Interview : November 19, 2015 @ 12:56
「RADIO Japanese Soul」feat. 野宮真貴(後編)
2015年10月で設立10周年をむかえた”ニッポンのいい音楽をご紹介する”プロジェクト「Japanese Soul」が、10周年企画のひとつとして、2014年10月23日にタワーレコード渋谷店B1Fの「CUTUP STUDIO」にてイベント『RADIO & DIRECT』を開催。
当日、「RADIO Japanese Soul」と題し、2015年11月11日にアルバム『世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』をリリースした、ニッポンを代表するポップアイコン”野宮真貴”さんとのトークショウが、タワーレコードの配信サイト「タワレボ」にて配信された。
ひきつづき、”野宮真貴”さんにアルバムの収録曲についてのお話を中心に、いろいろとお聞きした「RADIO Japanese Soul」の後編。
カネコヒデシ(以下 カ):
では、次の曲いきましょうかね。
曲名:「ドリーミング・デイ」
カ:
この曲は私たち「Japanese Soul」にはおなじみの曲です。
“ナイアガラ・トライアングル”から、
“山下達郎”さんが歌う「ドリーミング・デイ」のカヴァーですね。
野宮真貴(以下 野宮):
どうでしたか?
おなじみの曲を、私のボーカルで聴いたときは。
カ:
女性が歌うというのが、とても新鮮でした。
“シリア・ポール”もカヴァーされていましたが。
野宮:
じつは、”シリア・ポール”さんが歌っているのを意識したところはあります。
カ:
個人的に、野宮さんの声が好きなんですよね。
とはいえ、達郎さんの曲をカヴァーするのは、やはりむずかしくないですか?
野宮:
むずかしくて、なかなか選曲がしづらかったんです。
でも、”シリア・ポール”さんのバージョンがあったので、これだったら歌えるかなーと。
このあたりは、プロデューサーの”坂口修”さんが選曲されました。
カ:
そうだったんですね。
では、次の曲を。
曲名:「ガラスの林檎」
カ:
ということで、聖子ちゃんですねー。
野宮:
去年のライブで、この曲を本編のいちばん最後で歌いました。
でも、カヴァーするのははじめてなんです。
カ:
そーなんですか!?
そういえば、並木橋にあるバー「アマランス」での『松田聖子ナイト』とかで、
歌われていたりとかもしていたような。。。
野宮:
あー、カラオケの18番(笑)!
聖子ちゃんしばりで歌ったりはしてましたね。
でも、こうやってカヴァーするのははじめてです。
実際に、レコーディングをしてみると、
“松田聖子”さんのボーカリストとしての、
天才的な部分をあらためて感じました。
カ:
個人的には、野宮さんの歌い方のスタイルと、”松田聖子”さんの歌い方のスタイルとが、
すこし似ているような気がしているんです。
その、、、歌い上げずに上手、みたいな部分なんですけれど。
野宮:
彼女の方がちょっと歳下ではあるのですが、
お誕生日もちかいし、、、むかしからなんとなく勝手にシンパシーを感じているんですよね(笑)。
カ:
今回のアルバムのジャケットデザインのお話になりますが、
初回限定盤の方のジャケットのデザイン、最初に見たときにビックリしましたよ(笑)。
野宮:
ビックリですよね!顔がないんですもん(笑)。
足!みたいな。

カ:
足(笑)!!
野宮さんのジャケットデザインって、
かっこいい感じ、というかオシャレカッコイイ感じのイメージがつよいのですが、
今回は、むしろエロカッコいい方にいったなーとおもいました。
野宮:
初回限定版は、普通のCDよりは細長いカタチになります。
これを、なんかこうやって(下から)見るヒトがいるんですよねー。
見えませんから!って(笑)。
カ:
ソレ、やっちゃダメなヤツですよ(笑)!
デザインは、”信藤三雄”さんがデザインされたんですね。
野宮:
90年代に渋谷系のビジュアルを一手に引き受けられていた、
渋谷系のアートディレクターといえば、”信藤三雄”さん。
もちろんお願いしました!
カ:
信藤さんとはナニかお話をされて、このジャケットになったのでしょうか?
