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ブラインドからのぞき見た世の中 : June 23, 2011 @ 03:13

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.43『見通しなしを見通す』



経産省は、先日、原子力発電をエネルギー供給の「3本柱のひとつとする」との方針を出しましたね。
「あーぁ、やっちゃったよ!」と思ったのはワタクシだけでしょうか?


福島原発の事故で、アレだけ安全対策なんてなかったことを証明してしまったにも関わらず、まだつづけようとしているんですね。


毎日のテレビのニュースでは、事故が収束の方向に向かっているかのように伝えていますが、現状まったく見通しが立っていないのが事実です。


つまり事故後の対策も何もない、いやなかったというワケですよ。

しかも、事故が起きても、隠蔽ばかり。


国際原子力機関(IAEA)は、今回の原発事故を受けて、レベル7までしかなかった評価をレベル8まで新設するみたいですね。
って、レベル8ですよ、奥さん!


それにも関わらず、いまだ原発に頼るなんて、、、何なんでしょうかね、このやるせなさ。

“怒り”を通り越して、”アキれ”になってきてしまいました。


本当の安全対策が作れないのであれば、はやめにエネルギーシフトを考えるべきだと思います。
そっちの方が、よほど未来を感じますね。

たしかに原発がなくなるとエネルギー面での不安はあります。
エネルギーに関して、あまりよく分かっていないワタクシにだって不安があるワケですから。

でも、恐らくそれは教育による、、、言ってしまえば”洗脳”に近い感じのものによる、思い込みだと思います。
テレビでもバカみたいに「原発は日本のエネルギーの3割を担っています」とくり返して、我々に”刷り込み”をしていますからね。

しかし、「明るい未来のエネルギー」のはずだった原子力は、いまや「暗い過去のお荷物」となってしまったワケです。


ボクの福島の友人は、毎日線量計を持つことに決めたそうです。

結局、信じられるのは自分の持っている線量計だけだからとか。
彼は、今後生まれてくる自分の子どもには、毎月がん検診を受けさせたいとも言っています。

残念ながら、正しい判断だと思いますよ。


もちろん、それに対して「やり過ぎだ」と思う方もいらっしゃるかもしれない。
でも、実際に住んでいる人にとっては、毎日が心配そのものなワケです。

「引っ越せばいいのに」と、言う人もいるかもしれませんが、それはなかなか簡単な問題ではないことを理解していただきたい。

毎日線量計を持たなければ不安になるような、こんな状況にしてしまったにもかかわらず、いまだ安全対策の”た”の字もない状態のまま、原発を稼働しつづけることに未来があるのでしょうか。


ちなみに、現在発表されている放射線拡散状況は80キロまでなんですけれど、なぜ80キロまでしか出さないのかも意味が分からないですよね。

風向きによっては、宮城などの北方面の津波被災地にも行っている可能性は否定できないハズ。
原発から350キロほど離れた静岡のお茶からセシウムが検出されたワケですから。

これって、もちろん首都圏の上空を通っているワケですからね。
すでにいろいろなモノがわれわれの生活圏に降りそそいでいるにも関わらず、いまだ原発からの風向き情報や首都圏各地の放射線量は、テレビでやらないという状況なワケです。


それに、あまり報道されていないですが、福井県にある高速増殖原型炉「もんじゅ」も数年前に起きた事故から、相も変わらず収束の見通しすら立っていない。
ここの維持費だけで年間いくらわれわれの税金が支払われているのか。
そろそろレンポー氏に仕分けしてほしいものです。

浜岡はじめ、ほかの原発もナンダカンダと細かーい問題がチラホラ起こっていますよね。
しかも、そのほとんどが人災。

ウーム。。。
こんな見通しのない状況しかなくて、「まだ言うのか!」って感じです。


エネルギー問題は、たしかに日本の産業を支える大きな問題ではありますが、日本の”人”を支えずして産業はなりたたないのも事実です。


なかなか簡単ではないことは重々承知の上ですが、ゴミ処理場の火を発電に利用するとか、福島原発の20キロ圏内に太陽エネルギーのパネルを置くとか。。。

そんな感じで、なんとか原発エネルギーを、シフトする方向で解決してほしいものです。

みなさんは、どう思われますか?


荒井由美「天気雨」


旅路 良



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