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ブラインドからのぞき見た世の中 : May 20, 2016 @ 20:30

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.160『引けない負の法則』



えー、さてー、先日、福井県にある高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の続投を、
政府が表明していましたな。

「もんじゅ」は、2015年11月に原子力規制委員会によって
「運転を安全に行う資質がない」と断定。

つまり、運転主体のダメ出しを勧告されたワケですが、
まったくもって見直しもされないまま半年が経ち、
ナンの代案もないまま政府が続投宣言って、
そりゃーちょっといくらナンでも「関白宣言」より関白すぎじゃありませんかね?


以前にもココで説明しましたが、「もんじゅ」は、例の原子力発電における、
現在は、ほぼ机上の空論となってしまった
「核燃料サイクル」の一環の一部を担っている?ハズの重要なイチ機関。

高速増殖炉サイクルというのは、
高速増殖炉によってウラン238をプルトニウム239に”効率的に”変換し、
また原子発電所の原子炉で発電が行えるという、ウラン資源をより有効に利用できる、
まさに夢のようなシロモノで、
さらに、高レベル放射性廃棄物の量や放射性毒性を低減させるコトができるハズ、、
だったというシロモノですな。


しかし、1995年8月の設立以降、事故やらナンやらで、
一度もまともに機能したコトがなく、
ついには、「運転を安全に行う資質がない」なんていう
“おスミつき”までもらってしまった、
なんとも残念な、
夢だけで続行中の機関なのですよ。


夢をもつのはとてもいいコトなんですけれどね、
でも、そんな運営体制すらもなりたっていないキケンなブツを、
運営もできない政府のツルの一声だけで「続投!」って、
ちょっとおかしな話ですよね。

運営したところで、ダレが、ドウ、
責任を取るのかもいまだにハッキリしていない。

それって、フクシマ第一原発の事故前と、
なんら体質が変わっていないってコトですからね。

まったくもって、ナンなんでしょうか。


現状、運営自体がムリなのであれば、
ドコか大学院とか研究機関に貸し出して、
実用レベルから研究レベルにまで下げればいいだけのコトですよ。

しかし、現状、「もんじゅ」の高速増殖炉そのもの自体が
まったく機能しないワケですから、
研究のしようがないとはおもいますが。。。


それにしても、日本の社会は、
どうもなかなか”引くに引けない”社会構造になってきておりますな。

ダメでした!ってのがゆるされない。

ダメだったら、
一度引いてみて、
別の角度からアタックする。

それでダメなら仕方がないですよ。

もちろん、それ以降につづけて、
いい結果を生む場合もあります。

だけど、なかなか引くに引けない状況に自ら持ちこんでしまう、
いわゆるの「自滅系」がおおすぎです。

とくに、この「もんじゅ」に関しては、
そんなカルマにハマりつつある。

いや、もう完全にハマってますな。


一日約6000万円もの維持費(税金)が、
ナニも生みださないモノに支払われている状況なワケですよ。

と言っても動かせず。。。

壊す(廃炉)にも、費用がかさむし、
それに、その汚染された廃棄物をドコにもって行くの??という問題もある。

その交通整理もないまま、
政府の判断としては動かしたい。。。

もー、どうしたもんでしょうかね?

って、本来なら、政府が悩むべき問題なんですけれど、、、
悩んでいるんですかね。

この「続投」表明からは、「ソコにあるからなんとか動かせ!」的な、
なーんも考えずにススんでしまったようにしか
おもえないんですけれど。。。


残念ながら「もんじゅ」に関しては、
すでに完全に”負の遺産”になってしまっていると、
ワタクシは考えますが、
今回の件、みなさんはどのように考えましたか?




スペクトラム「パッシング・ドリーム」



旅路 良



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