野宮:
私は、60年代のモダンな建物で、
『ディオール』のニュールックみたいなクラシカルな洋服を着て、
「かっこいい写真を撮りたい!」って言ったんです。
ということで、ロケ場所も決めて、衣装もつくって、いざ撮影にのぞんだのですが。。。
信藤さんが、どうしても「足を撮りたい!」ということだったので、
撮影の最後の最後に、会議室の一室みたいなところで、
机の上にしゃがんで写真を撮ったんです(笑)。
カ:
ええー!そうなんですか(笑)!?
野宮:
そしたら、まさかそれがジャケットになるとは(笑)。
カ:
以前、野宮さんの「フェイスブック」で、そのかっこいいビルの写真をアップされてましたよね?
野宮:
してましたね。
カ:
それって、ナニかに使用されるのですか?
野宮:
初回限定盤はブックレットになっていて、写真集みたいになっているので、
それらのステキな写真はブックレットの中の方につかわれてます。
でも、ジャケットは、足です(笑)。
カ:
足(笑)!
野宮さんっぽいっといえば野宮さんっぽいし、
ぽくないといえばぽくない感じもしますね。
野宮:
そう?
カ:
ええ。
野宮:
ま、こういうコトもできるのよ(笑)。

カ:
ははは(笑)。
スミマセンでした!
野宮:
通常版は、こんな感じですね。
カ:
かなりモードな感じですよね。
野宮:
増殖する野宮みたいな。
カ:
“YMO”の増殖をイメージされたのか、されていないのか(笑)。
野宮:
この画像を待ち受け画面にダウンロードできますので、
足とか出てくると、一瞬ビックリしちゃうかもですけれど(笑)。
よかったらダウンロードしてみてください。
カ:
今回のレーベル「ユニバーサルミュージック」のHPからいけるんですよね?
野宮:
そうです。
カ:
足もダウンロードできますのでね、ぜひ!
野宮:
よろしくお願いします!
>>>「ユニバーサルミュージック」”野宮真貴”オフィシャルサイト
カ:
では、次の曲にいきましょうか。
曲名:「音楽のような風」
カ:
“EPO”ですねー。
野宮:
“EPO”さんです。
カ:
「音楽のような風」という曲ですが、これはナゼこの曲をカヴァーされたのでしょうか?
野宮:
“ピチカート・ファイヴ”の「Baby Portable Rock」ってあるじゃないですか?
あのオケで歌ってみたら、、、歌えたんですよね(笑)。
でも、渋谷系っぽくないですか?
カ:
音的には、たしかに渋谷系っぽいですよね。
個人的なお話で恐縮ですけれど、”EPO”さんの声質と、野宮さんの声質。
すごく似ているとおもっているんです。
野宮:
ホント?はじめて言われた!
カ:
すごくポップな声なんですよ、”EPO”さんも野宮さんも。
似ているから、もしかしてカヴァーされたのかなーと。
ちなみに、たまたま歌われたんですか?
野宮:
まあ、それは冗談なんですけれど(笑)。
“EPO”さんも”竹内まりや”さんのレコーディングでL.A.に行かれたときに、
“ロジャー・ニコルズ”に会っていたり、
彼女自身も”ロジャー・ニコルズ”が大好きだったりで、
そういったアレンジで、曲を出されていたりしているんです。
共通点があるなーと、おもっていたんですよね。
カ:
意外な選曲とおもったんですけれど、
すごくピッタリ合っているとおもいました。
野宮:
そうなんです!
歌ってみたら、ポップなあかるい感じだし、好きですよ。
90年代の渋谷系のときに、歌っていてもよかったくらいに感じるポップさですよね。
カ:
ですよね。
そういえば、野宮さん!
