
こんばんは、よろしくお願いいたします!


カ:
2015年11月11日に『世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』というアルバムが、、、


野宮:
でます!


カ:
コチラは、”渋谷系を歌う”というコンセプトですが、
昨年におなじコンセプトでライブ盤の方をリリースされていましたよね。


野宮:
「野宮真貴、渋谷系を歌う。」と題して、
2年ほど前から「ビルボードライブ」の東京と大阪でライブをやっていまして、
昨年、2013年の実況録音盤、、、ライブ盤をリリースしたんです。
今回は、それをスタジオ録音盤で新曲を出すことになりました。







カ:
なるほど。
そちらの方は、後ほどご紹介させていただきます。
まずは、ボクが「野宮さんといえば、この曲!」という曲を選んできましたので、
そちらの方を聴いてみてください。


選曲:ヒロシ&マキ『甘い生活』


野宮:
コレは”高野寛”さんとご一緒した、”ヒロシとマキ”ですね!


カ:
そうです!
この曲、スゴく好きなんですよ。


野宮:
もともとは”テイ・トウワ”くんのソロのファーストアルバムで、
フィーチャリングで歌った曲です。


カ:
1994年リリースの『Future Listening!』という、
“テイ・トウワ”さんのファーストアルバムからのセルフカヴァーですよね。
名義はテイさんですが、ボーカルで野宮さんが参加されたというコトで。


野宮:
ほとんどメインで歌ってます。
一応、デュエットということで、テイくんのコーラスがときどきはいるんですよ。
コチラでは、高野寛くんですけれどね。
テイくんのアルバムでは、テイくんが歌っているんです。


カ:
野宮さんは、もちろん「東京は夜の7時」のイメージがすごくあるのですが、
ボクは、テイさんのこのアルバムで、
この曲を聴いたときに「なんてオシャレなんだろう!」っておもいましたよ(笑)。


野宮:
このとき、”ピチカート・ファイヴ”で歌っていたのですが、
テイくんのソロアルバムに呼ばれて。。。
歌詞は、小西(康晴)さんが書かれていているんです。
最初、「どういう風に歌ったらいいのかな?」って聞いたら、
「カラオケで好きな曲を歌っているような感じで、気持ちよくうたってほしい」って。


カ:
そんな指示があったんですね。


野宮:
そうです。


カ:
以前、”菊地成孔”さんと野宮さんとの対談をボクが録らせていただいた際に、
菊地さんが「野宮さんは、ホント歌がうまいんです!」というお話をしていたのが、
すごく印象にのこっています。
というのは、歌い上げる系のボーカルではなくて、
キレイに歌えるボーカルというコトなんですけれどね。
ホント、そう思います。


野宮:
そうですね、その辺は”ピチカート・ファイヴ”のときに鍛えられたかな。
“ピチカート・ファイヴ”って、あまりバラードがなくて、、、あと”コブシ”が禁止だったんです。
もともと”コブシ”ができないんですけれどね(笑)。
でも、歌手ってだんだんこなれていくと、歌い方が変化していくじゃないですか。


カ:
なるほど。


野宮:
そこは、いまでも気にしているし、
いつでもフレッシュな気持ちで歌うようにしてます。


カ:
ちなみに、コチラの曲は最近リリースされたモノですが、
もちろんテイさんの方もいまも聴いたりとか、
DJでつかわせていただいたりとかしているんですけれど、
野宮さんの声、、、ぜんぜん変わらないんですよねー。


野宮:
声が若づくり(笑)!


カ:
いやいや、ナニをおっしゃいますか(笑)!
でも、ホント声が変わらないですよね。


野宮:
もちろんデビュー当時の歌を聞くとずいぶん変わってはいるとはおもうんですよ。
そうですね、、、”ピチカート・ファイヴ”に入った当初は歌い方がちがうんですけれど、
94年くらいから変わってないかもしれませんね。


カ:
スゴいと思います。
「ホント変わらないなー」とおもって聴いていました!という、お話でした(笑)。
では、お待たせしました!
野宮真貴さんの新譜『世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』から、
1曲目を聴かせていただきましょう。


曲名:「東京は夜の7時」


カ:
コレはもちろん、「東京は夜の7時」でございます。
前回のライブ盤のアレンジと、ほぼまったく一緒ですよね。


野宮:
ライブのとき、毎回1曲目は「東京は夜の7時」ではじまるんです。
このジャズアレンジで。


カ:
プロデューサーの”坂口修”さんからは、歌い方の指示みたいなコトはあったのですか?


