Interview : July 5, 2011 @ 02:55
13年ぶりにアイツが帰ってきた!──”かせきさいだぁ”インタビュー(前編)
ポップ王子こと”かせきさいだぁ”が、13年ぶりに3rdアルバム『SOUND BURGER PLANET』をリリースした。
相も変わらずすばらしいシティポップチューンに、もう胸がキュンキュン。
とにかく13年のブランクを感じさせない、すばらしいアルバムとなっている。
彼は13年もの間、何を思い、何をしてきたのか?
いろいろと伺ってみたインタビューの前編。
─さて、13年ぶりのアルバムとなってしまいましたが、なぜ13年経った今、3rdアルバムを出そうと思ったのですか?
実は、自分で出そうと思った訳ではなかったんです。
2ndアルバムを出した後に、当時の事務所から「お金が掛かるから、サンプリングで曲を作るのをやめてほしい」と言われて。。。でも、ヒップホップはサンプリングスポーツなので、”かせきさいだぁ”名義でやるには、他にやり方を考えなければと思って、その時はとりあえず様子を見ることにしました。
─なるほど。その間はどんな活動をされていたのですか?
“ホフディラン”のワタナベイビーと”Baby&CIDER≡”というユニットをやったり、”ヒックスビル”の木暮(晋也)さんと”トーテムロック”というユニットをやったり、音楽的な活動はいろいろやっていましたよ。
─どのタイミングで再活動を考えられたんですか?
5年くらい前から、(今回、CDをリリースしたレコード会社の)バウンディの竹田さんが、「かせきさいだぁ名義のCDを弊社から是非!」って言ってくれていて。それと今回、バックバンドをやってくれている”ハグトーンズ”のメンバーも30代の若い人たちなんですが、「バックバンドやりたいです!」ってずっと言ってくれていたんです。でも、その時は曲も作っていなかったし、何もやっていなかったんですけれどね。
でも、2年半前くらいにちょうど絵の個展をDOARATというお店とコラボでやることになったのですが、その個展のイベントで、かせきさいだぁの復活ライブをやったんです。そのライブで”かせきさいだぁ”の昔の曲をセルフカヴァーするのと、今回収録された「ネェ What do you want ?」を作っていたので、それを新曲でやろうと考えて──。それならと思って、”ハグトーンズ”のメンバーに声をかけて、一緒にアレンジを考えたんですけれど、それがすごく良かったので、そこから再活動が始まったという感じです。
そんなことしてたら、ライブも呼ばれるようになって、どんどん本数も多くなっていったので、昔の曲もセッションして違う感じでやってみたり、新曲をつくったりで、気がついたらレパートリーが増えていって、、、バウンディの竹田さんが「(アルバムを)出せるじゃないですか!」って。
なので、「じゃあ、ちょっとお願いします!」という感じで、今回のアルバムリリースに繋がりました。
─なんだか能動的というか、受動的というか(笑)。
そうなんです。
自分が「やるぞ!」って気合いを入れて始めたわけではなくて、無理なく、少しずつみんながサポートしてくれて形になったという感じですよ。
今回の写真も、川島小鳥くんというカメラマンがいて、もともと彼の展覧会に伺ったときに写真が良くて、その時に話しかけて仲良くなっていたんですが、「やってくれない?」って頼んだら、喜んで引き受けてくれて。
そういう風に、色々なピースが集まって出来上がっていったという感じです。
─『SOUND BURGER PLANET』というアルバム名は、いったいどこから来たのでしょうか?
これはですね、いろいろ曲が出来上がってきて、まさにハンバーガーみたいに色々なものが入っているという感じから、最初は『SOUND BURGER』と付けたんです。
それが、ジャケット用の写真を撮っていたときに、ハンバーガーが惑星みたいに見えてきて、「じゃあ、プラネットをつけよう!」みたいな感じで『SOUND BURGER PLANET』にして、”プラネット感”を出してみました(笑)。
─収録曲は、ほとんどが新曲なんですね。
そうです。
「STAY TUNE」と「恋のANYTHING GO !」は、セルフカヴァーですけどね。とはいえ、「恋のANYTHING GO !」はベスト盤を出す時に、そのためだけに作った曲なんです。
─全体的にやはり夏ーな感じが(笑)。
夏な感じになってますか?あー、よかったー(笑)!
─元々は、夏にリリースを考えていたという感じなんですか?
