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ブラインドからのぞき見た世の中 : August 25, 2011 @ 14:17

ブラインドからのぞき見た世の中 VOL.47『被災者と被害者』



大震災から5ヶ月。


さまざまなメディアを見ると、地震や津波で家や家族を失った方々は、
次のステップに進まれている方がだいぶ増えたようですね。

ワタクシが言えた立場ではないのですが、「よかった!」というのが正直な感想です。



しかし、いまだにどうにもこうにも動けないのが原発事故での”被害者”のみなさん。


“被災者”ではなく、”被害者”ですよね。
どうも、”被災者”という言葉でゴマかしがちなメディアですが、まぎれもなく”被害者”です。


ちなみに”風評”という言葉もそうですが、使い方が間違っているような気がしてなりません。
東北地方の食品が売れないのは”風評被害”だとおっしゃっている方がいますが、
それは風評ではなくまぎれもなく『原発被害』。
使い慣れていない言葉のせいなのか、それともその言葉のせいにしたいのか、はたまな”夏”のせいなのか。。。

安全なのか、よく分からない設定の基準値以下だからとかではなく、
まずはしっかりと放射性物質の値(事細かに!そして分かりやすく)も提示すべきです。
本来ならば、農水省が指導しながら国の管理でやるべきことなんですけれどね。
事故から5ヶ月も経っているのに、いまだにやらないのは何でなんでしょうか。
やらない理由の方が見つからないんですけれど。
やっていたとしても、われわれ消費者に伝わりきれていないのが現状です。


福島原発の事故の作業は、事故収束に向けた「ステップ1」の目標を達成し、「ステップ2」に進んだとのこと。
とはいえ、いまだに放射性物質はタレ流し状態、冷却装置も簡易的なもの、汚染水は染み出る寸前と、ステップは踏んでいるが、収束に向かっているのか、いないのか、、、まったくわからない状態です。


最近心配になりはじめているのが、原発被害で難民化しはじめている避難所にいる被害者の方々。


「できるかぎり早く地元に帰したい!」という細野豪志 原発事故担当大臣の思いとは裏腹に、
事故の収束の目処は立っていないので、
やはり3キロとはいわず、10キロ圏内はあと10年か15年くらいは難しいんじゃないでしょうかね。

とはいえ、別の場所に移住する決断もなかなか難しいと思います。

ここは政府が彼らに対して、なんらかの方針を示すべきですよね。
じゃないと彼らも動けないのは当然です。

まあ、そういった政府の対応もいまだに曖昧ですよ。

いや、むしろソッチの解決よりも代表選の方にチカラを注いでいることはハッキリしていますが。。。
ホント、そんなことをやっている場合じゃないでしょ。


菅さんの最後の仕事となりそうな『再生エネ法』は衆院本会議で可決したようですけれど、
これでエネルギー事業的にはいい方向に向かうのか、違うのか。。。
なんだか微妙な空気です。


しかし、北海道電力の泊原発を再稼働させたり、
先日、原子炉内に落ちていた鉄の棒がやっとのことで取った高速増殖原型炉『もんじゅ』を復旧に向けて作業しているとか。
現状をみると、安全を謳歌するために、なんの事故後対策もなかったことが証明されているにも関わらず、まだ原子力に頼る意味が分からないですよね。
安全対策っていうのは事故が起こった後の対応、”事故後対策”も含めたものにしていただきたいですよ。
結局、事故を起こさないための安全対策しかないのであれば、意味がない。

ま、そんなことをヤル前に、移動式の超大型太陽光発電装置を何個も作って、
人が立ち入れない福島原発の避難区域に設置した方が、
よほどいろいろとリアルに感じますけれどね。


守れもしない”約束”のために、われわれの税金を無駄使いするのだけはやめてほしいモノです。


とにかく一刻もはやく、福島原発の被害者の数が減っていくコトを、ココロより祈ります。



EPO「夏の約束」



旅路 良



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