野宮:
これは自由演技でしたね。


カ:
「東京は夜の7時」といえば、
野宮さんのインスタグラムで毎日夜7時に、
「東京は夜の7時」と題して写真をアップしていますよね。


>>>野宮真貴インスタグラム「missmakinomiya」


野宮:
今日(2015年10月23日)もね、楽屋でアップしましたよ、2~3分遅れちゃったけれど(笑)。
毎日「東京は夜の7時」とつぶやいて、写真をアップしているんですけれど、
もう3年くらい経つかな。
たまにできないときもあるんですけれどね。


カ:
夜の7時だってわかる、時報的な感じですね。


野宮:
そう!
時報がわりにつかっている方もいるから、
遅れたりすると申しわけないんですけれど(笑)。


カ:
大丈夫じゃないですかね。
みなさん、だいたいでやっていますから(笑)。


野宮:
だいたいですよね(笑)。






カ:
という感じで、では、次の曲まいりましょう。


曲名:「WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE」


カ:
「WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE」ですね。
“バート・バカラック”の曲なんですけれど、
“Swing Out Sister”の”コリーン・ドリューリー”さんとデュエットされているんですよね。


野宮:
昨年、”Swing Out Sister”のライブに行って、楽屋にオジャマしたんです。
そのときにはじめて彼女にお会いしたんですけれど、
話が盛り上がって「いつかナニか一緒にできたらいいねー」って。
あと、彼女と私はおなじ歳だったの(笑)。


カ:
そーなんですか?!


野宮:
そんなコトもあって、すごく身近な感じ。
それで、そのあとにアルバムを出すコトになって、
“バート・バカラック”は渋谷系のキーパーソンでもあるから、
カヴァーしようとおもっていたんです。
コリーンも彼の大ファンだったので、
じゃあ「彼女と一緒にデュエットできたらいいな」と。
それで、彼女に「フェイスブック」で連絡して、、、って、
いまどきっぽい感じなんですけれどね(笑)。
この曲は、お互いにとても好きな曲だったので、それでこの選曲です。


カ:
レコーディングは、どうされたんですか?


野宮:
彼女はロンドンなので、データのやり取りをしてって感じですけれどね。
ただレコーディング風景を撮ってもらったものを、
ダイジェスト版で、YOU TUBEでチラっと見られます。


カ:
野宮さんのブログでも、今回参加された方のご紹介とか、コメントとかも書かれてますよね。
ブログ、、、


野宮:
「ファタールブログ」ですね。


>>>野宮真貴「ファタールブログ」


カ:
そうです!
「ファータールブログ」って、スゴい名前ですよね(笑)。


野宮:
そうですね(笑)。


カ:
ちなみに、”坂口修”さんが”バート・バカラック”研究家なんですよね。


野宮:
そうなんです。
この曲は英語なのですが「日本語で歌いたいなー」とおもって、
日本語でカヴァーされている方を探したんですけれど、いなかったんです。
それで、日本語の訳詞をどなたかにつけてもらおうとおもったときに、
やっぱり小西(康晴)さんかなと。
小西さんの歌詞って、”ピチカート・ファイヴ”の歌詞も大好きですけれど、
英語詞の訳詞がすばらしいんです。
“バート・バカラック”の「Me Japanese Boy」のカヴァーもそうですけれどね。
それでお願いしたら、引き受けてくださって。。。
じつは、それが今回のボーナストラックとして収録されているんです。


カ:
ですよねー。
でも、今日は流さないんですよ(笑)。


野宮:
それはおたのしみってことで(笑)。


カ:
買っていただいて、聴いていただくというコトで、お願いします!


野宮:
はい、お願いします(笑)!


カ:
では、つぎの曲に行きましょう!


曲名:「或る日突然」


カ:
これは、”トワ・エ・モワ”というデュオの「或る日突然」という曲ですが、


野宮:
1969年の曲です。


カ:
この曲は、どうしてカヴァーされたのですか?


野宮:
この曲も、3年ほど前からライブで歌っているんですけれど、
“トワ・エ・モワ”は子供のころに聴いていたんです。
私、北海道出身なんですけれど、
1972年の「札幌オリンピック」のテーマソング「虹と雪のバラード」を、
“トワ・エ・モワ”が歌っていたんです。
その曲が好きで、男女のデュオでオシャレな音楽だなーと、
子供ごころにおもっていたんですよね。
この「ある日突然」は、日本の”バート・バカラック”ともいうべき、
“村井邦彦”さんが作曲だったので、ぜひカヴァーしたいなと。
ただ、デュエット曲なので、ライブではひとりで歌っていたんでけれどね。


カ:
そうなんですね。


野宮:
今回はスタジオ録音なので、ドナタかステキな男性と歌いたいとおもっていろいろかんがえたんです。
究極、作曲家の村井さんとデュエットできたら「最高!」とおもって連絡してみました。


カ:
デュエットで歌われているのが”村井邦彦”さんなんですよね。


野宮:
それが今回、実現して、自分でも夢のようだとおもってます。
ただ村井さんは、普段はL.Aにお住まいなので、東京にいらっしゃらないんです。
なんですけど、「やっぱり、コレは神様がいるのかなー」と(笑)。
このレコーディングのころに、
タイミングよく村井さんの70歳のお誕生日をお祝いしたコンサートが、
渋谷のオーチャードホールでありまして。。。


カ:
先日、開催された『ALFA MUSIC LIVE』ですね。


野宮:
そう!
それで来日されていたので、このお話をしたら、
一日だけスケジュールを空けてくださって、
レコーディングに来ていただけたんです。


カ:
そうだったんですか!


