Tokyo News : April 8, 2011 @ 01:50
今年もヤリマシタ!第三回映画館大賞が発表!!
北は北海道から南は沖縄まで、全国つつうらうら映画館スタッフの投票によりスクリーンで観てほしい映画のベストテンを決める映画賞「映画館大賞2011」が発表された。
「映画館大賞」は2009年に発進し、今回で第三回目を迎える。
今年の「映画館大賞2011」は、2009年12月から2010年11月末日までの公開作品を対象に、全国の130館の独立系の映画館が投票に参加。
この度、そのベストテンが決定した。
特別部門の「あの人の1本」は、黒沢清監督、女優の夏木マリが参加し、それぞれのもっとも印象に残った1本が選ばれ、さらに特集上映・リバイバル上映された旧作のうちもっとも鮮やかに蘇った1作を決める「蘇る名画」では、映画評論家の山根貞男がゲスト選定者だった。
ということで、以下、映画館大賞2011ベストテン作品。
□映画館大賞2011ベストテン作品
(以下20位まで)
1位『告白』中島哲也監督
2位『息もできない』ヤン・イクチュン監督
3位『アバター』ジェームズ・キャメロン監督
4位『トイ・ストーリー3』リー・アンクリッチ監督
5位『インセプション』クリストファー・ノーラン監督
6位『悪人』李相日監督
7位『第9地区』 ニール・ブロムカンプ監督
8位『オーケストラ!』ラデュ・ミヘイレアニュ監督
9位『十三人の刺客』三池崇史監督
10位『瞳の奥の秘密』ファン・ホセ・カンパネラ監督
11位『キャタピラー』、12位『海炭市叙景』、13位『(500)日のサマー』、14位『川の底からこんにちは』、15位『借りぐらしのアリエッティ』、16位『ハート・ロッカー』、17位『インビクタス/負けざる者たち』、18位『春との旅』、19位『ぼくのエリ 200歳の少女』、20位『おとうと』
□特別部門
・「あの人の1本」
著名人が選ぶ、2010年にもっとも印象に残った1本
黒沢 清 監督
『第9地区』ニール・ブロムカンプ監督
「難民のような宇宙人が地球に飛来、ゲットーを作って住み着き、人間はたいへん迷惑する、、、と事前に聞いていた内容は冒頭のほんの5分だった。ここから映画が始まり、見る間にまっとうな活劇としての体裁を整えていく。立派な映画だ。とりわけ宇宙人と人間とが協力して敵の基地に潜入するシーンは、ジョン・カーペンターかと見紛うばかりの感動で泣きそうになった」
夏木マリ
『闇の列車、光の旅』キャリー・ジョージ・フクナガ監督
「私はロードムービーの旅が好きだ。主人公と一緒に知らない世界を見る興奮。しかしながら2010年は過酷な旅を経験した。『闇の列車、光の旅』は、この年私にとって一番の衝撃作だ。製作は人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ。監督がキャリー・ジョージ・フクナガ。この製作人達は少女と少年に命がけの危険な旅をさせる。南米、ホンジュラスに住む少女サイラはよりよい生活を求め父とアメリカを目指すが、移民生活の過酷な現実の中で少年と出会い、ある事件をきっかけに2人は強くなっていく。監督は自ら不法移民と旅をしてリサーチしたという。今、現実にこんな世界があるという事実。結末の感動はどんな旅より私は自由になれた」
・蘇る名画
『骨まで愛して』(1966)
ラピュタ阿佐ヶ谷「歌謡曲黄金時代 1960’s」特集より
選定者/山根貞男(映画評論家)
「60年代の日本映画には、「歌謡曲映画」と呼ばれるジャンルがありました。ヒットした歌謡曲をもとに映画が作られ、その映画が人気を博し、今度は挿入歌がヒットする。時にはシリーズ化もされる。歌謡曲と映画が密接に結びついていた時代です。東映の「夜の歌謡シリーズ」を代表する『夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース』(68)や、倍賞千恵子が主題歌と主演をつとめた山田洋次監督の初期作『下町の太陽』(63)など、幅広い歌謡曲映画を30本集めたラピュタ阿佐ヶ谷の特集「歌謡曲黄金時代 1960’s」の中で、映画ファンにもう一度観てもらいたい作品として『骨まで愛して』(66)を選びました。城卓矢の大ヒット曲をモチーフに、作詞家自身が脚本を書き、渡哲也、松原智恵子、浅丘ルリ子、宍戸錠らスターを集めて斎藤武市が監督。誰でも口ずさめるぐらい大衆に浸透していた歌の力と、どんな題材でも映画にしてしまう当時のプログラムピクチャーの勢いが感じられる、コテコテの歌謡曲映画です」(山根貞男氏談)
□関連イベント ~「蘇る名画」部門より~
2011年4月28日(木)
オーディトリウム渋谷(KINOHAUS 2F)にて『骨まで愛して』上映とトーク・イベントが開催。
ゲストには俳優の宍戸 錠が登場!
聞き手/山根貞男
□映画館大賞2011 ~2010年を象徴する映画~
今年はベストテンに加え「2010年を象徴する作品」のコーナーを新設。
劇場からは数々の作品名が挙がったが、もっとも多くの票数を得たのは『アバター』。
各劇場スタッフからのコメントを公式HP上で発表中。
映画館大賞2011 公式HP:
http://www.eigakanshugi.com/eigakantaisho/
※独立系映画館とは ミニシアター、街なか映画館、地域型シネコンなど、個人経営、NPO、または地域資本による映画館を総称する呼び名。
※映画館大賞とは
日本全国の街角で365日観客に映画を届ける映画館スタッフが選ぶ、日本で初めての映画賞。
2010年に封切られた作品の中から、洋画/邦画、メジャー/インディペンデント、自館での上映の有/無の区別なく、純粋に「映画ファンにスクリーンで観てもらいたい」作品を、情熱とこだわりを持って映画をセレクト・上映している映画のソムリエたちが選ぶ。
©花くまゆうさく
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