口紅のプロデュースとかされてましたね。。。
野宮:
はい、最近しました。
『MiMC』というオーガニックコスメブランドから、
「TOKYO RED」と「PARIS RED」の2色出しました。
なかなか好評みたいでよかったです。
>>>『MiMC』オフィシャルサイト
カ:
口紅をプロデュースされたということで、
もしかして、「ルージュの伝言」とかをカヴァーするのかなと。。。
そんな勝手な予想もしてたりしたんですよ(笑)。
野宮:
あ!そーねー(笑)。
そういえば、”EPO”さんも化粧品のCMソングとかやってましたしね。
カ:
ありましたよね、、、えっと、、、曲名が出てきません(笑)。
80年代後半から90年代前半あたりでしたね。
曲名が出てこないので、そのお話はまた次回というコトで(笑)。
野宮:
そうね、またということで(笑)。
カ:
あと、現在、「PASS THE BATON OMOTESANDO」で、
イベント「PASS THE BATON, PASS THE SONG vol.2」もやられていますね。
野宮:
そうです。
「PASS THE BATON」ってリサイクルショップというか、
つかわなくなったものを欲しいヒトにバトンしていく、というお店なのですが、
そこに私の私物を出しています。
衣装も出していたのですが、すでに売れてしまったみたい。
今回は、このアルバムに参加してくれた”カジヒデキ”くんとか、
いつも応援してくれているサポータの方たち、
“まつゆう”ちゃんとか、”SHOKO”ちゃんとか、”FPM”の田中くんとか、
私のアルバムのお祝いコメントと、彼らの私物も出展してくださっています。
それが、私が買いたいくらいのいいモノがいっぱい(笑)。
表参道に機会があったら、チラっと寄ってみてください!
>>>「PASS THE BATON OMOTESANDO」
カ:
ぜひ、野宮さんの私物を買いにいってみてください!
あと、「ビルボードライブ東京」でライブがありますよね?
野宮:
毎年、やっているんですけれど、
今年も、11月の19日と20日にあります。
20日の方がチケットがソールドアウト間近なのですが、
19日はまだ大丈夫かな。
今年は、2DAYSなので。
カ:
どんなセットでやられるんですか?
野宮:
「野宮真貴、渋谷系を歌う」って、今年で3年目なんですけれど、
おなじくそのメンバーと、
今回のレコーディングのバンドのメンバーとでやります。
そして、今年のテーマは「フレンチ渋谷系」。
なので、パリにまつわる歌も選曲しています。
ステキなドレスも着ますので。
カ:
たのしみですねー!
そういえば、「ビルボードライブ」って、
ステージの後ろのカーテンがひらくじゃないですか?
野宮:
そうそう!
ひらくとガラス張りで、東京の夜景が見えるという、、、
その演出がねー。
カ:
すごくアーバンな感じですよね。
野宮:
そのときの曲も決定していて、たぶん盛り上がるんじゃないかなーと(笑)。
カ:
おお!
みなさん、ぜひ。
ということで、もう最後の曲ですね。
この曲、ボク、すごく好きなアレンジで、前作のライブ盤にも入っていましたね。
「僕らが旅に出る理由」という、小沢健二さんの曲ですが、
まずは聴いていただきましょう。
曲名:「僕らが旅に出る理由」
カ:
ということで、「僕らが旅に出る理由」でございますが、
コチラもライブ盤と、ほぼ一緒のアレンジですかね?
野宮:
ほぼほぼです。
カ:
もともと小沢さんとも交流があって、という感じもあるのでしょうか?
野宮:
もともとは、2年前の『ケイタマルヤマ』さんのコレクションで、
ケイタさんが、この楽曲をテーマにコレクションをつくるというコトだったんです。
普通のファッションショウみたいにランウェイを歩くという感じではなく、
ショートムービーをつくって、映像で発表したんですね。
それで、この曲を私に歌ってほしいというオファーをいただいて、
私は、歌とお洋服を着て歌手として出演もしているんです。
そのときに小沢くんと連絡をとって、
カヴァーしたいんだけれどというお話はさせてもらいました。
今回の曲は、ケイタさんときとはアレンジがちがうんです。
カ:
このアレンジ、すごくいいですよねー。
野宮:
ライブで、生演奏で聴くとすごくいいんですよ。
2年前の最初のライブで、本編のラストに歌ったんですけれど、
この曲でカーテンをあけたんです。
カ:
あー、やっぱり!
野宮:
いい感じでした!