野宮:
それはそれで最高にカンゲキしたんですけれどね。
こちらのお話が先にオファーしていたのですが、
『ALFA MUSIC LIVE』のプレゼンターにも呼ばれたんですよ。
それは、演出を”ユーミン”のダンナさんの”松任谷正隆”さんがやられていたんですけれど、
松任谷さんからお話をいただいたので、、、断われるワケないじゃないですか(笑)!


カ:
そりゃそうですね(笑)。


野宮:
しかも、ご紹介したのが”ユーミン”だったんですよ。
間違えちゃいけないと思って、けっこうな緊張をしましたね(笑)。
それは無事、終えるコトができたんですけれど。
そんな偶然もあったりして、、、不思議ですよねー。


カ:
いま、ちょうど”ユーミン”さんのお名前が出ましたが。。。


野宮:
そう!
私が”ユーミン”をプレゼンターでご紹介して、そして彼女が歌った曲が、、、
これも偶然なんですけれど、「中央フリーウェイ」だったんです。





カ:
では、お聞きください!
「中央フリーウェイ」です。


曲名:「中央フリーウェイ」


カ:
コレは、ナイスアレンジですよ!


野宮:
私も知人からだいぶ前におしえてもらったのですが、
70年代に「セブンスター・ショー」というテレビ番組がありまして、
ユーミンが曲ごとに衣装を変えたりする、すごくオシャレなテレビ番組だったんです。
アレンジは、そのときの「中央フリーウェイ」のアレンジを再現しました。
その演奏を”ティン・パン・アレー”が担当していたんです。
先日の『ALFA MUSIC LIVE』でも、
“ティン・パン・アレー”の演奏でユーミンが歌っていて、、、
そのアレンジで歌われたのって、
「セブンスター・ショー」と『ALFA MUSIC LIVE』の2回だけ。
マニアの方は、超よろこんでいましたよね。


カ:
すっごくいいアレンジで、「体に沁みこんだ!」って感じでした(笑)。
この曲、いろいろな方がカヴァーされてますよね。
“ハイ・ファイ・セット”とか、”庄野真代”さんとか。
野宮さんは、歌ってみてどうでした?


野宮:
歌ってみると、なかなかむずかしいですよね。


カ:
もともとは、”かまやつひろし”さんのために書かれた曲だったとか。


野宮:
そうなの!
「セブンスター・ショー」では、”かまやつ”さんがリードボーカルをとっていて、
“ユーミン”が途中で参加するんですよ。


カ:
じつはボクも以前、ネットでその番組を拝見していて、
いいアレンジだなーと思って、音源ないのかなーとおもったのですが、
野宮さんがカヴァーしたじゃないですかー(笑)!


野宮:
音源としては、これでしか聴けないんですよね。
ホントは、”ティン・パン・アレー”の演奏で歌ってみたかったんですけれどね(笑)。


カ:
ナルホド!それはいいですねー。
“ティン・パン・アレー”のみなさん、ぜひお願いします(笑)!



(後編へつづく)

Photo by healthy(http://www.behance.net/healthy-groove







□”野宮真貴”アルバム情報

野宮真貴『世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』

・初回盤





価格:¥3,700(税抜)
レーベル:ユニバーサル ミュージック(UICZ-9056)


・通常盤





価格:¥3,000(税抜)
レーベル:ユニバーサル ミュージック(UICZ-4336)

発売日:発売中!


□プロフィール

・野宮 真貴(MAKI NOMIYA)

「ピチカート・ファイヴ」3代目ヴォーカリストとして、90年代に一斉を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、 音楽・ファッションアイコンとなる。
2010年に「AMPP 認定メディカル・フィトテラピスト(植物療法士)」の資格を取得。
現在、音楽活動にくわえ、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍中。
オフィシャルサイト:http://www.missmakinomiya.com/


□”野宮真貴”ライブ情報

『野宮真貴、渋谷系を歌う -2015-。』
~Miss Maki Nomiya sings Shibuya-kei Standards 2015~

日時:2015年11月19日&2015年11月20日

会場:ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/



□「Japanese Soul」アルバム情報


RF 『Japanese Soul』




価格:¥2,000(税抜)
レーベル:タワーレコード(TRJC-1045)

発売日:発売中!

「タワーレコード」オンライン:http://tower.jp/item/3969737/Japanese-Soul



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