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Interview : August 30, 2018 @ 19:15

SCOF「波よせて」7インチリリース記念トークショウ!──「スモサとワタシ」(中)



2018年4月に7インチレコードで「波よせて」をリリースした、”アズマリキ”と”ムトウサツキ”のふたりによる音楽ユニット”Small Circle of Friends”こと”スモサ”。


”クラムボン”がカヴァーするなど、リリースから20年以上経ったいまも福岡が生んだ名曲としてクラブやカフェなどを中心に流れている。


ひきつづき、2018年7月16日に開催された『「波よせて」リリースライブツアー in いわき(福島県)』内でおこなわれた、本誌編集長の”カネコヒデシ”と”スモサ”のおふたりによるダラダラ、グダグダのトークショウの中編。


トクとご笑味アレ。






─「波よせて」の制作についてのはなしになりますけれど、どういう感じでつくられていったのでしょうか?
トラックが先だったのでしょうか?リリックが先だったのでしょうか?


アズマ:えーと、、メロディですね。
単純な”ウェイバ〜、ウェイバ〜”と、”波よせて〜”の部分が最初にできて、
あとはベースラインだけが存在していて、それを元にギターを入れてという形でした。

サツキ:そうですね。

アズマ:それからラップの方の歌詞を書いていった感じです。


─では、トラックありきの、歌詞を乗せていったという感じですね。


アズマ:
そうですね。
トラック、もしくはサビの言葉です。
“波よせて”という言葉にあわせて書いていったんじゃなかったかな?
ハッキリとおぼえてはいないのですが。

サツキ:でも、ギターのあのフレーズばかりが特化されて、
いまでもそういう風にいわれるんですけれど、
ドチラかというとカリンバのフレーズの方が先に頭にあって、
それで歌の部分のフレーズが出たというか感じなんです。
それにフィールド(レコーディング)ものをノせて、、、という感じなんですよ。


─そういえば、”スモサ”のトラックのつくり方って、どういう感じでヤラレているのでしょうか?
普通のヒップホップだとネタものがおおかったりしますが。


アズマ:はい


─むかしは、サンプリングをやられてたかもしれませんが、最近はちがいますよね?


アズマ:
いや、あのー、サンプリングしていますよ!


─そうなんですね。
わりとイヂってわからない感じにしているという感じなのでしょうか?


アズマ:
んー、ナンでしょうね〜。
われわれのキャラクターもあるのかもしれませんが、
あまりネタ的なハナシをされないんですよ。

サツキ:そうですね、されないですね。
良くも悪くも。





アズマ:でも、2通りありますね、
健盤を弾きながら、いい感じになるまで探っていくときもあるし、
サンプリングからスタートするものもあるし。


─なるほど。
一番最初はU.F.O.(United Future Organization)のレーベル「Brownswood」からリリースされたコンピ『Multidirection』に「Sittin’on the Fence」が収録されたワケですが、当時、コレを聴いたときに「なんだこの人たちは!?」っていう、ちょっとしたあたらしさを感じたんです。
(ボクの好きな)ジャズベースのヒップホップって、なかなか当時はそこまでひろまってなくて。。。



V.A.『Multidirection』


アズマ:
あー、


─ソウルベースのヒップホップはたくさんあったのですが。


サツキ:
はいはい!


─それで引っかかったというのがあります。
「ナンだこの人たちは?」って。
ソコからどんどんハマって、
人生をまちがったワケなんですけれども(笑)。


サツキ:
まちがえたんですか(笑)!?





─ええ、まあ(笑)。
コレは、、、93年でしたっけ?


サツキ:そのころはわたしたちまだ福岡にいたんです。
デビューして最初の5年は。


─”U.F.O.”の3人との出会いって、ナニがキッカケだったのでしょうか?


サツキ:もともとDJをしていて、
自分たちのDJイベントで”荏開津 広”さんとか、スカパラの”青木達之”さんとかをゲストでお呼びしていて、
そういうヒトたちの中の”U.F.O.”だったんですね。

アズマ:そうです。今回は”U.F.O.”を呼ぼうって。。。

サツキ:結果、たぶん一番呼んでいるのがカレらだと思うんですけれどね。
そのなかで、カレたちが曲をつくっていくワケですけれど、、、
なんかいいなーみたいな。

アズマ:マネしたいなーと。


─それがキッカケだったんですか?


