Interview : August 24, 2010 @ 20:22
“DUB AINU BAND” OKI インタビュー 『SAKHALIN ROCK』後編
トンコリ奏者のOKIが、4年ぶりのアルバム『SAKHALIN ROCK(サハリン ロック)』をリリースした。
今作では、”サハリン(樺太)”への旅や、マルコス・スザーノとのブラジル録音のほか、いままであらゆる土地で行ったライブや旅など、OKIが想う”いま”の終着点が表されている。
ひきつづき、世界各地でおこなったライブの感想、そしてこれからのOKIについてなど、いろいろとお話をお訊きした。
─世界の各地でライブに行かれてますが、ココは面白かったというような土地はありましたか?
いやー、全部面白かったですよ。
全部違いますね。
─スペインはどんな感じだったんですか?
スペインは相当いいんじゃないですか!
食い物はおいしいし、適度にお行儀悪いし、楽だよね。
好きだなー。
─スペインはどんなところでライブをやられたんですか?
カタローニャ地方の都市と、あとアルハンブラ宮殿があるグラナダ。
スペインって、意外に砂漠なんだよね。
─植物が茂っているイメージがありますけれど。。。
モロッコと一緒ですよ。
南の方のスペインは、昔、イスラム圏だったから、アルハンブラ宮殿って世界遺産になっているけれど、イスラム建築なんだよ。だから、アフリカ的。
ジプシーとかフラメンコとかあるけれど、むしろジプシーの音楽は、アフリカ的だし、インド的だし、中東の感じもある。
いろんなモノが混ざっていて、、、あれも究極のミックスチャー音楽だね。
─スペインのお客さんはどんな反応だったんですか?
スペインのグラナダでやったときは、マズいことにさ、ライブをやる前の日にフラメンコを観に行っちゃったの、スゴいヤツを。
どこでどうやればこうなるの!?っていうのの連続なんですよ。リズムはワケわからないし、こんなのを聞いている人たちの前で、演奏できるのかって。それがすごいプレッシャーで。
なんか、ワールドカップで超強いチームの前でビビる日本チームみたいな感じ(笑)。
─ビビちゃったんですか?
ビビりましたね、スゴくビビった。
─そんなにスゴかったんですね。
いやいまはビビらないでできますけれど、あの時はビビったよね。で、演奏もやっぱりちょっと萎縮したね、あの日は。心残りだよ。
でも、そのつぎがポルトガルでライブだったんだけれど、ビーチでのフェスで、1万人くらいいたかな。あれはスゴかったなー。
それで巻き返したんですけれどね。
─いまこの『サハリンロック』が出来上がって発売していますけれど、もう次へむけて動いていらっしゃるんですか?
いまもコレの反省をしつつ、、、つぎは全部日本語でポップスかな(笑)。
─おっと(笑)!
しかも、全部ラブソングとか(笑)。
─えー(笑)!!
トンコリを弾いていないものをつくろうかな、と。
トンコリを持っていなくても、ミュージシャンとして、通用するかを試したいなと思ってさ。
失敗したりして(笑)。
─そんなコトはないと思いますよ(笑)。
あとは、アイヌの4人組の女の子で”マレウレウ”というユニットがあるんだけれど、彼女たちのプロデュースと、Jah Wobbleといちまいつくろうかという話があって、彼とのレコーディングもあるし。
あとはアメリカインディアンのダンサーの公演のサウンドづくりがあり。
とか、いろいろとプロジェクトがありますね。
─わりとたくさんのプロジェクトを同時にゆっくりすすめていく感じなんですね。
今回、6ヶ月間、経済活動をしなかったんですよ。
要するにライブをやらなかったんだけど、ホントは3ヶ月で仕上げるはずだったんです。
オレもふくめてみんな金に換算しすぎるから。アーティストとしては金に換算していくとダメなんですよね。金に換算するならば、3週間で曲づくり、で、ミックス3日で、マスタリング1日、デザイン3日でやった方がいいんだよ。
採算度外視してつくったので、買って損はないし、聴いて損もないと思う。
─というか、むしろコレを買え!っていいたいですね。
オレの見返りはやはりこの『サハリンロック』の評価をもらうことだし、それがスゴくうれしいんですよね。
でも、コレを3週間で仕上げたら大物ですよ。
─コレは無理じゃないですかね?
無理っすね(笑)。
─ははは(笑)。
いま不況とか言っていてさ、仕事がないんだったら、仕事のかわりにやることがあるような気がするのよ、みんなも。経済に全部換算しなくても、いつか還元できると思って打ち込めはいいと思う。
じつはコレで一番言いたかったことは、「好きなことを貫けば活路はあるぜ!」っていうメッセージ。全部コレの資金が回収できたらの話なんですけれどね(笑)。
でも、一番言いたいのはソコ。
─言いたいことは言うべきですよ(笑)。
アルバムを待っていてくれる人もいるからね。
4年ぶりだしさ、良いモノをとどけたかったよ。
今回は、ある意味みんなのためにも頑張らなきゃという感じでつくりましたね。
─そうなんですね。
人によっては良いコトもあり、悪いこともあって、たぶん最近は悪いことの方がおおいんじゃないかと思うんだ。閉塞感っていうのがあるでしょ、行き詰まり感というかさ、それはオレも一緒。
でも、オレにはトンコリとかさ、サハリンとか、みんなが持っていないキーワードがあるお陰で、やれているんだよね。そこには感謝しているよ。やっぱり、みんなにもクリエーションを発揮してもらいたいし、そういうメッセージなんだよね。
なんか、、、”オレ様節”炸裂なんですけれど(笑)。
─いやいや(笑)。
でも、OKIさんの曲って、聴いたらOKIさんの曲だって分かる。
名前をふせて聴いても、分かるからすばらしいですよ。
よかった!
