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Movie Life : May 22, 2018 @ 21:14

MOVIE LIFE 158『スリー・ビルボード』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画を中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)



MOVIE LIFE 158『スリー・ビルボード(原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)』




その看板広告は、嵐の前ぶれだった──



□ストーリー

アメリカのミズーリ州の田舎町をつらぬく道路にならぶ、3枚の広告看板。

そこには、地元警察への批判メッセージが書かれていた。


7カ月前に何者かに娘を殺された”ミルドレッド”が、
ナンの進展もない捜査状況に腹をたて、
警察署長の”ウィロビー”にケンカを売ったのだ。


署長を敬愛する部下や町の人々から抗議を受けるも、
一歩も引かないミルドレッド。

町中が彼女を敵視するなか、
次々と不穏な事件が起こりはじめ、
事態は予想外の方向へと向かうのだった──。







□オレ意見
評価:☆☆☆(満点は5個)



世界各国で高い評価をウケた本作。

日本での公開もロングランとなり、
話題となっているコトはごぞんじの通りだろう。


主役は、”コーエン兄弟”がメガホンをとった名作『ファーゴ』で、
妊婦の女性署長”マージ”を演じた”フランシス・マクドーマンド”。

今回もかなりいいアジを出しすぎの演技に、
あいかわらずホレボレしてしまう。


要は、アメリカのミズーリ州のなかでもかなり閑散としたイナカ町エビングで、
ナニもないイナカ道ぞいに立つスタレきった看板広告に、
町のヒトたちが敬愛する権力者?に歯向かったコトバの広告を出したコトを発端に、
町中が彼女の口をとざさせようとする、、というハナシなのだが。。。

アメリカっぽいっちゃ、アメリカっぽいけれど、
わが国ニッポンもムラという概念でいえばココと変わらんカモね。

ダレもが波風を立てることをキライ、
問題がおきていても見て見ぬフリ。

みんなの感心は、
メンドーが自分にフリかからないように、
ヒッソリと目立たないように生きていくコト。

そして、マトモなコトを言っているヒトに対して、
カンケーないのに逆に非難してくるイナカカルチャー。

ぬるま湯につかっていていながらも、
ソレがぬるま湯とも感じられないくらいマヒしたヒトたち。

出るクイは打つカルチャーはドコの国も一緒やねー、、、
観ていてホント嫌気がさす。


内容的には、サスペンス?、、、といえば、サスペンスだけれど、
これはむしろヒューマンドラマの要素の方がつよいかな。

ところどころにイナカアルアルな、
シニカルでコミカルすぎる強烈な要素がシミ出ているので、
その部分があまりにもオモシロく、
まったく飽きるコトなく、
約2時間を観れるのがこの作品のスゴいところかと。

まさに『ファーゴ』っぽさを感じる。


個人的には、
ひさびさに見た警察署長の”ウィロビー”役で登場した”ウッディ・ハレルソン”、
差別主義者でまったくもってつかえない警察官”ディクソン”役の”サム・ロックウェル”、
『チャーリーズ・エンジェル』でロックンロールな”エリック・ノックス”を演じたカレね、
カレらがかなりいい感じの役どころ、、、
もうコントでしかない警官コンビだったのがヨカッタかな。

それと、”ウッディ”の髪が、、、
だいーぶ無くなっていたのが残念っちゃ残念だったけれど。


そんなワケで、イナカのイヤーな部分満載のイナカ劇の本作。

しかし、ナンてコトないおハナシなのにナゼかドキドキしちゃう、
そんなスバらしい作品なのだ。









2018年 2月1日より全国ロードショー!

『スリー・ビルボード』





監督:マーティン・マクドナー

出演:フランシス・マクドーマンド/ウッディ・ハレルソン/サム・ロックウェル/アビー・コーニッシュ/ジョン・ホークス/ピーター・ディンクレイジ/ケリー・コンドン/ほか


オフィシャルサイト:http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/


©2017 Twentieth Century Fox



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