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Movie Life : July 29, 2013 @ 16:32

MOVIE LIFE 112『SHORT PEACE』


ダレかが言った、『いや~、映画ってホントいいものですね!』と──。

いまも世界中のヒトたちを魅了しつづけ、そして夢の世界へと誘う”銀幕の世界”。 この”MOVIE LIFE”では、無駄に映画好きであるワタクシが、コレから公開予定の映画を中心に、コメントと評価を交えながらご紹介していきます。

(評価は5段階、☆の数で示されます)





MOVIE LIFE 112『SHORT PEACE』




これが原点。



□ストーリー

『九十九』──嵐の夜に深い山中で男が迷い込んだ祠に現れたのは、捨てられた物に憑いたモノノケたちだった。

『火要鎮』──惹かれあいながらも結ばれぬ商家の娘と幼馴染の男。娘の情念は大火事を引き起こし江戸の町を焼き尽くす。

『GAMBO』──戦国時代末期。村に鬼が現れ略奪の限りを尽くす。少女は出会った白い熊に救いを求め、鬼と白熊との激闘がはじまる。

『武器よさらば』──砂漠の中の廃墟と化した東京。武装小隊は一台の戦車無人兵器と遭遇戦となり、小隊は窮地に陥っていく。



『九十九』



『火要鎮』



□オレ意見
評価:☆☆☆☆☆(満点は5個)


『SHORT PEACE』とは、1979年に発売された”大友克洋”の漫画短編集。

今作は、『九十九』、『火要鎮』、『GAMBO』、『武器よさらば』、4作品のオムニバス形式だが、その漫画短編集からタイトルをとったとのこと。


監督は、『AKIRA』でお馴染み、泣く子もだまる”大友克洋”をはじめ、『FREEDOM』の監督もつとめた”森田修平”、『MEMORIES』や『STEAM BOY』のCG監督をつとめた”安藤裕章”、そして『機動戦士ガンダム ZZ』や『機動警察パトレイバー 2 the Movie』のメカニックデザイナーの”カトキハジメ”と、日本のアニメ業界をになう若手と重鎮による真っ向勝負。

オープニング映像も日本を代表するアニメーター”森本晃司”が監督をしているので、正確には5作品か。

コレが5つの別の作品に思えなかったというのが、正直な感想だ。


どの作品も、『”静”と”動”』、『戦争と平和』、そんな部分がテーマになっていて、それぞれ個のチカラがとてもつよい。
気がつくと、その世界にグイグイ惹き込まれてしまった。


なかでも、大友監督の『火要鎮』はやはりイチオシ。

はじまり方も「そうきたか!!」と驚かされるし、とにかく、彼の”火”の描き方がホントにスゴすぎ。

まるで自分がその場、つまり火事の現場にでもいるような錯覚におちいってしまうくらいだ。


とはいえ、全作品のクオリティがほんとに高い。

さすが”大友克洋”監修だし、コレぞまさにクールジャパン。


ちなみに、気づいているかもしれないが、タイトルの「ピース」。

「PIECE(片)」じゃなくて、「PEACE(平和)」ってトコロもニクいよネ。



『GAMBO』






2013年7月20日より、全国ロードショー

『SHORT PEACE』






監督:大友克洋/森田修平/安藤裕章/カトキハジメ


声の出演:早見沙織/森田成一/山寺宏一 ほか

配給:松竹


オフィシャルサイト:http://shortpeace-movie.com/



『武器よさらば』

©SHORT PEACE COMMITTEE ©KATSUHIRO OTOMO/MASH・ROOM/SHORT PEACE COMMITTEE


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