あとはレベルアップだよね。
─え!
ワールドカップじゃないけれど、世界にはスゴいヤツがいすぎてさ。
海外のフェスに出るでしょ?それがオレにはワールドカップ的なワケよ。
予選とか、順番もなにもないけれど、勝ったか負けたかは一番自分がわかっている、そこで全然ダメじゃんとか思ったりね。海外で恥をかいていますよ。
だから、恥をかかないようにね。
─「旅の恥はかき捨て」とはいいますけれどね。でも、そんなことないんじゃないですかね。
また海外に行きたいんだけれど、海外のフェスがしょぼくなっちゃって。。。
ヨーロッパ経済は深刻っぽいですね。
オレ、アメリカじゃなくって、ヨーロッパなんですよ、やっぱり。
だから、ちょっときびしいすね。
まあ、それはどんな業種も一緒なんだけれど、みんなそれぞれの分野で頑張ろうよ!という感じなんです。
アーティストって、特殊な環境で、特殊な良い思いをしているところもあるけれど、実生活はおなじだし。上流でも、中流でもないしさ。どん底ではないんだけれど、下の上っすよ。
みんな、そうでしょ?
─そうですよ。
下の上あたりの『革命』なんだよ、これは。
“下の上”が金を使いまくるとか、、、そこがロックだよね(笑)。
─まさに!
攻めと守りのバランスは、際どいところにいますけれどね。
でも、やっぱり元気が一番じゃない?病気しないとか。
─体が資本ですよね。
そう!資本!!
気持ちは、もう挫折気味ですけれど。
「ダメだなー、またこんなのつくっちゃったよー」みたいなね(笑)。
─そんななんですか(笑)。
それに、アイヌのなかでも異端なのね。
日本でも異端なんですよ。
どこにもオレって属せないんだよね。
─”唯一無二の存在”ということですよね。
どこかとつるみたいんだけれどさ。でも、レゲエでもないしさ、立ちイチが難しいよ。
アイヌのなかでもアンダーグランドで、みんなオレのことは知っているけれど、詳しくはしらないと思う。アイヌでダブ聴いているヤツなんてほとんどいないし。そこでもはやズレているじゃないですか、オレ(笑)。
─たしかに(笑)!
他の音楽も聴きますけれど、365日筋トレみたいに毎日レゲエ聴くんですよ。聴かないと具合が悪くなるから、好きなんだよね。
スライ&ロビーとか、、、スライ・ダンバーのドラムが好きなんだよ。レゲエというか、レゲエドラムが一番好きだわ。
─曲を聴く時は、メロディーラインよりは、ビートが直に入ってくるんですか?
そんなことないですけれど。
でも、生まれ変わったらドラマーになりたいと思っているからね。
単にドラム全般が好きなんだろうね。
「konkon」という曲では自分で叩いているよ
─今日は、いろいろとお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
コチラこそ。
(“DUB AINU BAND” OKI インタビュー 『SAKHALIN ROCK』 おわり)
OKI DUB AINU BAND
『SAKHALIN ROCK』

レーベル:CHIKAR STUDIO(CKR-0116)
価格:¥2,940(税込)
発売中!
>>>レビューはコチラ
OKI DUB AINU BAND
“SAKHALIN ROCK TOUR 2010″
2010/9/3(金)渋谷 クラブクアトロ
2010/9/9(木)函館 Blue Point
2010/9/10(金)札幌 ジャスマックプラザザナドゥ
2010/9/11(土)阿寒湖 オンネチセ
2010/9/12(日)知床 CAFE PATH(OKI special solo live)
2010/9/17(金)京都 MUSE
2010/9/18(土)岡山 城下公会堂(OKI special solo live)
2010/9/21(火)山形 SANDINISTA
2010/9/25(土)大阪 Zettai-Mu the 15th Anniversary 2010
OKI

アサンカラ(旭川)アイヌの血を引く、カラフト・アイヌの伝統弦楽器「トンコリ」の奏者。
自 らの製作するトンコリに改良を重ね、その後エレキ化に も成功し、そのトンコリを武器として世界を舞台に知られざるアイヌ音楽の魅力を知らしめてきたミュージシャン/プロデューサー。ソロ活動に加え、自身が率 いるDUB AINU BANDでは世界最大規模のワールドミュージック・フェスとして知られるWOMADへの参戦や、日本国内でも数多くのフェスに出演(FUJI ROCK、朝霧JAM、RISING SUN ROCK FES、渚音楽祭、SUNSET等)。
2010年7月には4年ぶりの待望のニューアルバム『サハリン・ロック』をリリース。
http://www.tonkori.com/
photo by Ishida Masataka
SAKHALIN ROCK
This entry was posted on Tuesday, August 24th, 2010 at 20:22 and is filed under Interview. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.












