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Interview : May 19, 2010 @ 12:30

畠山美由紀と中島ノブユキの 「のんびりやりましょう!」(後手:中島ノブユキ 篇)

2010年5月23日より今年初となるソロライブ ツアー『Spring Wave~情熱の室内楽にのせて~』を行う畠山美由紀。このツアーでは、映画『人間失格』のサウンドトラックを担当した、音楽家の中島ノブユキとともに全国4ヶ所をまわり、ブラジル音楽やピアソラなどを披露する予定だ。


さて、ひきつづき畠山美由紀さんと中島ノブユキさんのおふたりに、このツアーについてなどのお話を伺っているのだが、、、待ち合わせ時間に遅れてきた中島さんと、それを牽制する畠山さん。一進一退の攻防をくりかえすおふたり。

まるで将棋の大勝負のごとき今回の対談は、はたしてツアーの話に戻ることができるのだろうか。。。




後手:中島ノブユキ



畠山:でも、この編成は中島さんのアイディアですよね。

中島:あまりない編成ですよね。

畠山:なんて素敵なんだろうって。

─カヴァーもやるのですか?

畠山:ブラジルの曲が多いかな。

中島:美由紀ちゃんは、カヴァーはたくさんやっているけれど、アメリカの音楽が多かったというイメージがあるんだけれど。

畠山:そうですね。英語の欧米の、、、いや”米英”の曲が多かったかな。

中島:笹子(重治)さんとのライブは、やはりブラジルの音楽が多いの?

畠山:サンバとか、カンソンですね。あと、「ベサメ ムーチョ」みたいなゆったりめのラテンの感じの音楽とか。

中島:そういった意味では、今回はリズム関係の楽器がないから、傾向がすこし変わったものなるのかもしれないですね。ドラムもいないし、ギターもいないし、パーカッションもいない。

畠山:だから、「曲調がリズムを感じさせる曲があればいいね」って言っていて、いまはまだ考え中なんです。

─ツアーが、東京、名古屋、大阪、岡山という感じですけれど。岡山は”エテパルマ”で、”サウダーヂな夜”の10周年スペシャルということですけれど、”サウダーヂな夜”は畠山さんはけっこうやられていますよね。

畠山:そうですね。

中島:ちなみに”エテパルマ”というのは、ボクのファーストアルバムのタイトルで、”サウダーヂ”の森山さんが彼の二号店の名前として使っているものなんです。”サウダーヂな夜”が一店目、二号店が”エテパルマ”。ちなみに三号店は”城下公会堂”ね。
ボクは、”エテパルマ”のこけら落としに、13人編成のバンドで行ったんですよ、その1日のためだけに。

畠山:ホントに!?スゴいね!
名古屋の”ブルーノート”も久しぶりだなあ。
そういえば、大阪の”KOO’ON”は、音がスゴくいいところなんですよ!

中島:そうなの!?
それは気持ち良さそうだね。

畠山:ちなみに中島さんは、この編成でライブした時の音源は録っているの?

中島:あるハズだけれど、ダレが持っているんだろう。。。
オレもっていないよ。

畠山:わたしも持っていないですよ。

中島:つまり、”あのときの音は、ヒトの記憶のなかにあるだけなんだ”。

一同:おー。

─いや、カッコいいコトバですね〜。

中島:いやいや。
自然に出ちゃうんだよね、こういうコトバが。

畠山:なんかいいコトありました?

中島:ない!まったくない(笑)。

畠山:イーネイーネ!その感じ(笑)。



─おふたりで会うといつもこんな感じなんですか?

畠山:まあ、そうですね。

中島:でも、ふたりでいるときにムッツリしていたら怖いよね。

畠山:いや、怖すぎる(笑)。

─プライベートでもけっこうお会いしているんですか?

中島:最近はないね。って、過去はそれだけ会っていたのか!?って感じだけれど(笑)。

畠山:いや、いっしょに温泉に行ったりしたじゃないですか(笑)。

中島:ふたりでではないよ!

─どちらの温泉に行かれたんですか

中島:伊豆方面です。

畠山:川端康成で有名な旅館とか行きましたよね。

中島:そう!その部屋が一泊5万くらいするんだよね。
そこを覗いてみたら、むちゃくちゃ良かったんだけれど、ワレワレが泊まった部屋は。。。

畠山:増築したみたいな部屋だったんだよね(笑)。

中島:そう!レールカーテンで仕切ったような(笑)。

─そもそも、なぜ温泉に行くことになったんですか?

畠山:それも、呑んでいて。。。「温泉でもいきたいねー」とかなんとかで。

中島:まあ、親睦会ですよ。
そのときに、みんなで散歩していたら、木になっている柑橘類のへんな果実を見つけて、それをもいで持って帰って、夜に焼酎に入れて呑んでみたら、それがすごくマズかったよね(笑)。

畠山:「すだちだ!」とか言って(笑)。

中島:けっきょく、すだちでもなんでもなくて、得体のしれない柑橘。

畠山:もうひとり一緒に行ったんですけれど、その人が次の日すごくお腹を壊してね。

中島:ゲッソリしちゃって(笑)。

畠山:私なんて行った瞬間から「帰る!」とか言っちゃって、ふたりに内緒でコッソリ帰りの電車時間を調べていたら見つかって、「そりゃないでしょー!」ってなって、、、ホントそりゃないよね(笑)。

中島:そりゃないよ(笑)!