サツキ:そうです。
ちなみに一番最初の曲はインスト曲だったんですよ。

アズマ:“U.F.O.”っぽい感じの曲を。。。

サツキ:つくっていましたね。


─もしかしたら、来ている方でU.F.O.を知らない方がいるかもしれませんが、「LOUD MINORITY」ですね。
コレがカレらの代表的な曲なんですけれど、ナーント!音の切り貼りで曲をつくっていったという、じつはエディットミュージックだったんです。
つまり、エディットミュージックのジャズが世界的に認められたという、、、ちょっと不思議な状況だったんですよね。



United Future Organization『LOUD MINORITY』


アズマ:そうですねー。


─カレらが演奏しているワケではなく、
ミシェル・ル・グランの曲をネタにつかったりしていたんですけれど。
というコトは、エディットミュージックをやろうという感じではじめられた?


サツキ:
最初はそうですね。

アズマ:こういう曲だったらできるかな?というのもあって。
ふたりともDJはやっていましたし、
レコードもあったので、とにかくサンプリングして。。。

サツキ:歌うつもりは全然なかったんですよね。

アズマ:ですね、最初は。


─そうなんですか?


サツキ:ホントに歌う気はなくって、、、いま歌っているのが不思議な感じなんですよ。

アズマ:そうですね。
「曲をつくっているんですよ!」ってU.F.O.に言ったら、
「じゃあ聴かせてよ!」と言われたので、それから何回か送ってみたら反応がよくって。
それで、「今度、コンピを作るかもしれないから」という感じになってですね、
「その時にもし気にいったら入れるから」と言われて。。。
ただ、われわれもこのままカレらのマネをしていても引っかからないだろうなとおもって、
それなら歌とラップを入れてみようというコトになり。
もちろん、ふたりとも経験もなかったんですけれどね。


─アレは経験なしのラップだったんですか!?


アズマ:そうです!

サツキ:ぜんぜん!
歌も合唱部とかには、、いましたけれど(笑)。


─いたんですか(笑)??


サツキ:はい(笑)。
でも、ぜんぜん歌うつもりもなかったし、
ラップももちろん。。。

アズマ:そうですね。

サツキ:なんなら探していたのね。

アズマ:ラッパーとか。

サツキ:ラップのできるヒトがいるかな?歌ってくれるヒトいるかな?って。





─いわゆるプロデューサー的な立ち位置として、
フィーチャリングみたいな感じだったんですね?


サツキ:そうですねー。


─それで、、、ナゼ自分たちでやろうと?


サツキ:いなかったー(笑)。


─いなかった(笑)!


アズマ:まあ、ちょっと興味はあったんですよね。
自分たちでやってみたいみたいなと。

サツキ:それで歌ったら、
『Multidirection』に入ったという。。。






(後編へつづく)
PHOTO BY YOICHI WATANABE






□プロフィール

・Small Circle of Friends





ムトウサツキとアズマリキの二人組。
1993年、”United Future Organization”のレーベル「Brownswood(日本フォノグラム)」よりデビュー。以来、11枚のフル・アルバムをリリース。
2005年にはインストゥルメンタルに特化したサイド・プロジェクト「STUDIO75」をスタートし、英国の人気DJ、ジャイルス・ピーターソンもラジオ・プログラムにてプレイするなど、世界的な評価を得た。
2007年、洋服ブランド「75Clothes」をスタート。
2016 年、自身のレーベル「75Records」よりSmall Circle of Friends、11枚目のアルバム『Silence』リリース。4曲目「Summer Song」は、オランダのpopマエストロ「Benny Sings」をフィーチャー。7インチアナログとして2017年の夏にMUSICAÄNOSSAレーベルよりリリース。
2017年10月25日、「STUDIO75」の4枚目のアルバム『Over Your Shoulder』をリリース。
代表曲「波よせて」は21thを迎え、2018年4月16日、7インチアナログでリリース。

オフィシャルサイト:http://www.scof75.com/


□リリース情報

・Small Circle of Friends
『波よせて -waver』





価格:¥1,700(税込)
レーベル:scof75(scof- 003)
発売日:2018年4月16日

トラックリスト:
A面:波よせて -waver
B面:波よせて -waver(Instrumental)


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