それもあるんですけれど、前からみなさん、僕に夏っぽいイメージを持っていて。。。僕自身はそんなに思っていないんですけれどね(笑)。
─いや、半袖に短パンという、イメージがすごく強いです(笑)。
今回の夏っぽい部分は、いわゆるファンサービスじゃないですけれど、13年振りだからそういうのもやろうと思っていたところはあります。それで、出来てみたら、トータルで意外と夏っぽい感じになっていたので、ホッとしました(笑)。
─やはり夏じゃないですか(笑)。でも、個人的に”かせき”さんといえば、”スチャダラパー”とか、いわゆるLB周辺的な”どんより”した感じとは違った、カラっとしたイメージが昔からあって、ちょっと異色な感じだった様な気がします。
それは多分、木暮さんや、カジ(ヒデキ)くんとかにバックで演奏をやってもらったりしていたので、ヒップホップというよりはバンドの人たちとの付き合いが深かったということが理由かもしれないです。
それに影響されて、ヒップホップとはちょっと違う楽曲をやっていたし。
─楽曲も、いわゆる”シティポップ”なラインをうまく取り入れてやられていましたよね。
本当に、上手いことそういう風にできたというか。元々”シティポップ”が大好きだったので、そういう感じを出したいと思ってやっていたんです。サウンドがそういう風になったのも、やはり木暮さんやカジくんとかのお陰だと思いますね。
─そういえば、南佳孝さんともご一緒されていましたよね。
佳孝さんは、スカパラのライブの時に鈴木茂さんと佳孝さんで出ていたんですよ。その時はスカパラが「そばかすのある少女」を演奏するライブだったんですけれど、当時もう亡くなってしまったスカパラの青木(達之)さんから電話をいただいて、「ライブを観に来た方がいい!」って言われて。
ちょうど、その電話の2日後くらいに松本隆先生と初めてお会いできる機会があってですね、そのときに「ご一緒しませんか?」とお誘いしたら「行こうか!」ってなって、松本先生と一緒に行きましたよ(笑)。
─恐縮しながら(笑)?
そうです(笑)!恐縮しながら一緒に観に行って、そこで南佳孝さんをご紹介いただきました。その後、僕のCDを聴いてくれて、佳孝さんの方から「一緒にやろう」って。それで一緒にやることになったんです。
─なんだか、、、いろいろな縁がつながってなんですね。
本当に、それだけでやっています(笑)。自分では無理矢理動いてはいないんですよ。
ちょっとぼんやりしていると、たまたま逢った人と「やりますか!」みたいな感じで。
この人とどうしてもやりたいので、無理矢理知り合ってみたいなことはないです。
─”運”なんでしょうね。
そういう”運”はありますね。
13年間出さなかったという”運”も持っていますけれど(笑)。
─小さいころからそんな感じだったんですか?ヒトとヒトとの出会いというか。
実家が酒屋なんですけれど、ちょっと離れたところでおばあちゃんが飲み屋をやっていて、そこにいつも行っていたんです。だから、昔から年上と仲良くなるのが好きだったんですよね。子どもの時から、大人と遊んでいたり、学校に行ってもすごい年上の先輩と遊んでいたり。
音楽業界に入っても、色々な年上の方々から声をかけていただいて、遊びに行ったりしていましたしね。
それで、、、年下が苦手なんですよ、実は(笑)。
─それわかります(笑)!年下の扱い方が分からないタイプですよね。
そうなんです!自分が歳を取りはじめて、少しずつ若い子が近くに来るようになったんですが、どう接したらいいか初めわからなくて。。。30歳くらいの時に、さすがに「これはまずい!」と思いましたけれどね。ひょっとしたら、この13年間は年下と上手く付き合えるようになる為の時間だったのかもしれません。だって、今回のアルバムは、知り合い以外は全員年下とやっているのですから、得意になったんでしょうね(笑)。
─ゲストに(渡辺)俊美さんとか、川辺(ヒロシ)さん、スチャダラパーと。いつものメンバーが参加されていますね。
みんな友達ですよ。
単純に、一緒にやってもらいたいと思いましたしね。
─「夏をプレイバック」のDUBミックスは、DUB MASTER Xさん。
そうです。DUBミックスの曲だけですけれど、お願いしました。
─その曲が最後になっているから、さらなる”夏っぽさ”があるんじゃないですかね。
また、寂しい感じになるんですよねー、「ああ、夏が終わる!」みたいな(笑)。
すごくいいミックスをやっていただきました。
─曲順もすばらしいと思いました。
ありがとうございます!
─いや、ホントによかったんですよ。13年経っていますが、ぜんぜんお変わりないし、むしろチカラが、、、光っているなと思いましたよ。すばらしいかったです。
自分でも、何でこんなにさらっと出来たんだろうと思いましたけれどね。多分、分からない部分で苦労したり、進化したりしているはずなんですけれど。13年経って、歌もちょっと上手くなったし(笑)。
─アレ!?もともとウマかったですよね(笑)??
いや、元々は鼻唄でごまかし系だったんですよ。雰囲気でごまかし系です(笑)。
5年くらい前に”Baby&CIDER≡”で全国をまわっていたんですけれど、その時にベイビーの喉の調子が悪くなったんですね。
彼が、夜、ホテルだと「眠れない」って言っていて。
人間って寝ることで喉を治すらしく、だから僕はツアー中はすごく良く寝るようにしているんですけれどね。でも、その時はベイビーがぜんぜん眠れなくて、声がガラガラになってしまったんです。
で、彼から「全部歌ってくれないか?」って言われて。最初は彼とボーカルが半々だったのに、ハモる部分とかもぜんぜんやってくれなくて、ぜんぜん歌わなくなっちゃったんです。いつのまにか僕がメインボーカルみたいな感じになってですね(笑)。そうしたら歌が上手くなりましたね。
そんな感じで13年間、すべてが上手く作用して、今回のアルバムが出来たという感じです。
(後編へつづく)
かせきさいだぁ
『SOUND BURGER PLANET』

レーベル:AWDR/LR2(DDCB-12039)
価格:¥3,150(税込)
発売中!
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