カ:
このアレンジで聴くと涙が出ちゃうんですよねー。
野宮:
原曲はあかるいんですけれど、20年たってあらためて聴いてみると、、、
もちろん当時もいい曲だなーとおもっていましたが、
自分も成長して、時代もいろいろ変わって、感じるところが変わってくるというか。。。
そんな風におもいましたね。
カ:
しんみりといろいろ思い出しちゃう曲です。
野宮:
そうですよね。
カ:
ちなみにボクは「野宮真貴、渋谷系を歌う。」という副タイトルが、
「いやいや!野宮さんが渋谷系そのものだから!」って、
いつもつっこんでしまいます(笑)。
野宮:
ははは(笑)。
カ:
ぜひ、みなさん、『世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』 を。
お買いもとめはぜひ、タワーレコードでお願いします(笑)!
野宮:
そうですね(笑)。
カ:
最後に、ですね、、、
野宮さん、ボクが以前やっていた渋谷FMの番組「Japanese Soul」に、
2012年に出ていただいているんですよ、
30周年アルバムのご紹介で。
野宮:
そうですね!そのときにお世話になりました。
カ:
いえいえ。
あのとき、番組のいちばん最後に、野宮さんに聞いた言葉があるんです。
野宮:
ええ!
忘れちゃいました。
なんですか?
カ:
「マキのヤボウ」をおしえてください!って。
30周年アルバムにも収録されていた曲のタイトルだったんですけれどね。
野宮:
その時、どんなこたえ方をしていました?
カ:
「あんまりないかも!」って(笑)。
野宮:
なんだそれー(笑)。
カ:
いやいや。
あまりないにしては、いろいろ活動されてますから、すばらしいですよ!
野宮:
やってるでしょー!
30周年の後、「渋谷系を歌いついでいこう!」とおもってから、ずっとやっているんです。
渋谷系といっても90年代のいわゆるヒット曲だけではなく、
渋谷系のルーツだったり、隠れた名曲などもふくめて歌っていこうと。
すばらしい曲がまだまだたくさんあるんですよね。
私が歌っていくいい曲がたくさんあるって。
それでいま、歌っているわけです。

カ:
では、今後もその曲が増えていく可能性がある?
野宮:
そうですね。
まだまだ歌いたい曲がたくさんありますし、
いつかは渋谷系のキーパーソンである”バート・バカラック”さんに作曲してもらうとか、
デュエットとか、、、そんなことが実現したら最高ですけれどねー。
カ:
それが、マキの、、、
野宮:
ヤボウですね(笑)。
カ:
ありがとうございます(笑)!
という感じで、今回のトークショウ、終了させていただきたくおもいます。
“野宮真貴”さんでした!!
野宮:
ありがとうございました!
(おわり)
Photo by healthy(http://www.behance.net/healthy-groove)
□”野宮真貴”アルバム情報
野宮真貴『世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』
・初回盤

価格:¥3,700(税抜)
レーベル:ユニバーサル ミュージック(UICZ-9056)
・通常盤

価格:¥3,000(税抜)
レーベル:ユニバーサル ミュージック(UICZ-4336)
発売日:発売中!
□プロフィール
・野宮 真貴(MAKI NOMIYA)
「ピチカート・ファイヴ」3代目ヴォーカリストとして、90年代に一斉を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、 音楽・ファッションアイコンとなる。
2010年に「AMPP 認定メディカル・フィトテラピスト(植物療法士)」の資格を取得。
現在、音楽活動にくわえ、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍中。
オフィシャルサイト:http://www.missmakinomiya.com/
□”野宮真貴”ライブ情報
『野宮真貴、渋谷系を歌う -2015-。』
~Miss Maki Nomiya sings Shibuya-kei Standards 2015~
日時:2015年11月19日&2015年11月20日
会場:ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/
“野宮真貴”オフィシャルサイト:http://www.missmakinomiya.com/
□「Japanese Soul」アルバム情報
RF 『Japanese Soul』

価格:¥2,000(税抜)
レーベル:タワーレコード(TRJC-1045)
発売日:発売中!
「タワーレコード」オンライン:http://tower.jp/item/3969737/Japanese-Soul
This entry was posted on Thursday, November 19th, 2015 at 12:56 and is filed under Interview. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.