Tokyo News : June 21, 2016 @ 21:45
時間の経過とともに生まれた、儚いうつくしさ──『PROOF』
ポーランドの写真家”トマシュ・グゾバティ”による作品展『PROOF』が、2016年6月25日より代官山「Speak For」にて開催する。
本作品『PROOF』は、彼が使用していた「Polaroid TYPE 55」というフィルムのインスタント写真を用いた作品群で構成されている。
ちなみに、このフィルムは、大判カメラを使用する写真家から愛用されていたこの白黒フィルムであり、撮影時にネガフィルムにくわえて正像のインスタント写真ができるというモノ。
通常、このインスタント写真は処分されてしまうか、ネガフィルムからプリントをする前のイメージ確認用として保管される程度の扱いだったりする。
本展覧会では、”トマシュ・グゾバティ”が保管していたそれらのインスタント写真が、時間の経過とともに起きた偶然の科学反応によって生まれた、あたらしい表現の境地に焦点を当てたという写真展だ。
今回、この展覧会のパートナーとなったのは、世界最高峰のアート出版社と謳われるドイツの「Steidl」社。
そして、同社の設立者である”ゲルハルト・シュタイデル”。
“ゲルハルト”氏は、本展覧会準備のために来日し、会場候補地の選定から展示プランの作成、会場設営方法までをこまかく検証してきたとのコト。
また本展は、全世界の巡回を予定しており、ココ、トーキョーでの展示が世界で最初の場だそうだ。
「Steidl」社から同タイトルの写真集も刊行されるというので、そちらの方も要チェック。
さらに、オープン前日の2016年6月24日には、トマシュとゲルハルトのふたりがそろう、一般入場可能なオープニングレセプションも開催されるというので、ぜひご参加を。
時間の経過とともに生まれた繊細なうつくしさをもつ作品たち。
その儚さを、その眼で。
2016年6月25日-2016年7月1日
Tomasz Gudzowaty写真展
『PROOF』
「不完全性は写真の本質的な部分で、写真の媒体としての忠実性に対する対価でもあり、それはある意味、瞬間の偶然的な介入といえる。このコンタクトプルーフはまさに、『写真性』─写真の本質に不完全性があること─についての証拠として存在している」
トマシュ・グゾバティ
会場:Speak For B1F/B2F
東京都渋谷区猿楽町28-2
開廊時間:11:00-19:00
http://post-books.info/news/exhibition-tomasz-gudzowaty-proof
□2016年6月24日
オープニングレセプション
開催時間:19:00-20:30
会場:
Speak For B1F
東京都渋谷区猿楽町28-2
□プロフィール
・トマシュ・グゾバティ(Tomasz Gudzowaty)
1971年ワルシャワ出身。
これまでに世界100カ国以上を旅し、野生やスポーツ、社会情勢などをテーマに活動をつづけるドキュメンタリー・肖像写真家。
彼の作品はイギリスの『ガーディアン』や『ナショナルジオグラフィック』『British Journal of Photography』『L’Equipe』『イタリアンヴォーグ』などの紙面で発表されてきました。数多くのコンペティションにおいてグランプリ受賞やファイナリストに選ばれるなど、世界中で高く評価されています。
2016年には作品集『Beyond the Body』と『Closer』が「Steidl」社から出版されています。
http://gudzowaty.com/
・ゲルハルト・シュタイデル/Gerhard Steidl
1950年ゲッティンゲン出身。
1967年にデザイナー、出版人としてのキャリアをスタート。
1968年、出身地であるドイツのゲッティンゲンで「Steidl」社を創設、美術展のポスターの印刷から着手し、”ヨーゼフ・ボイス”などのアーティストが顧客に。
1972年に初となる書籍を出版。以降、政治、ノンフィクションから、文学、厳選されたアートや写真の本へと活動を広げつづけています。
参考:ドキュメンタリー『世界一美しい本を作る男』
http://steidl-movie.com
□主催
・「Steidl」社
“ロバート・フランク”から”カール・ラガーフェルド”、”ロバート・アダムス”、”エド・ルシェ”、”ロニ・ホーン”、”ルイス・ボルツ”、”ユルゲン・テラー”、”ジョエル・スタンフェルド”、”ブルース・デヴィッドソン”などの著名作家のほか、若手のアーティストや写真家たちの作品集を精力的に手がけています。
Steidl Publishers
Düstere Straße 4 37073 Göttingen
Germany
TEL. +49 551 496060
http://steidl.de
□協力
株式会社limArt
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
T 03 3713.8670
http://post-books.info
This entry was posted on Tuesday, June 21st, 2016 at 21:45 and is filed under Tokyo News. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.