畠山:あとは、新宿にもいっぱい行きましたよ。

─新宿!?

中島:新宿の御苑のあたりに、とあるバーがありまして、そこによくリハーサルの帰りに呑んでいたんです。

畠山:よく行ったよね、あそこまで。アナログレコードもたくさん置いてあって、リクエストできるんですよね。

中島:ちがうよ!
リクエストはできないんだけれど、美由紀ちゃんが勝手にリクエストしていただけだよ(笑)。

畠山:そうなの!?

中島:そう!もう夜な夜な行っていったんですよ、3〜4人くらいで。

畠山:みんなが「今日は帰るか」とかいう日があって、私は「チッ!」と思ったから、電話で「CCガールズが来てるよ!」ってウソを言ったら、みんなバーって来たよね(笑)。

中島:そうそう(笑)!

畠山:でも、”CCガールズ”って、時代でしょ!
ボケないように、一年に一回はこの話しているよ。

中島:でも、ボクがスゴく面白いと思ったのは、そのお店で呑んでいて、美由紀ちゃんは最後に必ずお店のマスターにリクエストをする曲があったんですよ。それが「The water is wide」という曲、カーラ・ボノフが歌っている方のね。
ソレをいまだにライブなんかで歌い継いでいるのがいいなと、、、過去の呪縛というか(笑)──。

畠山:過去の呪縛とか言わないでよ(笑)!
でも、今度やる「Estate(夏のうた)」という曲なんかも、中島さんに10年くらい前に教えてもらって、それもやっと今度のライブで一緒にやるんですよね。

─なるほど。
ということは、いままでの集大成というか、途中経過の集大成というか。。。
集大成の”小出し”みたいな感じになるんですかね?

畠山:あまり一般的ではないけれど、ひとつのジャンル感はありますよ。



中島:ボクが勝手に思っているのは、いわゆる集大成ではなく、むしろ美由紀ちゃんのいままで出さなかった別の側面が、きっと出ちゃうんじゃないかな。

畠山:わりと新しい感じなんですよね。

中島:コレを経て、またバンド編成とかに戻るかもしれないしね。

─このカタチは、このカタチで、何かしらつづけて行く予定はあるんですか?

畠山:じつは、中島さんのレコーディングで何曲かやるんです。

中島:すごく不思議なタイミングで、このツアーが終わったくらいに自分のソロアルバムのレコーディングがあるんですよ。だから、今回のツアーの中からの何曲かを、美由紀ちゃんに参加していただいて録るという感じなんです。
いままで聖歌隊的なコーラスは入っていたんだけれど、いわゆるボーカルは自分のアルバムに入れたことがなくて。
だから、今回美由紀ちゃんに入ってもらうことは自分にとっても新鮮。

畠山:タイミング的にも不思議な感じだもんね。

中島:このコンサートの記録というものにはならないだろうけれどね。なんとなくこのカタチで定着したツアーの後に録れるから。

畠山:流れが不思議だよね。
チェロの中村(潤)さんとか、バンドネオンの北村(聡)くんとか、ホントすばらしい演奏者だし、なによりも中島さんのアレンジはホント素敵だからね。

中島:そうだ!アレンジしないといけないんだよね?

畠山:うん、ヨロピク(笑)!

中島:いそぎますよ(笑)!

─中島さんは、わりといろいろなものが遅れがちな感じなんですか(笑)。

中島:そんなことはないですよ!
急ぎがちなんだけれど、遅れがち(笑)。

─急いでいるけれど、遅れちゃう感じなんですね。

畠山:ちょっと分かる気がする。ワタシもそんな感じだから。

─この会話、、、おふたりのコント聞いている感じですね(笑)。

畠山:そんなコトないですよ!
ちなみに、今日は来るの大変でした?

中島:いや、そんなことないですよ。電車、一回乗り換えただけ。

畠山:にもかかわらず、遅れたの(笑)?

一同:(笑)

中島:違うの!ホームの端から端まで歩いてさ。これが大変なんですよ(笑)!

畠山:そういうのありますよね。着いているんだけれど、着けないっていうの。

─面白いですよね。
言いワケじゃないんですけれど、言いワケ”感”がたまらないです。

中島:いやいや(汗)。

─インタビューの合間にせかされる感じは、いかがなんですか?

中島:いえいえ、どんな感じなんでしょうねえ(苦笑)。

畠山:そういえば、書くって言っていたなーって(笑)。

中島:あのね。。。

畠山:なに?

中島:別の話題にそろそろ。。。

─分が悪い感じになって来ましたからね(笑)。

中島:そうね(笑)。




(”いざ勝負 篇”へつづく)



撮影協力=NEWPORT(http://nwpt.jp/

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